奨学金の返還免除・猶予・減額
返還そのものがなくなる免除は、本人の死亡と障害、大学院の第一種の業績免除に限られます。収入が少ないときは、返還期限猶予(通算10年まで)か減額返還(通算15年まで)を延滞する前に願い出ます。
この情報は2026年10月18日時点のものです。
最終確認日 2026年10月18日
返還がなくなるのは2つの場合だけ
返還そのものがなくなる免除は、本人が死亡したときと、精神又は身体の障害で労働能力を失ったか高度の制限があって返還できないときに、願い出て審査を受ける制度です。貸与中や在学中は願い出られず、診断書などの書類が必要です。
もう1つは大学院の第一種奨学生だけの制度で、貸与期間中に特に優れた業績を挙げた人を、大学の推薦と機構の審議で認定し、全額または半額を免除します。申請は貸与が終わる年度に大学へ行い、その機会を逃すと申請できません。
| 制度 | 対象になる主な場合 | どうなるか | 手続き |
|---|---|---|---|
| 返還免除(死亡・障害) | 本人の死亡、精神又は身体の障害で働けず返還できない | 返還未済額の全部または一部がなくなる | 願出と審査 |
| 特に優れた業績による返還免除 | 大学院の第一種で、在学中に特に優れた業績 | 全額または半額がなくなる | 大学の推薦と機構の認定 |
| 返還期限猶予(一般猶予) | 経済困難(給与収入300万円以下など)、失業、傷病、災害 | その期間の返還を先送り(第二種も無利息) | 1年ごとに願出、通算10年まで |
| 減額返還 | 経済困難など(給与収入400万円以下など) | 月額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に | 12か月ごとに願出、通算15年まで |
返還期限猶予:年収の目安と上限年数
収入が少なくて返せない期間は、返還期限猶予を願い出ると、承認された期間の返還を先送りできます。経済困難の目安は、給与所得者なら年間収入(税込)300万円以下、給与以外の所得を含む人は年間所得200万円以下です。
経済困難や失業などによる一般猶予は、それらを合わせて通算10年(120か月)が上限です。傷病、災害、生活保護の受給中、産休・育休中などは10年の制限がありません。猶予中は第二種でも利子は増えませんが、元金と利子が免除されるわけではなく、終わったあとに返還が再開します。
2025年12月以後に卒業や退学をした人は、経済困難ではなく「新卒等」の事由で申請します。
減額返還:月額を減らして期間を延ばす
減額返還は、月々の返還額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2のいずれかに減らし、減らした分だけ返還期間を延ばす制度です。収入の目安は、給与所得者で年間収入400万円以下(扶養する子が2人なら500万円以下、3人以上なら600万円以下)です。
たとえば月16,769円を返している人が2分の1にすると、毎月の返還は約8,384円になります。1回の願出で12か月まで、延長して通算15年(180か月)まで使えます。第二種でも利子の総額は増えず、返す総額も変わりません。
減額返還は、延滞していないこと、リレー口座に加入していること、月賦返還であることが条件です。2017年度以降の第一種で所得連動返還方式を選んだ人は使えないので、返還期限猶予を検討します。
申請の順番
返還が難しくなりそうなときは、延滞する前に手続きをします。延滞が3か月以上になると個人信用情報機関に登録される対象になるため、引き落とされない月が出る前に動くことが大切です。
少しでも返せるなら減額返還、まったく返せない期間があるなら返還期限猶予、障害で返還ができない状態が続くなら返還免除、という順で検討するのが一般的です。どの制度も審査があり、認められるかどうかは機構が判断します。
よくある質問
- 猶予と減額はどちらが得ですか?
- どちらも返す総額は変わらず、第二種でも利子は増えません。猶予はその期間の返還がゼロになり、減額は少しずつ返し続けます。猶予の通算10年を残しておきたい人や、少しは返せる人には減額返還が向いています。
- 延滞してしまった後でも猶予を受けられますか?
- 延滞している人向けの返還期限猶予の申請手続きがあります。減額返還は、願い出と審査の時点で延滞していないことが条件なので、延滞を解消してから願い出ます。
- どこに相談すればいいですか?
- 返還中の人は、機構の奨学金相談センターに相談できます。在学中の人は、在学している学校の奨学金窓口が手続きの入口です。
出典と計算の前提
最終確認日 2026年10月18日。金額は、日本学生支援機構の返還の決まりをこのページに書いたとおりに計算した目安で、実際の金額は機構から届く通知が正式です。このページは一般的な情報で、個別の判定は日本学生支援機構の審査と、機構の奨学金相談センターや在学している学校の奨学金窓口で確かめてください。