そろばんノート

副業の税金

副業・ダブルワークと社会保険

副業で社会保険がどう変わるかを、雇われ方ごとにまとめました。

この内容は2026年11月1日時点のものです。

最終確認日 2026年11月1日

副業やダブルワークで社会保険が変わるのは、2か所で雇われて、それぞれで健康保険と厚生年金に入る条件を満たすときです。このときは本人が届出をして、2つの給与を合わせた額で保険料が決まり、勤務先ごとに分けて引かれます。

業務委託など雇われない形の副業は、会社員の健康保険と厚生年金には影響しません。国民健康保険に入っている人は、副業の所得で翌年度の保険料が上がります。

2か所で加入するとき(二以上事業所勤務届)

副業先でも雇われて、2か所でそれぞれ健康保険と厚生年金に入る条件を満たしたときは、本人が「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を、事実が生じてから10日以内に出します。このとき主に働く事業所を1つ選び、その事業所を受け持つ年金事務所と健康保険の保険者が決まります(日本年金機構)。

標準報酬月額は2か所の報酬月額を合わせた額で決まり、保険料はそれぞれの事業所で受ける報酬の割合で分けて、両方の給与から引かれます。健康保険の料率は、選んだ事業所の保険者の料率です。

加入するかは勤務先ごとに判断

パートやアルバイトが社会保険に入るかは、勤務先ごとに判断します。2か所の労働時間や賃金を合わせることはなく、週15時間と週10時間の仕事なら、合計が25時間でもどちらでも加入しません(日本年金機構 Q&A、厚生労働省)。

短時間で働く人が加入する条件は、週20時間以上、2か月を超えて働く見込みがあること、学生でないこと、勤務先の規模です。月額8.8万円以上という賃金の条件は2026年10月1日に撤廃されました。規模の条件(厚生年金に入っている人の数)は今の51人以上から、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上と広がり、2035年10月になくなります。

業務委託・フリーランスの副業

健康保険と厚生年金に入るのは「事業所に使用される者」で、使用されているかは雇用契約書の有無などではなく、働き方の実態で判断されます(日本年金機構)。保険料の計算に使う報酬も、事業所から労務の対償として受けるものなので、雇われずに受ける業務委託の報酬で本業の保険料が変わることはありません。

家族の健康保険の扶養に入っている人は、副業の収入も扶養の判定に入ります。これから1年間の収入の見込みが130万円未満(60歳以上か障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満)が基準で、事業の収入は必要経費を引いた額で見ます(日本年金機構)。

国民健康保険に入っている人

国民健康保険の保険料の所得割は、前の年の総所得金額等から基礎控除の43万円を引いた額にかかり、総所得金額等には事業所得や雑所得も入ります(新宿区)。副業の所得が増えると、翌年度の保険料が上がります。

料率と計算の名前は市区町村ごとに違い、横浜市は基準総所得金額と呼んでいます。保険料の額は、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口で確かめられます。

雇用保険は1か所

雇用保険は、2か所で雇われていても、生計を維持するのに必要な主たる賃金を受ける1か所でだけ入ります(厚生労働省)。

65歳以上の人は、2つの勤務先でそれぞれ週5時間以上20時間未満、合わせて週20時間以上働き、どちらも31日以上働く見込みがあれば、本人がハローワークに申し出て雇用保険に入れます(マルチジョブホルダー制度)。加入は申し出た日からで、さかのぼることはできません。2028年10月1日からは、雇用保険に入る週の所定労働時間が20時間以上から10時間以上に変わります。

よくある質問

2か所で社会保険に入ると、保険料は高くなりますか?
保険料は2つの給与を合わせた額の等級で決まるので、1か所だけで同じ給与を受けた場合とほぼ同じです。勤務先ごとに給与の割合で分けて引かれます。
副業先で社会保険に入らないように頼めますか?
加入するかは働く時間や勤務先の規模などの決まりで判断され、本人の希望では選べません。
届出を忘れていたら?
わかった時点で、主に働く事業所を受け持つ年金事務所に相談して届け出ます。

自分の場合の扱いは、所得税のことは所轄の税務署に、住民税のことはお住まいの市区町村に、社会保険のことは年金事務所に確かめてください。

出典と前提

最終確認日 2026年11月1日。副業の税金と社会保険の説明は一般的な目安です。実際の税額と申告の要否は、所得の内容と控除、市区町村や勤務先の扱いで変わります。