自己都合退職の退職金は、会社都合退職より少なく定めている会社が多くあります。東京都の令和6年版「中小企業の賃金・退職金事情」のモデル退職金では、大学卒で勤続10年の自己都合退職は1,125,000円、会社都合退職は1,448,000円で、自己都合は会社都合のおよそ77%です(東京都)。どれだけ減るかは、会社の退職金規程の支給率で決まります。
| 勤続年数 | 大学卒 自己都合 | 大学卒 会社都合 | 自己都合÷会社都合 |
|---|---|---|---|
| 3年 | 215,000円 | 304,000円 | 70% |
| 5年 | 432,000円 | 574,000円 | 75% |
| 10年 | 1,125,000円 | 1,448,000円 | 77% |
| 15年 | 2,093,000円 | 2,559,000円 | 81% |
| 20年 | 3,468,000円 | 4,081,000円 | 84% |
| 25年 | 5,073,000円 | 6,156,000円 | 82% |
| 30年 | 7,507,000円 | 7,762,000円 | 96% |
勤続が長いほど差は小さくなる
表のように、勤続年数が短いうちは自己都合退職の割合が低く、勤続が長くなるほど会社都合に近づくのが一般的です。退職金規程では、勤続年数ごとの「自己都合退職の支給率」を、会社都合の何割という形や、別の係数の表で定めていることが多くあります。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査(勤続20年以上かつ45歳以上)では、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の平均は会社都合1,738万円、自己都合1,441万円でした(厚生労働省)。
自己都合か会社都合かの区別
退職金規程でいう自己都合・会社都合は、会社が規程の中で定めるもので、雇用保険の離職理由(自己都合退職か、倒産・解雇などの特定受給資格者か)とは別の判断です。希望退職への応募や、定年前の早期退職の優遇制度では、会社都合と同じか、それより高い支給率が使われることもあります。
退職の話し合いで退職理由をどう扱うかによって退職金の額が変わる場合は、退職届を出す前に、規程上の扱いを書面で確かめておくと、後の行き違いを防げます。
転職で損をしないための確認
転職を考えるときは、今辞めた場合の退職金と、あと1年勤めた場合の退職金を、規程の支給率で比べてみます。勤続年数の区切り(3年、5年、10年など)で支給率が大きく上がる規程も多いため、数か月の違いで額が大きく変わることがあります。
退職金の手取りは、勤続年数に応じた退職所得控除があるため、額面に近い額になることが多いです。計算ツールで額と勤続年数を入れると、税金と手取りを確かめられます。
よくある質問
- 自己都合退職だと退職金はゼロですか?
- 規程の最低勤続年数を満たしていれば、減額されても支給されるのが一般的です。
- 退職理由で税金は変わりますか?
- 退職金の税金は勤続年数と額で決まり、自己都合か会社都合かでは変わりません。
退職金以外の違い
自己都合退職と会社都合退職の違いは、退職金だけではありません。雇用保険の失業給付は、自己都合退職だと原則1か月の給付制限があり、給付日数も会社都合より短くなります。ただし、雇用保険の離職理由は退職金規程とは別に、ハローワークが離職の事情をもとに判断します。
退職金規程で確かめる項目
自己都合退職の扱いを確かめるときは、規程の中の「支給率表(自己都合と会社都合)」「最低勤続年数」「勤続年数の数え方」「懲戒や競業による減額の定め」の4つを見ます。定年退職や会社都合退職と同じ額になる「自己都合退職の例外」(病気による退職など)を定めている規程もあります。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式と調査の数字で出した目安です。実際の退職金の額と支払時期は会社の就業規則(退職金規程)が、税金は勤務先と税務署の計算が決めます。このページは、どなたかが受け取れるかどうかや金額を判断するものではありません。