そろばんノート

個人間の契約書

親の土地に無償で家を建てるとき

国税庁のタックスアンサーと個別通達による一般的な説明です。個別の判断は税理士に確かめてください。

最終確認日 2026年10月15日

親の土地に子が家を建てて、地代を払わずに使う場合は、土地の使用貸借になります。国税庁は、使用貸借による土地を使う権利の価額はゼロとして扱うため、親の土地に子が家を建てても、子が借地権の贈与を受けたことにはならず、贈与税はかかりません(国税庁 No.4552)。この扱いは、昭和48年11月1日の個別通達(直資2-189)で定められています(国税庁)。

使用貸借と借地権の違い

地代を払って建物を建てるために土地を借りる場合は、借地借家法の借地権が生じ、借地人の権利は強く守られます。土地の評価でも、借地権の分が差し引かれます。一方、地代を払わない使用貸借には借地借家法が及ばず、借地権も生じません。そのため、権利金を払わず地代も払わずに親の土地を使っても、借地権を無償でもらったという贈与にはならない、という扱いになります。

反対に、親子の間でも権利金を払ったり、相当の地代を払ったりする形にすると、賃貸借として別の扱いになります。どちらの形がよいかは個別の事情によるため、税理士に確かめてください。

相続では自用地として評価

使用貸借で貸している土地は、貸主の親が亡くなって相続するとき、借地権を差し引かずに、自分で使っている土地(自用地)として評価されます。借地権の分だけ評価が下がることはありません。土地の上の子の家は子の財産で、親の相続財産には入りません。

相続税や贈与税の早見表、贈与の申告の考え方は贈与税の早見表や相続のページにまとめています。

固定資産税を払っても使用貸借

子が親に、土地の固定資産税や都市計画税に相当する額を払っている場合も、国税庁の通達は、公租公課に相当する額以下の支払であれば使用貸借として扱うとしています。これは使用の対価とは見ないという考え方で、それを超える額を地代として払うと、賃貸借として扱われる可能性があります。払う額と名目を、契約書の費用の負担の欄に書いておきます。

土地を子に渡すときの選択肢

親の土地を子に使わせる方法には、使用貸借のほか、賃貸借、生前に土地を贈与する、相続で引き継ぐといった形があります。どれを選ぶかで、贈与税、相続税、登記の手続きが変わります。この中から家族に合った形を選ぶのは、税理士や司法書士と相談して決める部分です。

契約書に書いておくこと

親の土地に子が家を建てる場合の使用貸借契約書には、土地の表示、建物の所有という目的、期間(建物が存する間など)、固定資産税相当額の負担、子が先に亡くなったときの扱い、建物を取り壊すときの原状回復を書きます。このサイトのテンプレートの記入例が、この形です。

よくある質問

子が家を建てた後に親が土地を売ったらどうなりますか?
使用貸借には借地借家法の保護がないため、土地の新しい持ち主に対して家を建て続ける権利を主張することは難しくなります。売る前に家族で話し合ってください。
兄弟姉妹との公平は?
無償で土地を使っていたことが、相続のときの話し合いで特別受益として問題になることがあります。扱いは専門家に確かめてください。

計算の前提と出典

最終確認日 2026年10月15日。ここに書いた内容は、法令と国税庁・国土交通省などの公表資料による一般的な説明です。個別の契約や税金の扱いは、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に確かめてください。このページは、どなたかの個別の事情について判断するものではありません。