そろばんノート

電気代の計算と目安

エアコンの2027年問題とは

2027年4月から、家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられます。基準はメーカーが出荷する製品の平均に向けたもので、今のエアコンは使い続けられ、修理もできます。買い替えたときの電気代の差は、期間消費電力量から計算できます。

この内容は2026年10月29日時点のものです。

最終確認日 2026年10月29日

エアコンの2027年問題は、2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられることを指す呼び名です。基準はメーカーに向けたもので、今使っているエアコンはそのまま使えます。

買い替えで電気代がどれだけ変わるかは、今のエアコンと候補の期間消費電力量(kWh/年)がわかれば計算できます。たとえば年900kWhから年700kWhになると、単価31円で1年6,200円、10年で62,000円の差です。

期間消費電力量は、本体の統一省エネラベル、取扱説明書の仕様の欄、カタログに「期間消費電力量」として書かれています。単価の31円は家電公取協の目安単価で、検針票の請求金額を使用量で割った単価に書き換えられます。入力した数字はどこにも送信せず、保存もしません。

今のエアコンの1年の電気代27,900円
候補の1年の電気代21,700円
1年の差6,200円 安くなる
10年の差62,000円 安くなる
価格差の元が取れる年数約9.7年

2027年問題とは

省エネ法(省エネ・非化石転換法)のトップランナー制度で、家庭用エアコンの新しい省エネ基準(2027年度基準)が2027年4月から始まります。資源エネルギー庁は、SNSなどでこれが「エアコン2027年問題」と呼ばれていると説明しています(資源エネルギー庁 エネこれ)。

基準の目標年度は、いちばん多い直吹きの壁掛形が2027年度、壁掛形以外とマルチタイプが2029年度です(経済産業省の報告書、省エネ基準の審議資料)。省エネ性能は、1年間の冷暖房に必要な能力を1年間の消費電力量で割った通年エネルギー消費効率(APF)で表し、6畳用の2.2kW機では、これまでの2010年度基準のAPF5.8から2027年度基準の6.6に上がります。

何が変わるか(加重平均の基準)

トップランナー制度の基準は、1台ずつの合格・不合格ではありません。メーカーなどが年度ごとに出荷する製品について、区分ごとに出荷台数で重みをつけた平均(加重調和平均)の効率が、基準を下回らないことを求めるしくみです(省エネ基準の審議資料)。

このため、基準より効率の低い製品があっても、効率の高い製品と合わせた平均で基準を満たしていれば、その製品を出荷できます。資源エネルギー庁も、2027年度以降に基準値を満たさない製品の製造・出荷を禁止するものではないとしています(資源エネルギー庁 エネこれ)。

今のエアコンはどうなるか

制度はメーカーに適用されるもので、家庭で使っているエアコンを買い替える必要はなく、引き続き使えると資源エネルギー庁は説明しています。修理についても、2027年度基準によって今のエアコンが修理できなくなることはなく、メーカーごとに製造を終えたあとの部品の保有期間(約10年間)が設けられているのが一般的としています(資源エネルギー庁 エネこれ)。

修理できるかどうかは、基準ではなく、製造された年月と部品の保有期間で決まります。本体に貼られた銘板や取扱説明書で製造年を確かめておくと、故障したときに問い合わせやすくなります。

値上がりするか

資源エネルギー庁は、エアコンの価格は需要と供給、性能や付加機能、銅やアルミなどの素材価格、製造・輸送コスト、メーカーや販売店の戦略で決まるとしたうえで、省エネ性能の向上に伴って販売価格が上がる可能性があるとしています(資源エネルギー庁 エネこれ)。

一方で同じ試算では、2027年度基準を満たす2.2kW機は年約2,760円、4.0kW機は年約12,600円、光熱費が安くなるとされ、使う期間全体ではそれぞれ約4万円、約18万円です。この試算の単価は31.75円/kWhです。価格を比べるときは、同じ能力、同じ機能の製品どうしで比べるよう資源エネルギー庁は書いています。

「嘘」と言われる理由

「2027年から今のエアコンが使えなくなる」「基準を満たさない安いエアコンは売れなくなる」「修理してもらえなくなる」といった話は、制度の中身とは違います。資源エネルギー庁の説明では、使用中のエアコンはそのまま使え、基準を満たさない製品の製造・出荷も禁止されず、基準を理由に修理ができなくなることもありません。

