そろばんノート

労災の休業補償の計算

労災の休業補償と傷病手当金の違い

労災保険法・健康保険法と厚生労働省の案内による説明です。

この内容は2026年10月24日時点のものです。

最終確認日 2026年10月24日

労災保険の休業補償は仕事中や通勤中のけが・病気、健康保険の傷病手当金はそれ以外の病気・けがが対象です。同じ病気やけがで労災保険の給付を受けられる場合は、傷病手当金は支給されません(健康保険法55条)。

両方を重ねて受け取ることはできず、どちらになるかは、けがや病気の原因が仕事や通勤にあるかで決まります。給付基礎日額9,783円の人が30日休むと、労災の休業補償の目安は211,275円です。

対象の違い

健康保険は業務災害以外の病気やけがに給付を行い(健康保険法1条)、同じ病気やけがで労災保険の給付を受けられる場合は傷病手当金を支給しない(同法55条)。労災保険の休業補償は、業務上の事由または通勤による負傷や疾病の療養のため働けないときの給付です。

額の違い

労災の休業補償は、給付基礎日額(直前3か月の賃金を暦日数で割った額)の60%と特別支給金20%で、休業の第4日目から支給されます。日額9,783円なら1日7,825円です。傷病手当金は、標準報酬月額をもとにした額の3分の2が目安で、計算は傷病手当金の計算で確かめられます。

どちらか分からないとき

仕事中のけがかどうか迷う場合や、会社が労災として扱わない場合でも、労災保険の請求は本人ができ、認定は労働基準監督署が判断します。先に傷病手当金を受けていて後から労災と認められた場合は、傷病手当金を返すなどの調整が必要になることがあるため、加入している健康保険と労働基準監督署に確かめてください。

期間の違い

労災の休業補償は治るまで続き、療養開始から1年6か月たっても治らず傷病等級に当たると、傷病(補償)等年金に切り替わります。傷病手当金の支給期間は、通算で1年6か月です(傷病手当金)。

労災の休業補償の例

直前3か月の賃金が月20万円の人は給付基礎日額6,522円で、30日休むと休業補償と特別支給金の合計は140,859円、月40万円の人は日額13,044円で281,718円です(9月30日締め、業務災害)。傷病手当金の額は、標準報酬月額と休んだ日数で傷病手当金の計算ツールから出せます。

請求する先の違い

労災の休業補償は所轄の労働基準監督署に請求書を出し、傷病手当金は加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)に申請します。書類も別々で、労災の請求書には事業主と医療機関の証明、傷病手当金の申請書には事業主と医師の証明の欄があります。どちらに出すかは、けがや病気の原因で決まります。

よくある質問

両方もらえる期間はありますか?
同じ病気やけがについて、労災保険の給付を受けられる期間は傷病手当金は支給されません。
労災の認定を待つ間は?
認定に時間がかかる場合の扱いは、加入している健康保険と労働基準監督署に相談してください。
労災の休業補償に税金はかかりますか?
労災保険の保険給付は、労災保険法(第12条の6)で、租税その他の公課を課することはできないと定められています。会社が支払う待期3日の休業補償の扱いは、勤務先に確かめてください。

出典と前提

最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は目安の計算です。労災保険の給付を受けられるかどうかと支給額は、労働基準監督署が決めます。手続や認定について確かめたいときは、所轄の労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。