離婚協議書を公正証書にすると、養育費や財産分与などのお金の支払について、強制執行認諾文言があれば、支払が止まったときに裁判をせずに給料などを差し押さえる手続ができるようになります(民事執行法第22条第5号)。公証人の手数料は約束した金額によって決まり、たとえば養育費が子1人月4万円なら5年分の2,400,000円で13,000円、財産分与300万円なら13,000円で、両方を書くと合計26,000円が目安です。
手数料の表は2025年10月1日から改められたもので(令和7年政令第263号)、証書の枚数や正本の通数で費用が加わります。
強制執行認諾文言とは
民事執行法第22条第5号: 一定の額の金銭の支払についての公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(執行証書)は、裁判手続を経ずに強制執行ができる。金銭以外の約束(物の引渡しなど)は執行証書にできない(日本公証人連合会「離婚」)。
公正証書にできるのは金銭の支払などの約束で、親子交流のようなお金以外の約束は、書いておいても公正証書による強制執行の対象にはなりません。
公証人の手数料
慰謝料・財産分与と養育費は別個の法律行為として扱い、それぞれの手数料を合算する(日本公証人連合会「離婚」)。養育費のような定期的な給付は、支払う期間の総額で、子の監護に要する費用の分担は5年分が上限(公証人手数料令第13条、2025年10月1日から)。証書の枚数が4枚(横書きの証書は3枚)を超えると、1枚ごとに300円が加わる。正本・謄本の交付は1枚300円(日本公証人連合会「手数料」)。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円を超え500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円を超え3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円を超え5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 49,000円 |
| 1億円を超え3億円以下 | 49,000円に超過額5,000万円までごとに15,000円を加算 |
| 3億円を超え10億円以下 | 109,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算 |
| 10億円を超える場合 | 291,000円に超過額5,000万円までごとに9,000円を加算 |
公正証書にする流れ
必要なもの
日本公証人連合会の案内では、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)と印鑑、戸籍謄本、不動産を分与するときは登記事項証明書と固定資産評価証明書、年金分割を入れるときは年金手帳(基礎年金番号の分かるもの)と年金分割のための情報通知書が挙げられています。公証役場によって違うことがあるので、予約のときに確かめてください。
年金分割を公正証書に入れるとき
合意分割の按分割合は、分割を受ける人のもとの持ち分を超え2分の1以下。3号分割(平成20年4月以後の第3号被保険者期間)は当事者の合意がいらず2分の1。合意分割の按分割合を明らかにする書類として、公正証書や公証人の認証を受けた私署証書(分割の請求をすることの合意も記載したもの)などが使える(日本年金機構)。年金分割の請求は、公正証書を作った後に年金事務所で行い、期限は離婚の翌日から5年です。
よくある質問
- 公正証書にしないと協議書は無効ですか?
- 無効ではありません。公正証書にすると、お金の支払が止まったときに裁判をせずに強制執行ができる点が違います。
- 費用は夫婦のどちらが払いますか?
- 決まりはなく、夫婦で話し合って決めます。協議書に負担する人を書いておくこともできます。
- 代理人に行ってもらえますか?
- 代理人による嘱託もできますが、委任状などの書類がいります。詳しくは公証役場に確かめてください。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの離婚協議書は書式の例で、家族ごとの事情によって書くことは違います。内容を決めるときの相談先には、法テラス、弁護士会、家庭裁判所の家事手続案内、公証役場があります。このページは、離婚するかどうかや、どの内容にするかについて助言するものではありません。