そろばんノート

老人ホーム・介護施設の費用

負担限度額認定(補足給付)

居住費と食費が下がる負担限度額認定の段階と申請をまとめました。

この内容は2026年11月1日時点のものです。

最終確認日 2026年11月1日

負担限度額認定(補足給付)は、所得と預貯金が少ない人の特養・老健・介護医療院・ショートステイの居住費と食費を、段階ごとの上限まで下げる制度です。市区町村に申請して認定証を受け、施設に見せると、基準費用額との差額は介護保険から施設に払われます。

2026年8月1日から、第3段階①・②の食費と、第3段階②の居住費が上がりました。たとえば特養の多床室に入る第3段階②の要介護3の人は、1か月の合計が75,660円から80,460円になります(30日、その他の地域)。

金額の正確な額は、施設の重要事項説明書と、市区町村の介護保険の窓口で確かめられます。ご自分の場合の相談は、その窓口か地域包括支援センターでできます。

対象になる所得と預貯金

対象は、本人と世帯全員が住民税非課税で、世帯を分けている配偶者も非課税の人です。段階は前年の年金収入等(課税される年金、その他の合計所得金額、遺族年金・障害年金の合計)で決まり、82.65万円以下が第2段階、120万円以下が第3段階①、それを超えると第3段階②です。

預貯金等は本人と配偶者の分を合わせて見て、預貯金、有価証券、金や銀、投資信託、現金が入り、生命保険、自動車、時価のわかりにくい貴金属は入りません。借入金や住宅ローンがあれば差し引きます。生活保護を受けている人に預貯金の要件はありません。

段階対象になる人預貯金等(単身)預貯金等(夫婦)
第1段階生活保護を受けている人、世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金を受けている人1,000万円以下2,000万円以下
第2段階世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が82.65万円以下の人650万円以下1,650万円以下
第3段階①世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が82.65万円を超え120万円以下の人550万円以下1,550万円以下
第3段階②世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が120万円を超える人500万円以下1,500万円以下
40〜64歳の人所得の段階は同じ1,000万円以下2,000万円以下

段階ごとの居住費・食費

下の表は2026年8月1日からの1日の上限です。ショートステイの食費は、施設に入っている人の食費と額が違います。第4段階の人には上限がなく、施設との契約の額を払います。

区分(1日)食費ユニット型個室ユニット型個室的多床室従来型個室(特養・ショートステイ)従来型個室(老健・介護医療院)多床室(特養・ショートステイ)多床室(老健・介護医療院で室料を払う場合)多床室(老健・介護医療院で室料を払わない場合)
基準費用額(第4段階)1,545円2,066円1,728円1,231円1,728円915円697円437円
第1段階300円880円550円380円550円0円0円0円
第2段階390円880円550円480円550円430円430円430円
第3段階①680円1,370円1,370円880円1,370円430円430円430円
第3段階②1,420円1,470円1,470円980円1,470円530円530円430円

2026年8月からの変更

変わったのは、第3段階①・②の食費、第3段階②の居住費、食費の基準費用額、第2段階の年金収入等の基準です。第1段階と第2段階の居住費・食費は変わっていません。老健と介護医療院で室料を払わない多床室は、第3段階②でも居住費が据え置きです。

項目(1日)2025年8月1日〜2026年7月31日2026年8月1日から
第3段階①の食費(施設)650円680円
第3段階①の食費(ショートステイ)1,000円1,030円
第3段階②の食費(施設)1,360円1,420円
第3段階②の食費(ショートステイ)1,300円1,360円
第3段階②の居住費(ユニット型個室)1,370円1,470円
第3段階②の居住費(ユニット型個室的多床室)1,370円1,470円
第3段階②の居住費(従来型個室(特養・ショートステイ))880円980円
第3段階②の居住費(従来型個室(老健・介護医療院))1,370円1,470円
第3段階②の居住費(多床室(特養・ショートステイ))430円530円
第3段階②の居住費(多床室(老健・介護医療院で室料を払う場合))430円530円
食費の基準費用額1,445円1,545円
第2段階の年金収入等の基準80.9万円82.65万円

申請のしかた

申請は住民票のある市区町村の介護保険の窓口にします。申請書のほかに、預貯金通帳の写し(原則として申請日の直近2か月以内に記帳したもの)、証券口座や投資信託の残高がわかる書類、借入金があればその契約書の写しを出し、金融機関に照会することの同意書を付けます。

認定証の有効期間は8月1日から翌年の7月31日までで、毎年申請し直します。認定は申請した月の初日にさかのぼって効力があります。偽って認定を受けると、受けた額の返還に加えて最大2倍の加算金を求められることがあります。

世帯分離と配偶者

負担限度額認定では、住民票の世帯を分けていても配偶者の所得と預貯金を合わせて判定します。配偶者が住民税課税なら対象になりません。配偶者が行方不明のときやDVの被害を受けているときなどは、配偶者を判定に入れない扱いがあります。

住民税が課税の世帯でも、世帯の人数が2人以上で、施設の費用を払うと残る家族の生活が苦しくなるときは、特例減額措置で第3段階②の額まで下がることがあります。年金収入等から施設の費用の見込みを引いた額が82.65万円以下で、預貯金等が450万円以下などの条件があります。

ほかの軽減の制度

社会福祉法人などが運営する施設では、生計が苦しい人の自己負担を原則4分の1(老齢福祉年金を受けている人は2分の1)軽くする制度があり、年間の収入が単身で150万円以下、預貯金等が単身で350万円以下などの条件があります。実施している法人に限られるので、施設と市区町村に確かめてください。

介護サービス費の自己負担は、高額介護サービス費で1か月の上限を超えた分が戻ります。

よくある質問

グループホームや有料老人ホームでも使えますか?
使えません。負担限度額認定の対象は、特養・老健・介護医療院・ショートステイだけです。
認定証を見せ忘れた月はどうなりますか?
やむを得ず見せられなかったときは、市区町村に申請すると、後から差額が支給されることがあります。

出典と前提

最終確認日 2026年11月1日。老人ホーム・介護施設の費用は、公表されている単位数と基準額で計算した目安です。実際の額は、施設がとっている加算、部屋の料金、契約の内容と市区町村の認定で変わります。