婚姻費用は、夫婦や経済的に自立していない子どもの生活費など、婚姻生活を維持するために必要な一切の費用で、別居中も夫婦が収入に応じて分担します。話合いがまとまらないときは、家庭裁判所に婚姻費用の分担請求の調停や審判を申し立てることができます(裁判所)。
額の目安は裁判所の算定表(表10〜表19)でわかり、夫が給与500万円、妻が給与100万円で子ども1人(8歳)を妻が育てている例では「8〜10万円」の枠、計算式で月92,302円です。分担請求の進め方は家庭裁判所の手続案内や弁護士に相談できます。
分担請求の流れ
まず夫婦で話し合い、まとまらないときや話合いができないときは、相手方の住所地の家庭裁判所か、夫婦が合意で決めた家庭裁判所に調停を申し立てます。申立ての費用は収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手で、申立書のほか夫婦の戸籍謄本や収入の資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書などの写し)を出します。
調停では、夫婦の資産、収入、支出などの事情を聴いて合意を目指して話合いが進められ、まとまらず調停が不成立になると審判の手続が始まり、裁判官が一切の事情を考慮して判断します(裁判所)。
養育費との違い
婚姻費用は離婚する前の夫婦と子どもの生活費、養育費は離婚した後の子どもの生活費です。婚姻費用には、子どもの生活費のほかに受け取る側本人の生活費も入ります。
夫が給与500万円、妻が給与100万円で子ども1人(8歳)の例では、養育費の算定表は「4〜6万円」、婚姻費用の算定表は「8〜10万円」の枠です。
婚姻費用が出ないとき
受け取る側の収入が多い場合は、計算上の婚姻費用が0円になることがあり、算定表にも「0円」の枠があります。算定表の額は標準的なもので、実際の額は個別の事情を含めて話合いや家庭裁判所の手続で決まります。
額がおかしいと感じるとき
算定表は、通常の範囲の事情を表の幅の中で考慮した標準的な額を示しています。裁判所の説明書は、表の幅を超える額の算定が必要になるのは、算定表によることが著しく不公平となるような特別な事情がある場合に限られると考えられる、としています。
婚姻費用に含まれるもの
裁判所は、婚姻費用を、夫婦や経済的に自立していない子どもの生活費など、婚姻生活を維持するために必要な一切の費用と説明しています。住居費、食費、光熱費、子どもの教育費などがこれに当たり、算定表はこうした費用を標準的な割合で計算に入れています。
申立てのときに出す書類
裁判所の案内では、申立書とその写し1通のほか、夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)、申立人の収入の資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書などの写し)、事情説明書(婚姻費用分担)、進行に関する照会回答書が標準的な書類です。審理に必要な場合は追加の書類を求められることがあります。
計算ツール
夫婦の年収と子どもの人数・年齢から目安を出す婚姻費用の計算があります。
よくある質問
- 調停の申立てにかかる費用は?
- 収入印紙1,200円分と、裁判所ごとに決まった連絡用の郵便切手です(裁判所)。
- 離婚すると婚姻費用はどうなりますか?
- 離婚後は、子どもがいれば養育費の取決めに移ります。
出典と前提
最終確認日 2026年10月24日。このページの金額は、裁判所が公表している標準算定方式と算定表による目安です。実際の養育費・婚姻費用は、父母の話合い(協議)、家庭裁判所の調停や審判で決まり、個別の事情で算定表と違う額になることがあります。個別の事情は家庭裁判所・弁護士・お住まいの市区町村へご相談ください。