そろばんノート

仮想通貨の税金

仮想通貨(暗号資産)の分離課税はいつから?

財務省の税制改正の解説と金融庁の発表による説明です。

この内容は2026年11月2日時点のものです。

最終確認日 2026年11月2日

仮想通貨(暗号資産)の申告分離課税(所得税15%と復興特別所得税、住民税5%で合わせて20.315%)は、法律としては2026年3月31日に成立しています。ただし適用は「金商法等改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の譲渡」からで、施行日を決める政令が2026年11月2日時点で出ていないため、始まる年は未定です。

施行が2027年中なら2028年1月1日以後の売却から、2026年中なら2027年1月1日以後の売却からになります。2026年中の売却は、今までどおり給与と合わせる総合課税です。

ご自身の所得の区分と所得税の申告は税務署で、住民税の申告はお住まいの市区町村で確かめられます。取引の数が多い、海外の取引所やDeFiを使っているなど込み入った場合は、税理士に相談する方法もあります。

決まったこと

財務省の令和8年度税制改正の解説によると、居住者が特定暗号資産を暗号資産取引業者に売った(売却を委託した)場合の所得は、他の所得と分けて15%の所得税がかかります(租税特別措置法第38条の2)。住民税は5%で(税制改正の大綱)、所得税に復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わるので、合わせて20.315%です。

特定暗号資産の譲渡で出た損失は、ほかの特定暗号資産の譲渡の所得とだけ差し引けます。差し引いても残る損失は、確定申告をすることを条件に、翌年以後3年間の特定暗号資産の所得から引けます(第38条の3)。

対象になる暗号資産と取引

対象は、改正後の金融商品取引法で、名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産などです(特定暗号資産)。取引業者の取扱いが終わったのに登録が残っているものなどは、施行に合わせて対象から外す定めが置かれる予定です。対象の譲渡は、登録を受けた暗号資産取引業者への売却の委託か、業者に対する譲渡に限られます。業者を通さない個人間の売買は、この特例に含まれません。

取引業者から税務署への報告書

改正後は、暗号資産取引業者が、特定暗号資産の売買をした人の氏名・個人番号・銘柄ごとの年中の取得と譲渡の数量と金額などを書いた報告書を、翌年1月31日までに税務署に出します(第38条の2第4項)。この報告書の決まりは、金商法等改正法の施行日の属する年の翌々年1月1日以後の取引から適用されます(改正法附則39条2項)。

始まる年の決まり方

金商法等改正法は2026年7月15日に成立し(金融庁)、一部の規定は2026年8月12日に施行されています(金融庁 令和8年7月29日)。暗号資産の規制の見直しを含む残りは、公布の日から1年を超えない範囲で政令で定める日に施行されます。

分離課税は、この施行日が属する年の翌年1月1日以後の譲渡から適用されるので、施行日が決まると始まる年も決まります。施行の上限が公布から1年以内のため、始まりが2029年以後になることはありません。このページは、政令が出たら日付を書き換えます。

日付できごと出典
2025年12月26日令和8年度税制改正の大綱で、特定暗号資産の分離課税(所得税15%、住民税5%)の方針財務省 大綱
2026年3月31日所得税法等の一部を改正する法律が成立・公布(令和8年法律第12号)財務省 解説
2026年4月10日金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案を国会に提出金融庁
2026年7月15日同法が成立金融庁
2026年8月12日同法のうち、無登録業に対する罰則の引上げなど一部が施行金融庁
未定(公布から1年以内)暗号資産の規制の見直しを含む残りの規定の施行(政令で決まる)財務省 解説
施行の翌年1月1日この日以後の特定暗号資産の譲渡から分離課税改正法附則39条1項

今の総合課税との違い

今は暗号資産の所得を給与などに足すので、給与が多い人ほど高い税率がかかります。給与500万円で所得100万円の会社員なら、今の計算では税金が194,239円増え、20.315%なら203,150円です。給与の額ごとの比較は、仮想通貨の税金の早見表にあります。

分離課税になると、暗号資産の所得は総所得金額に入りません。ただし配偶者控除や扶養控除の所得の要件を判断するときは、特定暗号資産の所得も含めて数えます(第38条の2第2項)。

所得税法の側の改正

同じ改正法で、所得税法の暗号資産の扱いも改められ、こちらも金商法等改正法の施行日の属する年の翌年以後の各年分から適用されます(改正法附則4条ほか、財務省の解説 所得税法等の改正)。大綱には、特定暗号資産に係る暗号資産デリバティブ取引の雑所得等を、先物取引の雑所得等の課税の特例の対象に加えることも書かれています。いずれも、2026年中の取引には関係しません。

よくある質問

2026年に売った分も20%になりますか?
なりません。分離課税は金商法等改正法の施行日の翌年1月1日以後の売却からで、2026年中の売却は総合課税です。
今ある損失を分離課税の年に繰り越せますか?
今の雑所得の損失は、翌年に繰り越せません(所得税法第69条・第70条)。3年間の繰越ができるのは、改正後の特定暗号資産の譲渡で出た損失です。
海外の取引所で売った分も対象ですか?
対象の譲渡は、日本の金融商品取引法の登録を受けた暗号資産取引業者への売却の委託か、その業者に対する譲渡に限られます。

出典と前提

最終確認日 2026年11月2日。仮想通貨(暗号資産)の税金の説明と計算は一般的な目安です。実際の所得の区分と税額は、取引の内容とその年のほかの所得や控除で変わります。