有料老人ホームの費用(介護付きと住宅型)
有料老人ホームの入居時の費用と月額を、介護付きと住宅型に分けてまとめました。
この内容は2026年11月1日時点のものです。
最終確認日 2026年11月1日
有料老人ホームの費用は、入居時の費用(入居一時金や敷金)と、家賃・管理費・食費の月額、介護保険の自己負担でできています。介護付き有料老人ホームは施設の職員が介護をして、要介護度ごとの1日の定額が介護サービス費になります。住宅型は外部の訪問介護などを契約し、使った分だけ払います。
たとえば介護付きで要介護3、1割負担の人の介護サービス費は1か月20,370円で、家賃・管理費・食費を合わせて20万円の施設なら月々220,370円です(家賃などは例の入力)。
介護付きと住宅型の違い
介護付き有料老人ホームは、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設で、施設の職員が計画を立てて介護をします。指定を受けていない施設は、広告で「介護付き」や「ケア付き」と表示できません。
住宅型有料老人ホームは、食事や見守りなどの生活支援がついた住まいで、介護が必要になったら、入居者が自分で選んだ訪問介護やデイサービスを使いながら暮らします。健康型は、介護が必要になると契約を終えて退去する類型です。
介護付きの介護サービス費
介護付きの介護サービス費は、要介護度ごとの1日の単位数に日数を掛けて計算する定額です。入院などで施設にいない日は減ります。手厚い人員配置の分などを介護保険とは別に受け取る施設もあり、その額は重要事項説明書に書かれています。
| 要介護度 | 1日の単位 | 1か月(その他) | 1か月(1級地) |
|---|---|---|---|
| 要支援1 | 183単位 | 5,490円 | 5,985円 |
| 要支援2 | 313単位 | 9,390円 | 10,236円 |
| 要介護1 | 542単位 | 16,260円 | 17,724円 |
| 要介護2 | 609単位 | 18,270円 | 19,915円 |
| 要介護3 | 679単位 | 20,370円 | 22,204円 |
| 要介護4 | 744単位 | 22,320円 | 24,329円 |
| 要介護5 | 813単位 | 24,390円 | 26,586円 |
住宅型の介護サービス費
住宅型では、ケアマネジャーが立てたケアプランの在宅サービスを使った分が介護サービス費になります。介護保険で使えるのは要介護度ごとの支給限度額までで、超えた分は全額自己負担です。下の表は、限度額いっぱいまで使った場合の上限です。
| 要介護度 | 支給限度額(月) | 限度額まで使った自己負担(1割) |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 5,032円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 10,531円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 16,765円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 19,705円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 27,048円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 30,938円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 36,217円 |
入居一時金と償却
入居一時金(前払金)は、終身または一定の期間の家賃やサービスの費用を前もってまとめて払うものです。施設は、想定した居住期間で毎月の分を割り振っていて、これを償却と言います。入居したときに償却される初期償却は、想定した期間を超えて住み続ける場合に備えて受け取る額です。
施設は前払金の算定の根拠を書面で示し、返す義務がある分を銀行の保証などで保全しなければなりません。保全の額は、残っている期間の分か500万円の少ない方以上です。家賃・敷金・サービスの対価のほかに権利金を受け取ることは禁止で、敷金は家賃の6か月分までです。
| 例の入力と結果 | 金額 |
|---|---|
| 介護サービス費の自己負担(要介護3、1割、30日) | 20,370円 |
| 家賃・管理費・食費(例の入力) | 200,000円 |
| 月々の支払いの合計 | 220,370円 |
| 入居一時金(例の入力) | 3,000,000円 |
| 初期償却(25%) | 750,000円 |
| 償却期間(60か月)で割った月あたり | 50,000円 |
| 入居一時金を含めた月あたり | 270,370円 |
入居から3か月以内に退去したとき
入居から3か月以内に契約を解除したときや、本人が亡くなって契約が終わったときは、前払金から「家賃等の月額 ÷ 30 × 入居した日から契約が終わった日までの日数」だけを引いた額が返されます。初期償却の分も返還の対象で、これは老人福祉法と施行規則で施設に義務づけられている決まりです。90日ルールとも呼ばれますが、法令の期間は日数ではなく3か月です。
3か月を過ぎてからの退去では、想定した居住期間の残りの分が日割りで返されます。予告期間を長くして返還の期間を実質的に短くすることは、国の指導指針で認められていません。
公的な調査の平均
厚生労働省の老人保健健康増進等事業の調査(2025年9月〜10月の調査)では、前払金を受け取る介護付きの施設の前払金の平均は8,852,600円で、前払金が0円の施設は53.9%でした。前払金の初期償却率の平均は23.7%、償却期間の平均は65.6か月です。月額の総額費用の平均は、介護付きが260,064円、住宅型が128,847円です。
| 種類 | 総額費用(前払金を月額に換算して含む) | 月額利用料金の計 | 前払金を受け取る施設の前払金 | 前払金が0円の施設の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 介護付き(特定施設) | 260,064円 | 149,862円 | 8,852,600円 | 53.9% |
| 住宅型有料老人ホーム | 128,847円 | 81,860円 | 4,983,459円 | 68.4% |
| サ高住(特定施設でないもの) | 159,076円 | 95,015円 | 1,302,462円 | 75.9% |
これから変わる決まり
令和8年法律第51号で、有料老人ホームの規定は29条の7・29条の8に移り、登録有料老人ホームの制度ができます。施行日は公布から2年以内に政令で決まります。入居一時金を返す決まりの考え方は変わりませんが、根拠になる条文の番号が変わります。
有料老人ホームの家賃・管理費・食費と介護付きの介護サービス費は、医療費控除の対象になりません。住宅型で外部の訪問看護などの医療系サービスを使ったときは、その費用が対象になります(施設の費用と医療費控除)。
よくある質問
- 入居一時金がない施設もありますか?
- あります。上の調査では、前払金が0円の施設が住宅型で68.4%、介護付きで53.9%でした。入居一時金がある施設とない施設では月額が大きく違うので、総額で比べるとわかりやすくなります。
- 重要事項説明書は、どこで見られますか?
- 施設は入居の前に重要事項説明書を渡して説明することになっていて、都道府県のホームページで公開されていることもあります。前払金の初期償却率、償却期間、返還金の計算のしかたも書かれています。
出典と前提
最終確認日 2026年11月1日。老人ホーム・介護施設の費用は、公表されている単位数と基準額で計算した目安です。実際の額は、施設がとっている加算、部屋の料金、契約の内容と市区町村の認定で変わります。
- e-Gov法令検索「老人福祉法(昭和38年法律第133号)」
- e-Gov法令検索「老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)」
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について(最終改正 2024年12月6日)」
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針 別紙様式 重要事項説明書」
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針 別表 有料老人ホームの類型」
- 厚生労働省「平成18年厚生労働省告示第266号(有料老人ホームの前払金の保全措置など)」
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号、法令等データベース)」
- 厚生労働省「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号、法令等データベース)」
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム「特定施設入居者生活介護」」
- 厚生労働省 老人保健健康増進等事業「令和7年度 高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究事業 報告書(令和8年3月)」
- 国税庁「No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価」