そろばんノート

退職金の早見表

役員退職金の計算(功績倍率法)

法人税法と国税庁の通達による一般的な説明。倍率は公的に決まった値ではありません。

最終確認日 2026年10月14日

役員退職金の額は、一般的には功績倍率法で決めます。功績倍率法は、役員の退職の直前に支給した給与の額を基礎として、業務に従事した期間と職責に応じた倍率をかける方法で、「最終報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率」の形になります(法人税基本通達 9-2-27の3)。月額100万円で在任10年、倍率3.0倍なら3,000万円です。

役員退職金(功績倍率法)30,000,000円
所得税(復興特別所得税を含む)2,811,834円
住民税1,300,000円
手取り25,888,166円

功績倍率の考え方

功績倍率は通達で決まった数字はなく、会社の役員退職慰労金規程で役職ごとに定めます。実務では、社長で3倍前後、専務や常務で2倍台、取締役で2倍前後といった倍率がよく使われていますが、これは公的に定められた値ではありません。

役員退職金は、株主総会の決議(定款に定めがない場合)で支給額や支給の方法を決めるのが一般的です。決議の内容と規程を議事録として残しておくことが、後で金額の相当性を説明するときの基礎になります。

損金算入の考え方

法人税では、役員給与のうち不相当に高額な部分は損金になりません(法人税法第34条第2項)。役員退職金が高すぎるかは、業務に従事した期間、退職の事情、同じ業種で規模が似た会社の役員退職金の状況などに照らして判断されます(法人税法施行令第70条第2号)。功績倍率法で、同業他社と比べて説明できる倍率を使うことが、一般的な考え方です。

税金の特例(特定役員退職手当等)

役員として勤めた期間が5年以下の役員の退職金(特定役員退職手当等)は、退職所得の2分の1の計算がありません(国税庁 No.2737)。在任4年で1,000万円なら、控除160万円を引いた840万円がそのまま課税退職所得になり、所得税は1,323,216円です。在任6年以上なら、一般の人と同じく2分の1の計算になります。

よくある質問

役員と従業員の期間がある場合は?
従業員としての期間と役員としての期間をあわせて勤続年数を数えます。特定役員の判定には役員としての期間を使います。
功績倍率は何倍まで認められますか?
決まった上限はなく、同業他社との比較などで相当かどうかが判断されます。税理士などの専門家に確認してください。

中小企業の役員の退職金の準備

中小企業の役員は中退共に加入できないため、役員の退職金は、会社で積み立てるほか、小規模企業共済や、法人契約の生命保険などで準備するのが一般的です。小規模企業共済は役員個人が加入する制度で、受け取る共済金は退職所得や公的年金等の雑所得として扱われます。

役員の勤続年数の数え方

退職所得控除に使う勤続年数は、従業員として勤めた期間と役員として勤めた期間を合わせた年数です。一方、2分の1の計算がない特定役員退職手当等にあたるかどうかは、役員として勤めた期間(役員等勤続年数、1年未満の端数は切り上げ)が5年以下かで判断します。従業員から役員になった人は、両方の年数を分けて確かめます。

支給の手続き

役員退職金を支給するときは、役員退職慰労金規程に基づいて金額を計算し、株主総会で支給を決議し、取締役会で具体的な額や支給の時期、方法を決める流れが一般的です。損金に算入する時期は、一般的には株主総会の決議などで額が確定した事業年度です。分割して支払う場合などの扱いは税理士に確認します。

計算の前提と出典

最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式と調査の数字で出した目安です。実際の退職金の額と支払時期は会社の就業規則(退職金規程)が、税金は勤務先と税務署の計算が決めます。このページは、どなたかが受け取れるかどうかや金額を判断するものではありません。