残業代が出ていないと感じたときは、まず給与明細と勤怠の記録で、時間外の時間と支払われた額を見比べます。管理監督者や裁量労働制、固定残業代の扱いになっていないかも確かめどころです。
賃金の請求権の時効は、2020年4月1日以後に支払日が来るものは3年です(労働基準法115条、附則143条)。確かめたいことがあるときは、勤務先の担当部署のほか、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。
確かめること
就業規則・賃金規程で、所定労働時間、時間外の計算方法、手当の扱いを確かめます。給与明細では、時間外・深夜・休日の時間と金額が書かれているか、固定残業代がある場合はその時間数と、超えた分の支払いがあるかを見ます。
自分の月給と時間で、本来の額の目安を出すときは残業代の計算ツールが使えます。
残しておく記録
タイムカードや勤怠システムの記録、給与明細、就業規則や雇用契約書の写しは、後で時間と金額を確かめるときの基本の資料です。会社の記録が手元にない場合は、日々の始業・終業の時刻を自分で書いたメモや、業務で使ったメール・パソコンの記録なども、働いた時間を示す材料になることがあります。
時効3年
賃金(退職手当を除く)の請求権の時効は、行使することができる時から3年(労働基準法115条を附則143条3項で読み替え、当分の間)。退職手当は5年。毎月の給与の支払日ごとに時効が進むため、古い月の分から順に請求できなくなっていきます。
相談先
労働基準監督署は、労働基準法に違反する疑いがあるときの相談や申告を受け付けています。都道府県労働局と労働基準監督署の総合労働相談コーナーでは、解雇や賃金などの労働問題全般の相談ができ、予約なしで無料です。未払いの額や請求の進め方を具体的に相談したいときは、弁護士に相談する方法もあります。
会社に確かめるとき
勤務先の人事や給与の担当に、残業代の計算方法と、時間の数え方の根拠を聞くことから始められます。聞いた内容と日付を書き留めておくと、後で確かめるときに役立ちます。
計算して比べる手順
月給280,000円(通勤手当10,000円)、年間休日120日・1日8時間の人が時間外を20時間働いた月は、1時間あたりの賃金1,653円で、残業代の目安は41,327円です。給与明細の時間外手当の額がこれより少ないときは、1か月の所定労働時間や除外している手当の扱いなど、計算の前提がどう違うかを勤務先に確かめると、差の理由がわかります。
給与明細の見方
給与明細の勤怠の欄には時間外・深夜・休日の時間が、支給の欄には時間外手当や深夜手当の額が書かれているのが一般的です。時間の欄と額の欄を見比べ、時間に1時間あたりの賃金と割増率をかけた額と合っているかを確かめます。
よくある質問
- 何年前までさかのぼれますか?
- 2020年4月1日以後に支払日が来る賃金は3年です。それより前は2年でした。
- 会社を辞めた後でも請求できますか?
- 時効の範囲内であれば、退職後も請求できます。記録は在職中に手元に残しておくと確かめやすくなります。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は目安の計算です。実際の残業代は、就業規則・賃金規程と勤怠の記録で決まります。残業代について確かめたいときは、勤務先の担当部署のほか、労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。