奨学金の繰上返還は無駄か
第二種は繰り上げた回の利子がかからないので返す総額が減り、第一種は利子がないので返還期間が短くなるだけです。どちらも、手元に残すお金とのつり合いで決めます。
この情報は2026年10月18日時点のものです。
最終確認日 2026年10月18日
第一種と第二種で効果が違う理由
繰上返還は、まだ返還期日が来ていない割賦金を前倒しで返す手続きです。機構の決まりでは、一部を繰り上げると繰り上げた回数分だけ返還期間が短くなり、翌月からの返還額は変わりません。
第二種は利子付きなので、繰り上げた回にかかるはずだった利子がかかりません。返す総額がその分だけ減ります。ただし、返還が始まったあとに繰り上げる場合、返還開始までの約6か月分の利子(据置期間利息)は減りません。据置期間中に一部を繰り上げると、残りの元金について残りの期間の利子が計算し直されます。
第一種は利子がないので、繰り上げても返す総額は1円も変わりません。変わるのは返還が終わる時期だけです。第一種で繰上返還をする意味は、早く返し終えて毎月の固定費をなくすことにあります。
数字で見る:第二種240万円の場合
月5万円を4年借りた240万円を、年3.000%の利率固定方式、15年180回で返す例です。毎月の返還額は16,769円、返す総額は3,018,551円、うち利息は618,551円です。下の表は、残りをすべて一括で繰り上げた場合に払う額と、かからなくなる利子です。
5年後に12回分だけ一部繰上をすると、払う額は151,784円、かからなくなる利子は49,444円で、完済は2042年9月から2041年9月に12か月早まります。早い時期に繰り上げるほど、残りの期間にかかる利子が多いため、減る利息も大きくなります。
| 繰り上げる時期 | 一括で払う額 | かからなくなる利子 | 繰上の月 |
|---|---|---|---|
| 1年後(12回払ったあと) | 2,304,316円 | 513,007円 | 2028年10月 |
| 3年後(36回払ったあと) | 2,030,472円 | 384,395円 | 2030年10月 |
| 5年後(60回払ったあと) | 1,740,007円 | 272,404円 | 2032年10月 |
| 10年後(120回払ったあと) | 934,233円 | 72,038円 | 2037年10月 |
第一種192万円の場合
第一種で192万円を借りた例は、13年156回で毎月12,307円です。5年後に12回分を繰り上げると147,684円を払い、完済が12か月早まりますが、返す総額は192万円のままです。
繰り上げに使ったお金は手元から減るので、急な出費に備える貯金が薄くなります。第一種の場合は、利子が減らない代わりに期間が短くなることと、手元の現金が減ることを比べて決めます。
まとまったお金の使い道の考え方
一般論として、繰上返還を考える前に、病気や失業のときに数か月暮らせる生活費が手元にあるかを確かめます。奨学金には返還期限猶予や減額返還の制度がありますが、繰り上げて返したお金は戻ってきません。
第二種の利率が他の借入れより低い場合は、利率の高い借入れから先に返したほうが、払う利子の合計は小さくなります。機構の利率は年3%が上限で、固定方式なら返還が終わるまで変わりません。比べるときは、返還シミュレーションで減る利息を出し、ほかの使い道と並べます。
繰上返還ができないのは、返還期限猶予や減額返還が適用されている期間です。3月に貸与が終わる人は、その3月から繰上返還ができ、返還が始まる10月より前に繰り上げることもできます。
よくある質問
- 繰上返還は無駄ですか?
- 第二種なら、繰り上げた回の利子がかからないので、返す総額は確実に減ります。第一種は総額が変わらないため、利子の面での得はなく、期間が短くなるだけです。どちらも、手元に残すお金とのつり合いで判断します。
- 一部繰上で毎月の返還額は減りますか?
- 減りません。機構の一部繰上返還は、割賦金の額はそのままで、繰り上げた回数分だけ返還期間が短くなる仕組みです。毎月の負担を減らしたい場合は、減額返還という別の制度があります。
- 手数料はかかりますか?
- 口座振替(リレー口座)で繰り上げる場合、手数料はかかりません。リレー口座に加入していない人が払込取扱票で払う場合は、払込みの手数料がかかります。
出典と計算の前提
最終確認日 2026年10月18日。金額は、日本学生支援機構の返還の決まりをこのページに書いたとおりに計算した目安で、実際の金額は機構から届く通知が正式です。このページは一般的な情報で、個別の判定は日本学生支援機構の審査と、機構の奨学金相談センターや在学している学校の奨学金窓口で確かめてください。