受け取る養育費は、扶養義務を果たすために払われる生活費として、所得税はかかりません(所得税法第9条)。贈与税も、生活費や教育費に充てるために通常必要と認められるものはかからず、国税庁はこの生活費に養育費を含むとしています。
払う側は、養育費が扶養義務の履行として一定の年齢まで払われるものなら、子どもを扶養控除の対象にできる場合があります。どちらの親の扶養親族にするかなど、個別の事情は家庭裁判所・弁護士・お住まいの市区町村へ、税金は税務署にご相談ください。
受け取る側の税金
扶養義務者相互間で扶養義務を履行するため給付される金品は所得税がかからない(所得税法第9条第1項第15号)。
扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で通常必要と認められるものには贈与税がかからない。ここでいう生活費には養育費その他子育てに関する費用を含む。生活費や教育費として必要な都度直接充てるものに限られ、預金したり株式や不動産の購入に充てたりすると贈与税がかかる(国税庁 No.4405)。
払う側の扶養控除
離婚に伴う養育費の支払が扶養義務の履行として「成人に達するまで」など一定の年齢に限って行われるものである場合は、原則として支払期間中は生計を一にしているものとして、支払う側の扶養控除の対象にできる。子が双方の扶養親族の要件を満たすときは、どちらか一方の扶養親族とする(国税庁 質疑応答事例「生計を一にするかどうかの判定(養育費の負担)」)。
一般の控除対象扶養親族38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)63万円。16歳未満の子は扶養控除の対象外(国税庁 No.1180)。
受け取る側のひとり親控除
ひとり親控除は35万円。合計所得金額500万円以下で、生計を一にする子(総所得金額等が令和8年分から62万円以下で、他の人の扶養親族になっていない子)がいることなどが要件(国税庁 No.1171)。
子どもが元配偶者の扶養親族になっていると、ひとり親控除の要件の「他の人の扶養親族になっていない子」に当たらないため、どちらの親の扶養親族にするかは両方の控除に関わります。
毎月受け取る場合と一括の場合
毎月の生活費や学費に充てるために受け取る養育費は、贈与税のかからない生活費・教育費の扱いです。一括で受け取って預金や資産の購入に充てた部分は、国税庁の説明では贈与税がかかることがあるため、受け取り方を決めるときに税務署に確かめておくと安心です。
養育費と手当
算定表で年収を数えるときは、児童扶養手当や児童手当を受け取る側の年収に入れません。反対に、児童扶養手当では、受け取った養育費の8割を所得に加えて計算します(こども家庭庁)。
よくある質問
- 一括で受け取った養育費は?
- 生活費や教育費として必要な都度充てるものに限って贈与税がかからないため、一括で受け取って預金などにした場合は扱いが変わることがあります。税務署に確かめてください。
- 養育費を払うと所得税が安くなりますか?
- 養育費そのものは所得から差し引けません。扶養控除の対象になるかは、上の国税庁の考え方で判断します。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は、裁判所が公表している標準算定方式と算定表による目安です。実際の養育費・婚姻費用は、父母の話合い(協議)、家庭裁判所の調停や審判で決まり、個別の事情で算定表と違う額になることがあります。個別の事情は家庭裁判所・弁護士・お住まいの市区町村へご相談ください。