そろばんノート

仮想通貨の税金

仮想通貨(暗号資産)の税金

国税庁の暗号資産FAQと財務省の税制改正の解説による説明です。

この内容は2026年11月2日時点のものです。

最終確認日 2026年11月2日

仮想通貨(暗号資産)を売ったとき、ほかの暗号資産と交換したとき、買い物の支払いに使ったときに出た利益は、原則として雑所得です。給与などほかの所得と合わせる総合課税で、所得税と住民税がかかります(国税庁 暗号資産FAQ 2-2)。たとえば給与500万円の会社員が、3回に分けて買ったBTCの一部を売って所得が258,000円出ると、所得税が18,480円、住民税が25,800円増え、確定申告が必要です。

利益に20.315%をかける申告分離課税は令和8年度の税制改正で法律になりましたが、金融商品取引法などの改正法が施行された年の翌年からの適用で、始まる年は2026年11月2日時点で未定です。2026年中の売却は、今の総合課税で計算します。

ご自身の所得の区分と所得税の申告は税務署で、住民税の申告はお住まいの市区町村で確かめられます。取引の数が多い、海外の取引所やDeFiを使っているなど込み入った場合は、税理士に相談する方法もあります。

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税金の計算が要る取引

国税庁の暗号資産FAQは、所得が生じる取引として、暗号資産を売って円に換えた場合(1-1)、暗号資産で商品を買った場合(1-2)、暗号資産同士を交換した場合(1-3)を挙げています。商品の購入と交換は、手放した暗号資産をその価額で売ったのと同じに考えます。たとえば1BTCを40XRPと交換したら、40XRPの価額がBTCの譲渡価額です。

マイニング、ステーキング、レンディングなどで暗号資産を受け取った場合は、受け取った時の価額(時価)が収入になり、その価額が受け取った暗号資産の取得価額になります(1-5、1-7)。暗号資産の分裂(分岐)で新しい暗号資産を受け取った時点では所得は生じず、その取得価額は0円です(1-6)。

所得の計算のしかた

売ったときの所得は、譲渡価額から譲渡原価と手数料などの必要経費を引いた額です。譲渡原価は、売った数量に1単位当たりの取得価額をかけて出します。FAQ 1-1 の例では、4BTCを4,000,000円で買い、0.2BTCを210,000円で売ると、所得は10,000円です。

計算の段階金額FAQ 1-1 の例
譲渡価額210,000円0.2BTCを売って受け取った額
1BTC当たりの取得価額1,000,000円4,000,000円 ÷ 4BTC
譲渡原価200,000円1BTC当たりの取得価額 × 0.2BTC
所得金額10,000円譲渡価額 − 譲渡原価

取得価額と手数料

暗号資産を買ったときの手数料は、取得価額に足します。FAQ 1-5 は、2BTCを2,000,000円で買って手数料550円を払った場合の取得価額を2,000,550円としています。売ったときの手数料は、その年の必要経費です(2-3)。

インターネットやスマートフォンの回線料、パソコンの購入費も、暗号資産の売却のために直接必要な部分は必要経費にできます。回線料は暗号資産の取引の分をはっきり分けられる場合に限られ、パソコンなど長く使うものは減価償却で数年に分けて経費にします(2-3)。

総平均法と移動平均法

同じ暗号資産を何回かに分けて買うと、1単位当たりの取得価額の出し方で譲渡原価が変わります。総平均法は1年分の取得価額の合計を数量の合計で割り、移動平均法は買うたびに平均単価を出し直します(2-4)。評価方法の届出書を出していない人は、総平均法で計算します(2-5)。

FAQ 2-4 の例(1年で6.5BTCを4,037,800円で買い、5BTCを5,295,000円で売った)では、譲渡原価は総平均法で3,106,000円、移動平均法で3,080,200円です。年の途中の売買の順番が、移動平均法の結果だけを動かします。

税率の早見表

暗号資産の所得は給与に足して税額を出すので、同じ所得でも給与が多い人ほど増える税金が多くなります。次の表は、本業は給与だけ、勤務先の社会保険(東京都の協会けんぽ)に加入、40歳未満、扶養する家族なし、ほかの所得と控除なし。という前提で、所得がない場合との差を出したものです。右の列は、同じ所得に改正後の20.315%をかけた額です。