このため、2027年問題そのものが「嘘」だと言われることがあります。ただ、基準が引き上げられること自体は事実で、メーカーが出荷する製品の効率は平均で上がっていきます。どの価格帯の製品がどれだけ残るかは各社の判断で、制度からは決まりません。

省エネラベルの見方

エアコン売り場の統一省エネラベルは2022年10月から新しくなり、省エネ性能が5.0から1.0までの0.1きざみの評価点と星の数で示されます。評価点はAPFにもとづくため、能力の違う製品どうしでも比べられます。ラベルには、目標年度を2027年度とする省エネ基準の達成率も%で書かれています(資源エネルギー庁 統一省エネラベル、ラベルの変更点)。

ラベルの年間の目安電気料金は、東京の気温を前提にした期間消費電力量に、27円/kWhをかけた金額です。家電公取協の目安単価は令和4年7月22日に改定された31円/kWhなので(家電公取協)、ラベルの金額を27で割ると期間消費電力量に戻せます。上の計算では、その期間消費電力量に自分の家の単価をかけています。

補助金の探し方

エアコンの買い替えを支援する制度は、主に都道府県や市区町村が行っています。たとえば東京都の東京ゼロエミポイントは、エアコンなどの省エネ家電への買い替えを対象に、令和9年3月31日までの期間で行われています(東京都 2026年2月18日)。予算の状況で早く締め切られることもあります。

自分の住む地域の制度は、都道府県と市区町村のウェブサイトで「省エネ家電」「エアコン」「買い替え」と探すと見つけやすく、対象になる省エネ性能の条件、購入前の申請が要るか、店舗の指定があるかが制度ごとに違います。国や都道府県の住宅向けの制度でエアコンが対象に入るかどうかも、それぞれの制度の要件で確かめます。

買い替えるか待つかの考え方

内閣府の消費動向調査(令和8年3月調査(2025年4月から2026年3月に買い替えた二人以上の世帯))では、ルームエアコンを買い替えた世帯が使っていた期間は平均13.4年で、買い替えの理由は故障が66.6%でした(内閣府 消費動向調査)。

上の計算は、電気代の差と価格差だけを比べたものです。今のエアコンの期間消費電力量は、取扱説明書や本体のラベルで確かめられます。わからないときに年式から推定した数字は使っていません。部屋の広さに合う能力かどうか、設置の工事費、補助金の有無によっても、比べる金額は変わります。

期間消費電力量(今 → 候補)1年の差10年の差価格差元が取れる年数
900kWh → 700kWh6,200円62,000円60,000円約9.7年
1,200kWh → 800kWh12,400円124,000円ーー
600kWh → 600kWh0円0円30,000円元が取れない
850kWh → 700kWh4,650円46,500円50,000円約10.8年

蛍光灯の2027年問題とは別のこと

同じ「2027年問題」と呼ばれる蛍光灯の話は、水銀に関する水俣条約による一般照明用の蛍光ランプの製造と輸出入の廃止で、エアコンの省エネ基準とは別の決まりです。いま使っている蛍光灯の使用は禁止されていません(環境省)。LED電球との電気代の差はLED電球の電気代で計算しています。

よくある質問

壁掛形以外のエアコンも2027年度ですか?
壁掛形以外とマルチタイプの目標年度は2029年度です。この2つは2028年度までは企業全体の達成判定にも入らず、2029年度から壁掛形と合わせて判定されます。
期間消費電力量がわかりません。
本体の横や下に貼られた銘板や、取扱説明書の仕様の欄に書かれています。古い機種で見つからないときは、メーカーのウェブサイトで型番から仕様を調べられることがあります。

出典と前提

最終確認日 2026年10月29日。このページは、資源エネルギー庁・経済産業省・内閣府などの公表内容にもとづく一般的な説明と計算の道具で、特定の製品や買い替えの時期をすすめるものではありません。金額は、入れた期間消費電力量と単価で計算した目安で、実際の電気代は地域、使い方、部屋の条件、契約している料金プランで変わります。