所得税とは(しくみ・計算の流れ・住民税との違い)
所得税のしくみと、令和8年分(2026年中の所得)から変わる点をまとめました。
この内容は2026年10月31日時点のものです。
最終確認日 2026年10月31日
所得税は、個人が1月1日から12月31日までの1年間に得た所得にかかる国の税金です。収入から必要経費や給与所得控除を引いた所得を出し、さらに基礎控除などの所得控除を引いた課税所得に、5%から45%までの7段階の税率をかけて計算します。
令和8年分(2026年中の所得)からは基礎控除と給与所得控除の最低額が引き上げられ、給与だけの人は年収178万円まで所得税がかかりません。会社員は毎月の給与から所得税が天引き(源泉徴収)され、12月ごろの年末調整で1年分の税額との差が精算されます。
所得税の計算の流れ
所得税は次の5つの段階で計算します。順番を知っておくと、源泉徴収票や確定申告書の欄の意味がわかりやすくなります。
- 収入を所得の種類ごとに分け、給与なら給与所得控除、事業なら必要経費、年金なら公的年金等控除を引いて所得を出します。
- 所得を合計して合計所得金額を出します。基礎控除や配偶者控除の額は、この合計所得金額で決まります。
- 社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、基礎控除などの所得控除を引き、1,000円未満を切り捨てて課税所得を出します。
- 課税所得に税率をかけ、速算表の控除額を引いて所得税を出します。住宅ローン控除などの税額控除はここで引きます。
- 残った基準所得税額に2.1%の復興特別所得税を加えた額が、その年に納める所得税の年額です。
所得の10種類
所得税法は所得を、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類に分けています。会社員の給与は給与所得、公的年金は雑所得、個人事業の利益は事業所得です。
多くの所得は合計して1つの税率表で計算する総合課税ですが、退職金や株式・土地建物の譲渡などは分けて計算する分離課税です。このサイトの所得税の計算は、給与、公的年金、事業所得と雑所得を合わせる総合課税の部分を扱っています。
年収ごとの所得税(給与だけの目安)
独身で40歳未満の会社員が給与だけを受け取る場合の、所得税と復興特別所得税の年額です。年収500万円では令和8年分が91,600円で、令和7年分の120,500円より28,900円少なくなります。
社会保険料は、年収を12で割った月給に東京都の協会けんぽの料率をかけた目安で、年末調整と同じ端数処理(100円未満切り捨て)にしています。年収の数字を押すと、住民税と社会保険料も引いた手取りの早見表に進みます。
住民税との違い
所得税と住民税はどちらも所得にかかる税金ですが、税率と控除の額、課税の時期が違います。所得税は所得が多いほど税率が上がる累進課税で、住民税の所得割は一律10%です。
住民税は前の年の所得をもとに翌年の6月から納めるため、退職や収入の減った年でも前の年の分がかかります。控除の額の違いは住民税の所得控除と税額控除の一覧、住民税の全体は住民税のしくみにまとめています。
| 所得税 | 住民税 | |
|---|---|---|
| 税の種類 | 国の税金(国税) | 都道府県と市区町村の税金(地方税) |
| 税率 | 課税所得に応じて5%から45%の7段階 | 所得割は一律10%(ほかに均等割) |
| 基礎控除(最高額) | 104万円(令和8年分) | 43万円 |
| どの年の所得か | その年の所得 | 前の年の所得(翌年度に課税) |
| 会社員の納め方 | 毎月の給与から源泉徴収し、年末調整で精算 | 前の年の所得をもとに、6月から翌年5月の給与から天引き |
令和8年分からの変更
令和8年度の税制改正で、基礎控除は合計所得489万円以下の人が104万円になり、給与所得控除の最低額は65万円から74万円に上がりました。扶養親族や配偶者控除の対象になる所得の上限は58万円から62万円に、勤労学生控除の上限は85万円から89万円になっています。
改正は2026年12月1日に施行され、令和8年分の所得全体に使われます。会社員は12月以後の年末調整で反映されますが、11月30日までにその年最後の給与を受けた人は確定申告で反映します。その手順は令和8年分の確定申告で変わることで説明しています。
令和9年分から決まっていること
令和9年分からは、復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%に下がり、同じ基準所得税額に1%の防衛特別所得税が加わります。合計の2.1%は変わらないため、源泉徴収の税率も変わりません。ひとり親控除は令和9年分から35万円が38万円になります。
所得税のページ
所得税の計算と、税率、かかり始める年収、控除のページです。
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よくある質問
- 所得税と住民税はどちらが多いですか?
- 課税所得が195万円未満の人は所得税の税率が5%なので、一律10%の住民税の方が多くなります。所得が増えて所得税の税率が上がると、所得税の方が多くなります。
- 所得税はいつ納めますか?
- 会社員は毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算します。確定申告をする人は、原則として翌年2月16日から3月15日までに申告して納めます。
- 所得税がかかっているか確かめるには?
- 会社員は勤務先から受け取る源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄が、その年の所得税と復興特別所得税の年額です。
出典と前提
最終確認日 2026年10月31日。所得税の金額は一般的な目安で、実際の税額は勤務先の年末調整や確定申告で決まります。自分の場合の扱いは所轄の税務署(電話相談センター)に、年末調整の内容は勤務先に確認してください。