未支給年金とは、年金を受け取っていた人が亡くなったとき、まだ受け取っていなかった年金のことです。年金は後払いで、亡くなった月の分まで受け取れるため、ほとんどの場合、最後の支払いの後に1か月から2か月分の未支給年金が残ります。亡くなった人と生計を同じくしていた遺族が、請求して受け取ります。
たとえば5月に亡くなった人の場合、4月15日に2月・3月分を受け取っていれば、4月分と5月分が未支給年金になります。請求の時効は5年です(日本年金機構)。
- 死亡届を出す(死亡の事実を知った日から7日以内、市区町村)
- 年金事務所または年金相談センターに連絡する(日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、年金受給権者死亡届は原則として不要)
- 年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書を書く
- 添付書類(年金証書、戸籍謄本、住民票の写しと除票、通帳の写しなど)をそろえる
- 年金事務所に提出する(郵送も可)
受け取れる人と順位
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族です。この順番で、先の順位の人がいると後の順位の人は受け取れません(日本年金機構)。同じ順位の人が2人以上いるときは、1人が全員の分を請求します。
- 1. 配偶者
- 2. 子
- 3. 父母
- 4. 孫
- 5. 祖父母
- 6. 兄弟姉妹
- 7. その他の3親等内の親族
手続きと添付書類
請求書は「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」です。主な添付書類は、亡くなった人の年金証書、続柄がわかる戸籍謄本(抄本)または法定相続情報一覧図の写し、世帯全員の住民票の写しと亡くなった人の住民票の除票(別の世帯だった場合は生計同一関係に関する申立書)、受け取る人の通帳の写しです。戸籍と住民票は、死亡日以後に発行されたものが必要です。
年金受給権者死亡届の期限は、厚生年金は死亡から10日以内、国民年金は14日以内です。日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、市区町村に死亡届を出せば年金受給権者死亡届は原則として不要ですが、未支給年金の請求は別に必要です(日本年金機構)。届出が遅れて亡くなった後の分の年金が振り込まれた場合は、返すことになります。
税金の扱い
未支給年金は、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になり、相続税の対象にはなりません(国税庁)。一時所得には特別控除50万円があり、ほかに一時所得がなければ、未支給年金だけで税金がかかることは多くありません。亡くなった人の準確定申告の収入には含めません。
亡くなった人の口座は、金融機関が死亡を知ると凍結されます。未支給年金は請求した遺族の口座に振り込まれるので、相続の手続きとは別に、早めに請求しておけます。
よくある質問
- 遺族年金と未支給年金は別のものですか?
- 別のものです。未支給年金は亡くなった人がまだ受け取っていなかった年金で、遺族年金は条件を満たす遺族がこれから受け取る年金です。両方を請求できることがあります。
- 別居していた子でも受け取れますか?
- 別居でも、仕送りをしていたなど生計を同じくしていたことを申し立てれば、受け取れることがあります。
- 繰下げを待っている間に亡くなったら?
- 65歳からの分を繰下げ待機中に亡くなった場合、遺族は65歳時点の額で計算した分を未支給年金として請求します(時効5年を過ぎた分は受け取れません)。
- 請求からどのくらいで振り込まれますか?
- 請求書を出してから数か月で、未支給年金・未支払給付金 支給決定通知書が届き、指定した口座に振り込まれるのが一般的です。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式で出した目安です。ご自身の加入記録と年金額は、日本年金機構のねんきんネットや毎年届くねんきん定期便でご確認ください。