確定拠出年金は、掛金を自分で選んだ商品で運用し、60歳以降に受け取る年金です。自分で加入するiDeCo(個人型)と、会社が導入する企業型があります。掛金が全額所得控除になる(iDeCoは小規模企業共済等掛金控除)という大きな利点がある一方、原則として60歳まで引き出せない、運用によっては元本を割る、手数料がかかる、受け取る時に税金がかかるといった点があります(iDeCo公式サイト)。
「デメリットしかない」と言われることもありますが、向くかどうかは人によります。このページでは、iDeCoと企業型の主なデメリットと、向く人・向かない人の目安をまとめます。
デメリット1: 60歳まで引き出せない
確定拠出年金のお金は、原則として60歳になるまで引き出せません。受け取り始められる年齢は、60歳時点の加入期間が10年以上なら60歳、加入期間が短いと最大65歳まで遅くなります。受け取りは75歳になるまでの間で選べます(iDeCo公式サイト)。住宅の購入や教育費など、60歳より前に使うかもしれないお金には向きません。
デメリット2: 手数料と元本割れ
iDeCoには、加入時の手数料(国民年金基金連合会に税込2,829円など)と、掛金を納めるたびに国民年金基金連合会の手数料(税込105円)がかかり、運営管理機関や事務委託先金融機関の手数料は金融機関によって違います(iDeCo公式サイト)。掛金が少ないと、手数料の割合が高くなります。
商品には預金などの元本確保型と投資信託などがあり、投資信託は元本を下回る可能性があります。元本確保型だけで運用すると、手数料の分だけ元本を下回ることもあります。
デメリット3: 受け取る時の税金(退職金とのぶつかり)
受け取るときは、一時金なら退職所得(退職所得控除)、年金なら雑所得(公的年金等控除)として課税されます(国税庁 No.1420)。会社の退職金と同じ時期に一時金で受け取ると、退職所得控除を重ねて使えない期間があります。
確定拠出年金の一時金を先に受け取り、その後に退職金を受け取る場合、退職所得控除の調整をする期間は、令和8年1月1日以後に支払を受けた一時金と退職金については「前年以前9年内」になりました(それまでは4年内)。退職金を先に受け取り、その後に一時金を受け取る場合は「前年以前19年内」です(国税庁 No.2732)。受け取る順番と間隔で税金が変わるので、退職金のある会社員は計画が大切です。
向く人・向かない人
向く人の目安は、所得税・住民税を払っていて掛金の所得控除の効果がある人、60歳まで使わない老後資金を毎月一定額積み立てられる人、運用の商品を自分で選んで見直せる人です。
向かない人の目安は、収入が少なく所得税・住民税がほとんどかからない人(控除の効果が小さい)、近いうちに使う予定のお金しかない人、掛金が少なく手数料の割合が大きくなる人です。専業主婦(主夫)は所得控除の効果がないため、手数料を考えて判断します。
よくある質問
- iDeCoをやめることはできますか?
- 掛金を止めて運用だけを続ける(運用指図者になる)ことはできますが、原則として途中で解約してお金を受け取ることはできません。
- 企業型があってもiDeCoに入れますか?
- 企業型の掛金とあわせて上限の範囲内なら、一般的にはiDeCoにも加入できます。会社の規約や掛金の額で変わるので、勤め先に確認します。
- 年金で受け取るのと一時金ではどちらが得ですか?
- 退職金の有無や額、ほかの年金の額で変わります。一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除が使え、年金で受け取ると国民健康保険料などにも影響します。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式で出した目安です。ご自身の加入記録と年金額は、日本年金機構のねんきんネットや毎年届くねんきん定期便でご確認ください。