住んでいる持ち家は、原則として持ち続けたまま生活保護を受けられます。ただし、家を売ったときの価値が住み続ける価値に比べて著しく大きい場合は例外とされ、65歳以上で評価額がおおむね500万円以上の家がある人は、家を担保に生活費を借りる制度(リバースモーゲージ)を先に使うことになります。
厚生労働省のQ&Aは、住宅ローンがあるために保護を受給できないことはないとしたうえで、保護費からローンを返すことは原則として認められないと説明しています。
住み続けられる家
実施要領では、世帯が住んでいる家屋とその敷地は保有を認めるとされています。部屋が余っている場合は間貸しなどで活用するよう求められることがあります。
処分価値と利用価値の比べ方が難しいときは、福祉事務所の診断会議などで判断され、その目安は最上位の級地の3人世帯の生活扶助と住宅扶助の特別基準額のおおよそ10年分とされていますが、これは検討の目安で保護の要否を決める基準ではないとされています。
住宅ローンが残っているとき
厚生労働省の課長通知の問答は、ローンを払い終えていない家を持つ人を保護すると保護費からローンを返すことになるため、原則として保護を適用しない扱いを示しています。一方でQ&Aは、ローンがあることを理由に受給できないことはないとし、保護費からの返済を原則として認めないと説明しています。
ローンが残っている場合の扱いは個別の事情で変わるため、返済の状況や家の価値を福祉事務所に伝えて相談してください。返済が難しいときの相談先には、法テラスや借入先の金融機関もあります。
リバースモーゲージ(要保護世帯向け不動産担保型生活資金)
65歳以上(配偶者も原則65歳以上)で、おおむね500万円以上の価値の住まいを単独で持っていて、賃借権や抵当権などが付いていない人は、社会福祉協議会の要保護世帯向け不動産担保型生活資金を先に利用することになります(厚生労働省の通知)。
貸付の限度は土地と建物の評価額の70%程度(マンションなどの集合住宅は50%)で、毎月の貸付額は生活扶助額の1.5倍以内です。利用を拒むと、申請の却下や保護の廃止になる扱いがあります。
持ち家がある人の申請
厚生労働省の生活保護を申請したい方へは、持ち家がある人でも申請できるとし、居住用の持ち家は保有が認められる場合があると案内しています。申請のときは、登記簿や固定資産税の通知、ローンの残高が分かる書類があると話が進めやすくなります。
よくある質問
- 持ち家があると生活保護は受けられませんか?
- 住んでいる家は原則として持ち続けたまま受けられます。家の価値が著しく大きい場合や、65歳以上でリバースモーゲージを使える場合は扱いが変わります。
- 持ち家の住宅扶助は?
- 家賃がかからない持ち家では家賃分の住宅扶助は出ませんが、補修などの住宅維持費は告示の範囲で認められる場合があります。
- 土地や別の家を持っているときは?
- 住んでいない土地や建物は、原則として売るなどして生活費に充てる資産になります。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は、厚生労働省の告示(保護の基準)などから計算した国の基準による目安です。生活保護を受けられるかどうかと実際の金額は、お住まいの地域の福祉事務所が世帯の状況を調べて決めます。住宅扶助の限度額は、都道府県や市が公表している案内で確かめられた額だけを使っています。