高額介護サービス費は、1か月に払った介護サービス費の自己負担が所得の区分ごとの上限を超えたとき、超えた分が介護保険から戻る制度です。上限は住民税が課税の世帯で44,400円、世帯全員が非課税なら24,600円などで、居住費・食費・日常生活費は対象になりません。
たとえば特養のユニット型個室で要介護5、第2段階の人は、介護サービス費の自己負担28,650円のうち本人の上限15,000円を超える13,650円が戻ります(その他の地域、30日、加算を含まない額)。
所得の区分ごとの上限額
上限は、住民票の世帯で介護サービスを使った人の自己負担の合計にかかる「世帯」の上限と、本人にかかる「個人」の上限があります。課税所得で分かれる区分は、世帯にいる65歳以上の人のうち課税所得が一番高い人で決まります。この上限額は2021年8月1日から変わっていません。
世帯全員が住民税非課税で年金収入等が基準額以下の人と、老齢福祉年金を受けている人は、世帯の上限24,600円のまま、本人の負担が個人の上限15,000円で止まります。基準額は2025年8月1日から80.9万円、2026年8月1日から82.65万円に変わりました。
| 区分 | 上限額(1か月) |
|---|---|
| 65歳以上の課税所得690万円以上の人がいる世帯 | 140,100円(世帯) |
| 65歳以上の課税所得380万円以上690万円未満の人がいる世帯 | 93,000円(世帯) |
| 住民税が課税の世帯(上の2つ以外) | 44,400円(世帯) |
| 世帯全員が住民税非課税 | 24,600円(世帯) |
| 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が基準額以下の人、老齢福祉年金を受けている人 | 24,600円(世帯)、本人は15,000円(個人) |
| 生活保護を受けている人 | 15,000円(個人) |
対象にならない費用
高額介護サービス費の対象は、介護保険の介護サービス費の自己負担(1割から3割)だけです。居住費(滞在費)、食費、日常生活費、福祉用具の購入費、住宅改修費、支給限度額を超えて全額自己負担した分は対象になりません。
施設に入っている人の場合、居住費と食費は負担限度額認定で、医療と介護を合わせた1年の負担は高額介護合算療養費で軽くなる仕組みが別にあります。
| 例 | 介護サービス費の自己負担 | 上限 | 払い戻し |
|---|---|---|---|
| 特養・ユニット型個室、要介護5、第2段階 | 28,650円 | 15,000円 | 13,650円 |
| 老健・多床室、要介護4、2割、課税世帯 | 57,660円 | 44,400円 | 13,260円 |
申請と支給の流れ
支給を受けるには市区町村に申請します。申請のしかたは市区町村ごとに案内されていて、厚生労働省は市区町村に、申請を初回だけで済ませ、その後は初回に指定した口座に振り込むなどの対応を求めています。
払い戻しを受ける権利は、サービスを受けた月の翌月の初日から2年で時効になります。お知らせが届いていないのに上限を超えていると思ったときは、領収書を手元に置いて、市区町村の介護保険の窓口に問い合わせてください。
2割・3割の人の場合
負担割合が2割や3割の人は、自己負担が上限に届きやすくなります。たとえば老健の多床室で要介護4、2割負担の人は、自己負担57,660円のうち上限44,400円を超える13,260円が戻ります。
世帯に課税所得が380万円以上の65歳以上の人がいると、上限は93,000円、690万円以上なら140,100円になります。
よくある質問
- 夫婦で介護サービスを使っているときは?
- 同じ世帯の2人の自己負担を合計して世帯の上限を当てはめ、超えた分をそれぞれの負担額の割合で分けて支給します。
- 福祉用具を買った費用は対象になりますか?
- 福祉用具の購入費と住宅改修費は、高額介護サービス費の対象になりません。
出典と前提
最終確認日 2026年11月1日。老人ホーム・介護施設の費用は、公表されている単位数と基準額で計算した目安です。実際の額は、施設がとっている加算、部屋の料金、契約の内容と市区町村の認定で変わります。