労働基準法の管理監督者には、労働時間・休憩・休日の規定が適用されないため、時間外手当と休日手当は支払われません。ただし、22時から5時までの深夜手当は管理監督者にも支払う必要があります(東京労働局)。
管理監督者に当たるかどうかは、「部長」「店長」などの肩書きではなく、仕事の内容や権限、働き方、待遇の実態で判断されます。月給450,000円・1か月160時間の人が深夜に10時間働いた月の深夜手当の目安は7,031円です。
管理監督者とは
労働基準法41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)には、労働時間・休憩・休日の規定が適用されないため、時間外手当・休日手当の支払は不要。ただし深夜手当は管理監督者にも支払う必要がある。管理監督者に当たるかは肩書きではなく実態で判断する(東京労働局)。
管理監督者かどうかの確かめ方
東京労働局のパンフレットは、次の点を判断の目安として挙げています。
| 確かめること | |
|---|---|
| 1 | 職務内容と責任・権限が管理監督者にふさわしいか |
| 2 | 勤務態様の実態が労働時間等の規制になじまないものに限定されているか |
| 3 | 定期給与・ボーナスなどで一般社員より優遇されているか |
| 4 | スタッフ職の場合、経営上の重要事項に関する企画立案業務を担当しているか |
深夜手当の計算
管理監督者の深夜手当は、1時間あたりの賃金の25%以上です。月給450,000円・1か月160時間なら、1時間あたり2,813円で、深夜10時間の深夜手当は 2,813円 × 0.25 × 10 = 7,031円です。残業代の計算ツールでは、所定時間内の深夜の欄に時間を入れると計算できます。
管理職と管理監督者の違い
会社が管理職と呼ぶ人が、すべて労働基準法の管理監督者に当たるわけではありません。管理監督者は、経営者と一体的な立場にある人とされ、部下の採用や賃金の決定などの人事の権限、出退勤の自由、地位にふさわしい待遇があるかが見られます(東京労働局)。
自分が当てはまるか迷うとき
肩書きが課長や店長でも、勤務時間を自分で決められず、権限や待遇が一般の社員とあまり変わらない場合は、管理監督者に当たるか確かめる余地があります。勤務先の人事部門に扱いの根拠を聞くほか、労働基準監督署や総合労働相談コーナーで、一般的な考え方を相談できます。
実態として見られる例
東京労働局のパンフレットは、地位に応じた相応の賃金が支払われているといった待遇、部下の採用や給与の決定などの人事管理の権限を持つこと、出退勤の時間が本人の裁量に任されていることなどを、管理監督者といえるための例として挙げています。営業上の理由で全員に課長の肩書きを与えている部署があっても、その立場になければ管理監督者とはいえない、と説明しています。
深夜手当のもう一つの例
月給600,000円・1か月160時間の人は1時間あたり3,750円で、深夜に20時間働いた月の深夜手当は18,750円が目安です。
よくある質問
- 管理職になったら残業代はゼロになりますか?
- 管理監督者に当たれば時間外・休日手当はありませんが、深夜手当は支払われます。管理監督者に当たるかは実態で判断されます。
- 管理監督者にも有給休暇はありますか?
- 年次有給休暇の規定は管理監督者にも適用されます(労働基準法41条で適用されないのは労働時間・休憩・休日の規定です)。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は目安の計算です。実際の残業代は、就業規則・賃金規程と勤怠の記録で決まります。残業代について確かめたいときは、勤務先の担当部署のほか、労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。