生活保護を受ける条件は、世帯の収入が国の定める最低生活費に足りないことで、そのうえで預貯金などの資産、働く力、年金や手当などほかの制度を先に活用することが求められます(生活保護法第4条)。親族からの援助は保護より優先されますが、受けるための条件ではないと厚生労働省は示しています。
どの条件に当てはまるかは福祉事務所が世帯ごとに調べて判断するので、迷ったら先に相談と申請をしてかまいません。
4つの活用の順番
厚生労働省の生活保護制度のページは、保護を受けるための要件をこの順で説明しています。
- 資産:預貯金や、生活に使っていない土地・建物は、売るなどして生活費に充てます。住んでいる家は、原則として持ち続けられます。
- 働く力:働ける人は、その力に応じて働きます。病気や障害、子育てなどで働けない事情は考慮されます。
- ほかの制度:年金や手当など、ほかの制度で受けられる給付は先に受けます。
- 扶養:親族から援助を受けられる場合は受けます。ただし援助の有無で保護の要否が決まるわけではありません。
扶養照会が行われない場合
福祉事務所は親族に援助できるか尋ねる扶養照会を行いますが、厚生労働省の事務連絡は、扶養が期待できない親族には原則として照会しない扱いを示しています。たとえば、親族が生活保護を受けている、施設に入っている、未成年者、おおむね70歳以上である場合や、借金や相続の対立などで関係が著しく悪い場合、10年程度音信不通の場合です。
夫の暴力から逃れてきた母子や虐待の経緯がある人については、配偶者や親であっても照会は行わない扱いです。照会してほしくない事情があるときは、申請のときに福祉事務所に伝えてください。
一人暮らしのときの条件
一人暮らしでも条件は同じで、収入が最低生活費に足りなければ受けられます。一人暮らしの最低生活費は住む地域・年齢・家賃で変わり、一人暮らしの生活保護の金額で年齢別・地域別に確かめられます。
預貯金と手持ちのお金
申請のときの預貯金は、原則として生活費に充てる資産として扱われます。保護が始まる月の金額を決めるときには、最低生活費(医療扶助と介護扶助を除く)の5割までの手持ちのお金は差し引かない扱いがあります(実施要領の問答)。ただし、これは開始月の金額を決めるときの配慮で、受けられるかどうかの判断を変えるものではないとされています。
生命保険は解約返戻金を活用するのが原則ですが、返戻金が少額で保険料が地域の世帯とつり合う場合は続けられることがあります。学資保険は、返戻金が1世帯50万円以下などの条件で続けられます。
受けている間の決まり
保護費は差し押さえられず、税金もかかりません(厚生労働省Q&A)。一方で、収入が増えたときや世帯の人数が変わったときは届け出が必要で、保護費から住宅ローンを返すことは原則として認められていません。
よくある誤解
厚生労働省の生活保護を申請したい方へは、必要な書類が揃っていなくても申請できること、住むところがない人や持ち家がある人でも申請できること、同居していない親族に相談してからでないと申請できないわけではないことを、よくある誤解として挙げています。
よくある質問
- 働いていても受けられますか?
- 働いている人も、世帯の収入が最低生活費に届かなければ対象になります。給料から勤労控除を差し引いた額が収入として数えられます。
- 借金があっても受けられますか?
- 生活保護法第4条が保護の要件として挙げているのは資産・能力などの活用で、借金がないことは挙げられていません。借金の返済に困っているときは、法テラスなどの相談窓口があります。
- 車や家があると受けられませんか?
- 条件によっては持ち続けたまま受けられます。生活保護と車、生活保護と持ち家で説明しています。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は、厚生労働省の告示(保護の基準)などから計算した国の基準による目安です。生活保護を受けられるかどうかと実際の金額は、お住まいの地域の福祉事務所が世帯の状況を調べて決めます。住宅扶助の限度額は、都道府県や市が公表している案内で確かめられた額だけを使っています。