給与500万円で所得50万円なら、今の計算では93,189円、20.315%では101,575円です。所得300万円では836,944円と609,450円になります。この表では、給与300万円と500万円の人は所得100万円まで今の計算のほうが少なく、所得300万円の人と給与800万円の人は20.315%のほうが少なくなります。

給与暗号資産の所得今の計算で増える税金うち所得税・住民税20.315%で計算した場合
300万円20万円30,210円10,210円・20,000円40,630円
300万円50万円75,525円25,525円・50,000円101,575円
300万円100万円151,050円51,050円・100,000円203,150円
300万円300万円631,620円331,620円・300,000円609,450円
500万円20万円32,559円12,559円・20,000円40,630円
500万円50万円93,189円43,189円・50,000円101,575円
500万円100万円194,239円94,239円・100,000円203,150円
500万円300万円836,944円536,944円・300,000円609,450円
800万円20万円60,840円40,840円・20,000円40,630円
800万円50万円162,310円112,310円・50,000円101,575円
800万円100万円314,410円214,410円・100,000円203,150円
800万円300万円933,990円633,990円・300,000円609,450円

確定申告がいる金額

給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員は、給与以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよいとされています(No.1900)。暗号資産の所得が20万円を超えるか、副業の所得などと合わせて超えると、確定申告が必要です。

住民税には、この20万円以下の申告を省く決まりがありません(名古屋市)。所得税の確定申告をしない年も、暗号資産の所得があれば市区町村に住民税の申告をします。詳しくは仮想通貨の確定申告にまとめています。

損失が出た年

雑所得の計算で出た損失は、給与所得など他の所得から差し引けません(国税庁 暗号資産FAQ 2-11)。他の所得と差し引ける損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られるからです。

一方で、同じ年の暗号資産どうしは、ある銘柄の利益と別の銘柄の損失を合計して所得を出します。副業の原稿料などの雑所得があれば、その所得とも差し引きになります(所得税法第35条第2項第2号)。

収入が300万円を超えるとき

令和7年12月に改訂されたFAQ 2-2 は、その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超える場合の区分を示しています。取引の帳簿書類を保存していれば原則として事業所得、保存していなければ原則として業務に係る雑所得です。帳簿があっても、営利性が認められないときなどは個別に判断されます。

取得価額が分からないとき

国内の暗号資産交換業者を使った取引は、業者から届く年間取引報告書に、年中の購入と売却の数量と金額が載っています(2-7、2-9)。海外の業者や個人間の取引は、銀行口座の入出金や取引の履歴と取引相場から確かめます。それでも売った暗号資産の取得価額が分からない場合は、売却価額の5%を取得価額とすることが認められています(2-7)。

安く売ったときとあげたとき

時価の70%未満の値段で個人や法人に売った場合は、時価の70%との差額も収入に入れて計算します(2-10)。人に贈与した場合は、贈与した時の価額(時価)を収入に入れます。受け取った個人には贈与税がかかります(2-10、4-1)。

分離課税の改正

令和8年度の税制改正で、登録された暗号資産取引業者を通じて特定暗号資産を売った所得には、所得税15%と住民税5%(復興特別所得税を含めて20.315%)の申告分離課税が設けられました(財務省の解説)。適用は金商法等改正法の施行日の翌年1月1日以後の譲渡からで、施行日を決める政令はまだ出ていません。施行が2027年中なら、2028年1月1日以後の売却からです。分離課税はいつからで、決まったことと決まっていないことを分けています。

よくある質問

仮想通貨の税率は何%ですか?
今の総合課税では、暗号資産の所得を給与などに足した課税所得に、所得税の5%〜45%(と復興特別所得税)と住民税の10%がかかります。暗号資産だけの税率はありません。
ステーキングの報酬にも税金がかかりますか?
受け取った時の価額が雑所得の収入になります。その報酬をあとで売ったときは、受け取った時の価額を取得価額にして、売ったときの所得を計算します。
海外の取引所で取引した場合は?
日本に住む人は全世界の所得が課税の対象なので(FAQ 1-8)、海外の取引所での取引も申告します。ドル建ての取引は円に換算し、年間取引報告書が届かない場合は取引の履歴から自分で計算します。

出典と前提

最終確認日 2026年11月2日。仮想通貨(暗号資産)の税金の説明と計算は一般的な目安です。実際の所得の区分と税額は、取引の内容とその年のほかの所得や控除で変わります。