そろばんノート

早見表・計算ツール

老人ホームの費用(種類ごとの月額と入居時の費用)

老人ホーム・介護施設の費用の決まり方を、施設の種類ごとにまとめました。

この内容は2026年11月1日時点のものです。

最終確認日 2026年11月1日

老人ホームの費用は、介護保険の介護サービス費の自己負担(1割から3割)、居住費(家賃にあたる費用)、食費、日常生活費でできていて、施設の種類によって決まり方が違います。特養・老健・介護医療院は、国が決めた単位数と基準費用額で月額を計算でき、所得の低い人は負担限度額認定で居住費と食費が下がります。有料老人ホームとサ高住の家賃と食費は、施設ごとの契約で決まります。

たとえば特養のユニット型個室で要介護4、1割負担の人の1か月は、住民税が課税の世帯(第4段階)なら134,910円、第2段階の負担限度額認定を受けた人なら53,100円です(地域区分はその他、加算を含まない目安、30日の月)。

金額の正確な額は、施設の重要事項説明書と、市区町村の介護保険の窓口で確かめられます。ご自分の場合の相談は、その窓口か地域包括支援センターでできます。

施設の種類と費用の決まり方

介護保険で入る施設(特養・老健・介護医療院)と、住まいとして契約する施設(有料老人ホーム・サ高住・グループホーム)では、費用の決まり方が大きく違います。介護保険施設では、介護サービス費も居住費・食費も国が示した額をもとに計算でき、入居一時金はかかりません。住まいの施設では、家賃・管理費・食費を施設が決め、入居一時金や敷金を受け取る施設もあります。

施設入れる人介護の費用居住費・食費入居時の費用負担限度額認定医療費控除
特養(特別養護老人ホーム)原則要介護3以上要介護度と部屋で決まる日額基準費用額と負担限度額なし対象自己負担の2分の1
老健(介護老人保健施設)要介護1以上(在宅に戻るための施設)要介護度と部屋で決まる日額基準費用額と負担限度額なし対象全額
介護医療院要介護1以上(長く療養が必要な人)要介護度と部屋で決まる日額基準費用額と負担限度額なし対象全額
介護付き有料老人ホーム施設の契約による要介護度で決まる日額契約入居一時金がある施設も対象外対象外
住宅型有料老人ホーム施設の契約による外部の在宅サービス契約入居一時金がある施設も対象外医療系サービスなど
サ高住60歳以上など外部の在宅サービス賃貸借などの契約敷金など対象外医療系サービスなど
グループホーム認知症で要支援2以上、同じ市区町村の住民要介護度で決まる日額契約施設による対象外対象外

種類ごとの1か月の目安(要介護3の例)

同じ要介護3、1割負担、住民税が課税の世帯でも、施設の種類と部屋で月額が変わります。下の表は、加算を含まない基本の介護サービス費と、介護保険施設の居住費・食費(国の基準費用額)を30日分で計算したものです。有料老人ホーム・サ高住・グループホームは、介護の分だけを計算しているので、家賃と食費を足した額が月額になります。

施設(要介護3、1割、第4段階)介護サービス費の自己負担居住費食費1か月の合計
特養(ユニット型個室)24,450円61,980円46,350円132,780円
特養(多床室)21,960円27,450円46,350円95,760円
老健(基本型・多床室)27,240円13,110円46,350円86,700円
介護医療院(Ⅰ型・多床室)35,460円13,110円46,350円94,920円
介護付き有料老人ホーム20,370円施設ごと(契約)施設ごと(契約)20,370円+家賃・食費
グループホーム(1ユニット)24,720円施設ごと(契約)施設ごと(契約)24,720円+家賃・食費
住宅型有料老人ホーム・サ高住27,048円施設ごと(契約)施設ごと(契約)27,048円+家賃・食費

公的な統計の平均

厚生労働省の介護給付費等実態統計(令和8年7月審査分(主に2026年6月のサービス)、月報第5表)では、介護保険の費用の額を受給者1人あたりで見ると、特養が1か月316,700円、老健が340,600円、介護医療院が410,600円です。これは加算を含む10割の額で、1割負担の人の自己負担はおおむねその10分の1になり、居住費と食費は含みません。

