「退職所得の受給に関する申告書」は、退職金を受け取る人が支払う会社に出す書類です。この申告書を出すと、会社が退職所得控除を使って税金を計算し、源泉徴収するので、退職金の税金はそれでほぼ精算が終わります。出さない場合は、退職金の額に20.42%をかけた所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます(国税庁 No.2732)。
出さないといくら多く引かれるか
勤続30年で2,000万円の退職金なら、申告書を出した場合の所得税は155,702円ですが、出さないと4,084,000円が源泉徴収されます。差の3,928,298円は、翌年に確定申告をすると戻ってきます。住民税の扱いは、会社の案内や市区町村の説明で確かめてください。
確定申告では、退職金の支払者から受け取る「退職所得の源泉徴収票」をもとに、退職所得控除を使って税金を計算し直します。申告書を出しておけば、この手間がいらなくなります。
書き方のポイント
申告書には、氏名とマイナンバー、住所、退職した年の1月1日の住所、退職手当の支払者、勤続期間(入社日と退職日)を書きます。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、その旨も書きます。
その年にほかの会社から退職金を受け取っている場合や、前の年以前4年以内(確定拠出年金の一時金は19年以内)に退職金を受け取っている場合は、その支払者と勤続期間も書きます。これらの期間が今回の勤続期間と重なると控除が調整されるためです(国税庁 No.2735)。用紙は会社が用意していることが多く、国税庁のウェブサイトからもダウンロードできます。
確定申告で取り戻す方法
申告書を出さずに20.42%を源泉徴収された場合は、翌年の確定申告の期間(一般的には2月16日から3月15日)に、退職所得の源泉徴収票を添えて申告します。退職所得だけの還付申告は、翌年の1月1日から5年間できます。e-Taxや確定申告書等作成コーナーを使うと、退職所得の欄に源泉徴収票の金額を入れて計算できます。
よくある質問
- 申告書はいつ出しますか?
- 退職金が支払われる前までに、支払う会社に出します。
- 申告書を出せば確定申告はいりませんか?
- 退職金については、一般的には確定申告はいりません。ほかの所得の申告をする場合でも、退職所得を含めずに申告できます。
申告書と住民税
退職金にかかる住民税も、所得税と同じように退職所得の金額から計算され、一般的には会社が退職金から差し引いて市区町村に納めます。申告書には住民税の計算に使う住所(退職した年の1月1日の住所)を書く欄があり、この住所の市区町村に住民税が納められます。
申告書を出し忘れたとき
退職金の支払いの後で申告書を出した場合の扱いは会社に確かめます。会社で精算されない場合は、会社から届く退職所得の源泉徴収票を保管しておき、確定申告で精算します。源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」の欄を申告書に書き写します。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式と調査の数字で出した目安です。実際の退職金の額と支払時期は会社の就業規則(退職金規程)が、税金は勤務先と税務署の計算が決めます。このページは、どなたかが受け取れるかどうかや金額を判断するものではありません。