そろばんノート

残業代の計算

残業代の計算方法

労働基準法・施行規則と東京労働局のパンフレットによる説明です。

この内容は2026年10月24日時点のものです。

最終確認日 2026年10月24日

残業代は「1時間あたりの賃金 × 残業した時間 × 割増率」で計算します。月給の人の1時間あたりの賃金は、家族手当や通勤手当などを除いた月給を、1か月平均所定労働時間で割って出します(労働基準法施行規則19条)。

東京労働局の例では、基本給235,000円と精皆勤手当8,000円、年間所定休日122日・1日8時間で、1か月平均所定労働時間は162時間、1時間あたりの賃金は1,500円です。

1時間あたりの賃金の手順

まず1年間の所定労働日数(365日 − 年間所定休日)に1日の所定労働時間をかけ、12で割って1か月平均所定労働時間を出します。東京労働局の例では (365 − 122) × 8 ÷ 12 = 162時間です。

次に、月給から割増賃金の計算に入れない手当を除き、その時間で割ります。例では家族手当20,000円と通勤手当15,000円を除いた243,000円を162時間で割って1,500円です。

除外できる手当

労働基準法37条5項(家族手当・通勤手当)と労働基準法施行規則21条(別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)。名称ではなく実態で判断し、家族数・交通費・距離や家賃に比例して支給するものが除外の対象で、一律に支給するものは月給に含める(東京労働局)。住宅手当は、家賃やローン月額の一定割合を支給するものなどが除外の対象で、全員に一律の定額で支給するものは除外しない。

除外できる賃金
家族手当
通勤手当
別居手当
子女教育手当
住宅手当
臨時に支払われた賃金
1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

割増率の重なり

時間外と深夜が重なると25% + 25% = 50%、月60時間を超えた時間外と深夜が重なると50% + 25% = 75%、法定休日と深夜が重なると35% + 25% = 60%です(労働基準法施行規則20条)。法定休日に8時間を超えて働いても、別に時間外手当を払う必要はなく、割増率は35%のままです(東京労働局)。

種類割増率
時間外(法定労働時間を超えた時間)25%以上
時間外が月60時間を超えた部分50%以上
深夜(22時〜5時)25%以上
法定休日35%以上
時間外 + 深夜50%以上
60時間超の時間外 + 深夜75%以上
法定休日 + 深夜60%以上
法定時間内残業割増なし(1.00倍)

法定時間内残業

所定労働時間を超えても法定労働時間(1日8時間・週40時間)以内の残業(法定時間内残業)は、1時間あたりの賃金×1.00で、25%の割増は法律上は必要ない(東京労働局「しっかりマスター 割増賃金編」)。就業規則で割増を定めていればそれによる。所定労働時間が7時間の会社で8時間働いた日は、7時間を超えた1時間が法定時間内残業です。

計算例(東京労働局の例の1,500円の人)

時間外15時間(うち深夜3時間)と法定休日8時間の月は、時間外のうち深夜でない12時間が 1,500円 × 1.25 × 12 = 22,500円、深夜3時間が 1,500円 × 1.50 × 3 = 6,750円、休日8時間が 1,500円 × 1.35 × 8 = 16,200円で、合計45,450円です。

月給280,000円(通勤手当10,000円)、年間休日120日・8時間の人は、1時間あたり1,653円で、時間外20時間なら41,327円です。

よくある質問

1日の所定労働時間が日によって違う場合は?
1年間の所定労働時間の合計を12で割った1か月平均所定労働時間を使います。
住宅手当はいつでも除外できますか?
家賃やローンに比例して支給するものは除外できますが、全員に一律の額を支給するものは除外できません(東京労働局)。

出典と前提

最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は目安の計算です。実際の残業代は、就業規則・賃金規程と勤怠の記録で決まります。残業代について確かめたいときは、勤務先の担当部署のほか、労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。