有料老人ホームとサ高住の月額は国の統計にはなく、厚生労働省の老人保健健康増進等事業の調査(2025年9月〜10月の調査、図表28)があります。介護保険と医療の自己負担を除いた総額費用の平均は、介護付きが260,064円、住宅型が128,847円、サ高住が159,076円でした。施設ごとの差が大きいので、見学の前に重要事項説明書で月額の内訳を確かめると比べやすくなります。

サービス1人1か月あたりの費用額(10割)
特養(介護老人福祉施設)316,700円
老健(介護老人保健施設)340,600円
介護医療院410,600円
グループホーム307,200円
介護付き有料老人ホームなど(特定施設)234,900円
種類総額費用(前払金を月額に換算して含む)月額利用料金の計前払金を受け取る施設の前払金前払金が0円の施設の割合
介護付き(特定施設)260,064円149,862円8,852,600円53.9%
住宅型有料老人ホーム128,847円81,860円4,983,459円68.4%
サ高住(特定施設でないもの)159,076円95,015円1,302,462円75.9%

誰が払うか

施設と契約するのは入居する本人で、費用は本人の年金や預貯金から払うのが基本です。本人だけで足りないときに、子どもなどの家族が援助することもよくあります。

民法877条1項は「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と定めていますが、どこまで援助するかは家族の事情で決まり、法律が施設の費用の額を決めているわけではありません。家族が施設の費用を払った場合、本人と生計を一にしていれば、特養・老健・介護医療院の費用の一部は払った家族の医療費控除の対象になります(施設の費用と医療費控除)。

厚生労働省は、身元保証人等がいないことは介護保険施設が入所を断る正当な理由に当たらないとしています。有料老人ホームとサ高住では、身元引受人の扱いが施設の契約で決まります。

払えないとき

所得の低い人は、市区町村に申請して負担限度額認定を受けると、特養・老健・介護医療院・ショートステイの居住費と食費が段階ごとの額まで下がります。介護サービス費の自己負担は、高額介護サービス費で1か月の上限を超えた分が戻り、医療と介護を合わせた1年の負担が多いときは高額介護合算療養費もあります。

社会福祉法人の施設では、生計が苦しい人の自己負担を原則4分の1(老齢福祉年金を受けている人は2分の1)軽くする制度を、申し出た法人が行っています。生活保護を受けている人は、負担割合が1割、高額介護サービス費の上限が個人15,000円、負担限度額は第1段階になります。どれを使えるかは本人の所得と預貯金で変わるため、まず市区町村の介護保険の窓口か地域包括支援センターに相談すると、使える制度を一緒に確かめられます。

世帯分離について

世帯分離は、同じ家に住む家族の住民票の世帯を分けることです。住民基本台帳では世帯を「居住と生計をともにする社会生活上の単位」としていて、分けられるかは届け出を受けた市区町村が判断します。

負担限度額認定では、世帯を分けていても配偶者の所得と預貯金を合わせて見るため、配偶者が住民税課税なら対象になりません。高額介護サービス費は住民票上の世帯で上限を見るので、世帯の分け方で区分が変わることがあり、国民健康保険の保険料のように世帯主に通知される負担も変わります。制度ごとに影響が違うので、届け出る前に市区町村の窓口で、どの負担が変わるかを確かめておくと安心です。

老人ホーム・介護施設の費用のページ

計算ツールと、施設の種類ごと、負担を軽くする制度ごとのページです。

よくある質問

特養と有料老人ホームでは、どちらが安いですか?
特養は介護保険施設なので入居一時金がなく、居住費と食費は国の基準費用額が目安で、所得が低い人は負担限度額認定で下がります。有料老人ホームは家賃・管理費・食費を施設が決めるため、同じ要介護度でも施設によって月額が大きく違います。
年金だけで払えますか?
本人の年金額と、使える負担軽減の制度で変わります。計算ツールで本人の段階を選ぶと、居住費・食費と高額介護サービス費の上限を当てはめた月額がわかります。
費用は確定申告で戻りますか?
特養の費用は介護費・食費・居住費の自己負担の2分の1、老健と介護医療院は全額が医療費控除の対象です。有料老人ホームとサ高住の家賃や食費は対象になりません。

出典と前提

最終確認日 2026年11月1日。老人ホーム・介護施設の費用は、公表されている単位数と基準額で計算した目安です。実際の額は、施設がとっている加算、部屋の料金、契約の内容と市区町村の認定で変わります。