そろばんノート

早見表・計算ツール

随時改定(月額変更)の判定ツール

令和8年度の協会けんぽの保険料率(都道府県別)、厚生年金18.3%、子ども・子育て支援金0.23%の本人負担分で計算。雇用保険料は実際の給与にかかるため含みません。

最終確認日 2026年10月14日

昇給や降給で毎月の給与が大きく変わると、毎年9月の定時決定を待たずに標準報酬月額が変わることがあります。これが随時改定です。今の標準報酬月額と、固定的な賃金が変わった月から3か月の報酬を入れると、随時改定に当たるかどうか、何月から変わるか、本人負担の保険料がいくら変わるかを計算します。標準報酬月額26万円の人が4月支給分から月30万円に昇給した場合、2等級上がるので7月から改定され、本人負担は月5,676円増えます(東京都・40歳未満)。

随時改定に該当します。2026年7月から標準報酬月額が変わります。

3か月の報酬の平均300,000円
健康保険の等級20等級 → 22等級
厚生年金の等級17等級 → 19等級
本人負担 改定前(月)36,894円
本人負担 改定後(月)42,570円
差額(月)5,676円

随時改定になる3つの条件

原則として、次の3つをすべて満たすと随時改定になります(日本年金機構)。1つ目は、昇給や降給などで固定的賃金が変わったこと。2つ目は、変わった月から3か月間に支払われた報酬の平均を等級表に当てはめた標準報酬月額と、今の標準報酬月額との間に2等級以上の差があること。3つ目は、その3か月とも支払基礎日数が17日以上あること(特定適用事業所で働く短時間労働者は11日以上)です。

固定的賃金とは、基本給や家族手当、通勤手当、住宅手当、役職手当のように、支給額や支給率が決まっている賃金です。時給や日給の単価の変更、給与体系の変更(日給から月給へなど)も固定的賃金の変動に入ります。引っ越しや定期券の区間の変更で通勤手当の額が変わった場合も固定的賃金の変動に当たるため、通勤手当の増減をきっかけに、残業代を含めた3か月の平均が2等級以上変われば随時改定になります。残業代のように働いた時間で毎月変わる賃金だけが増えても、随時改定にはなりません。ただし、3か月の平均を出すときは残業代も含めた報酬全体で計算します。

条件を満たすと、変わった報酬を初めて受けた月から数えて4か月目に標準報酬月額が改定されます。4月に支払われた給与から昇給していれば、4月・5月・6月の平均で判定し、7月から新しい標準報酬月額になります。会社は月額変更届を日本年金機構(協会けんぽの健康保険を含む)や健康保険組合に出します。

2等級上がっても対象にならない場合

固定的賃金が上がったのに、残業代が大きく減ったために3か月の平均が下がり、2等級下がった場合は、随時改定の対象になりません。反対に、固定的賃金が下がったのに残業代が増えて平均が2等級上がった場合も対象外です。上の計算ツールでは、変動の向きと等級の動きが逆のときは「対象外」と表示します。

等級表の上限や下限にいる人は、2等級の差がつかないことがあるため、1等級の差でも改定される特例があります。たとえば厚生年金の31等級(62万円)の人が昇給して平均が66.5万円以上になったときや、健康保険の49等級の人の平均が141.5万円以上になったときは、1等級の差でも随時改定になります。下限の側にも同じような決まりがあり、ツールの変動前の報酬月額の欄はこの判定に使います。

例健康保険判定厚生年金判定本人負担の差(月)
基本給が26万円から30万円に昇給20→22該当17→19該当5,676円
基本給が26万円から28万円に昇給20→21非該当17→18非該当0円
手当が新設されたが残業が減り平均24万円22→19対象外(逆の変動)19→16対象外(逆の変動)0円
基本給が30万円から25.5万円に降給22→20該当19→17該当-5,676円
報酬62万円から67万円に昇給(厚生年金の上限)34→36該当31→32該当5,769円
引っ越しで通勤手当が月2万円増え、残業も増えて平均30万円20→22該当17→19該当5,676円
通勤手当が月5,000円増えたが平均27万円20→21非該当17→18非該当0円

定時決定との関係と保険料の引かれ方

毎年7月から9月のいずれかの月から随時改定される人は、原則として、その年の定時決定(4月から6月の報酬で9月から決まる標準報酬月額)は行われません(日本年金機構)。随時改定で決まった標準報酬月額は、6月までに改定された場合はその年の8月まで、7月以降に改定された場合は翌年の8月まで使われます。

保険料は、一般的には前月分の保険料を当月の給与から差し引くため、7月に改定された場合、給与明細で金額が変わるのは8月支給分からになることが多いです。会社の給与計算の締め日や支払日で前後するので、明細の健康保険料と厚生年金保険料の欄を見ると確かめられます。

標準報酬月額が上がると保険料は増えますが、将来受け取る厚生年金の報酬比例部分や、傷病手当金・出産手当金の額も標準報酬月額をもとに計算されるため増えます。降給で標準報酬月額が下がる場合は、保険料が減る一方で、これらの給付も少なくなります。

計算の前提と出典

最終確認日 2026年10月14日。数字は公的なページで確認した一般的な目安です。実際の支給額や保険料は、ハローワークや日本年金機構、加入している健康保険の決定によります。