そろばんノート

相続の手続きと期限

相続財産の評価の基本

土地、建物、株、預金、保険金をいくらとして数えるか。

相続税は、相続開始の日の時価で財産を評価して計算します。時価の求め方は国税庁の財産評価基本通達で財産の種類ごとに決まっていて、土地は路線価方式か倍率方式、建物は固定資産税評価額を使います(国税庁 No.4602)。

評価額を全部足した額から債務や葬式費用を引いたものが、基礎控除と比べる課税価格になります。評価が終われば、その額を相続税シミュレーターに入れて税額を計算できます。

土地:路線価方式

市街地の土地は、道路ごとに付けられた1㎡あたりの価格である路線価に面積をかけて評価します。路線価は国税庁が毎年7月ごろに公表し、千円単位で表示されています。

路線価が300(30万円)の道路に面した150㎡の土地なら、30万円×150㎡で4,500万円が出発点です。奥行きが長すぎる、形がいびつ、角地であるといった事情は、奥行価格補正率などの補正率をかけて調整します。

土地:倍率方式

路線価が付いていない郊外や農村の土地は、固定資産税評価額に、地域ごとに決められた倍率をかけて評価します。固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の課税明細書や、市区町村で取る評価証明書で確認できます。

固定資産税評価額1,200万円の土地で倍率が1.1なら、評価額は1,320万円です。その土地の地域が路線価地域か倍率地域かは、国税庁の路線価図・評価倍率表で調べます。

建物と貸している不動産

自分で使っていた家屋は、固定資産税評価額に1.0をかけた額、つまり固定資産税評価額そのものが評価額です。建築中の家屋は、それまでにかかった費用の70%で評価します。

人に貸している建物は、借家人の権利の分を引いて評価します。借家権割合は全国一律30%なので、全室貸しているアパートなら評価額は70%になります。その敷地も貸家建付地として、借地権割合×借家権割合の分だけ下がります。

自宅の土地については、評価額をさらに減らす小規模宅地等の特例があり、評価の後で減額を当てはめます。

上場株式

上場株式は、相続開始日の終値、その月の毎日の終値の平均、前月の平均、前々月の平均の4つのうち、最も低い額で評価します(国税庁 No.4632)。

例えば相続開始日の終値が2,500円、当月平均が2,450円、前月平均が2,380円、前々月平均が2,420円なら、1株2,380円で評価します。1,000株持っていれば238万円です。証券会社に依頼すると、こうした価格を記載した残高証明書を出してもらえます。

預貯金と生命保険金

預貯金は、相続開始日の残高に、その日までに付いた利息から源泉徴収される税金相当額を引いた額(既経過利子)を加えて評価します。普通預金は利息が少額なので、残高だけで評価する扱いが一般に行われています。定期預金は既経過利子の計算が必要で、金融機関の残高証明書に記載を頼めます。

死亡保険金は受け取った額で評価し、相続人が受け取った分からは非課税枠を引きます。枠の計算は生命保険金と死亡退職金の非課税枠のページで扱っています。

よくある質問

路線価は実際に売れる値段とどれくらい違いますか。
路線価は、公示価格のおおむね8割の水準を目安に定められています。そのため実勢価格より低めになることが多いですが、評価は売買価格ではなく路線価にもとづいて行います。
自動車や家具はどう評価しますか。
家庭用の財産や自動車は、同じ状態のものを買うときの価格である調達価額や、中古の売買実例価額などを参考に評価します。家財道具はまとめて一式でいくらと評価する例が多く見られます。
非上場の会社の株はどう評価しますか。
取引相場のない株式は、会社の規模や株主の立場に応じて、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式などを使い分けて評価します。計算が複雑なので、決算書を3期分程度そろえて評価するのが通常です。

このページは、法律と公的機関の案内にもとづく一般的な説明と計算の目安です。あなたの場合にどうするかの判断は、司法書士・税理士・弁護士、または法務局・税務署・家庭裁判所の相談窓口にご確認ください(司法書士法、税理士法、弁護士法72条)。

出典

最終確認日 2026年10月15日。法律の条文は e-Gov 法令検索、手続きは各機関のページで確かめています。