そろばんノート

残業代の計算

裁量労働制の残業代

厚生労働省の裁量労働制の解説による説明です。

この内容は2026年10月24日時点のものです。

最終確認日 2026年10月24日

裁量労働制では、実際に働いた時間にかかわらず、労使協定などで決めた「みなし労働時間」働いたものとして扱います。みなし労働時間が1日8時間を超える部分には割増賃金が必要で、深夜と法定休日の割増賃金は、実際に働いた時間に応じて支払われます(厚生労働省)。

たとえばみなし労働時間が1日9時間なら、毎日1時間分が時間外の扱いで、月20日なら20時間分です。月給350,000円・1か月160時間の人では、この20時間分の割増賃金の目安は54,688円です。

裁量労働制とは

裁量労働制では、実際の労働時間と関係なく、労使協定などで定めた時間(みなし労働時間)働いたものとみなす。みなし労働時間が法定労働時間を超える部分には割増賃金が必要。休日労働と深夜労働の規定は裁量労働制でも適用され、休日・深夜に働いた場合は実際に働いた時間に応じて割増賃金を支払う。専門業務型は2024年4月1日から本人の同意が必要(厚生労働省「専門業務型裁量労働制の解説」)。

対象になる仕事

専門業務型は省令・告示で定めた20業務、企画業務型は事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務。対象の業務に当たらない仕事には、裁量労働制は使えません。

深夜・休日に働いたとき

深夜に5時間働いた月は、月給350,000円・160時間の人なら1時間あたり2,188円の25%で、2,734円が深夜の割増賃金の目安です。法定休日に働いた時間は、35%の割増で計算します。残業代の計算ツールの深夜や休日の欄に、実際に働いた時間を入れると計算できます。

自分の制度を確かめるには

労使協定(専門業務型)や労使委員会の決議(企画業務型)で、対象業務、みなし労働時間、健康・福祉を確保する措置などが定められています。2024年4月からは専門業務型でも本人の同意が必要で、同意しなかったことを理由とする不利益な取扱いは禁止されています。

みなし時間ごとの例

月給350,000円・1か月160時間(1時間あたり2,188円)で月20日働く人の場合、みなし労働時間が1日8時間30分なら時間外は月10時間で27,344円、1日10時間なら月40時間で109,375円が割増賃金の目安です。みなし労働時間が8時間以内なら、深夜と休日の分を除いて割増賃金はありません。

企画業務型の場合

企画業務型裁量労働制は、事業の運営に関する事項についての企画・立案・調査・分析の業務が対象で、労使委員会の決議と本人の同意が必要です。みなし労働時間と深夜・休日の割増賃金の考え方は、専門業務型と同じです。

よくある質問

裁量労働制なら残業代は出ませんか?
みなし労働時間が法定労働時間を超える部分と、深夜・休日の労働には割増賃金が必要です。
同意を撤回できますか?
専門業務型では、労使協定で同意の撤回の手続を定めることになっています。手続は勤務先の協定で確かめてください。
年次有給休暇や休憩はどうなりますか?
厚生労働省の解説では、休憩(労働基準法34条)や年次有給休暇(39条)の規定も、裁量労働制の人に適用されるとしています。

出典と前提

最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は目安の計算です。実際の残業代は、就業規則・賃金規程と勤怠の記録で決まります。残業代について確かめたいときは、勤務先の担当部署のほか、労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。