退職金が何年目からもらえるかは、会社の退職金規程で決まります。東京都の令和6年版「中小企業の賃金・退職金事情」では、退職一時金制度がある企業のうち、自己都合退職で退職金を受け取るのに必要な最低勤続年数を「3年」とする企業が47.3%で最も多く、「1年」が14.2%、「2年」が11.6%でした(東京都)。
自己都合と会社都合の最低勤続年数
会社都合退職では、最低勤続年数を短くしている企業が多く、「1年未満」も8.4%あります。表は退職一時金制度がある395社の割合です。
| 最低勤続年数 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 0.3% | 8.4% |
| 1年 | 14.2% | 19.7% |
| 2年 | 11.6% | 8.1% |
| 3年 | 47.3% | 34.4% |
| 4年 | 3.3% | 2.3% |
| 5年以上 | 11.4% | 8.4% |
| 無回答 | 11.9% | 18.7% |
3年・5年で辞めたときの目安
同じ調査のモデル退職金では、大学卒で勤続3年の自己都合退職は215,000円、勤続5年では432,000円です。高校卒の勤続3年は196,000円、5年は397,000円です。勤続が短いうちは額が小さく、勤続年数が増えるほど伸び方が大きくなるのが一般的な形です。
勤続3年未満で辞めると、規程によっては退職金がまったく出ないこともあります。辞める時期を考えるときは、規程の「勤続〇年以上の者に支給する」という条件と、勤続年数の数え方(入社日から、試用期間を含むかなど)を確かめておくと安心です。
中退共に入っている会社の場合
会社が中小企業退職金共済(中退共)に入っている場合は、掛金を納めた月数で決まります。掛金の納付が11か月以下なら退職金は出ず、12か月から23か月は掛金の合計を下回り、24か月から42か月で掛金と同じ額になります。勤続2年を過ぎると、少なくとも掛金分は戻る形です。
よくある質問
- 1年で辞めても退職金は出ますか?
- 規程で勤続1年以上を条件にしている会社なら出ますが、3年以上を条件にしている会社が多い調査結果です。自分の会社の規程を確かめてください。
- 試用期間は勤続年数に入りますか?
- 退職金規程の定め方によります。入社日から数える会社が多いですが、規程で確かめるのが確実です。
会社都合で辞めるとき
倒産や解雇、退職勧奨など会社都合で辞める場合は、最低勤続年数を短くしている会社や、勤続年数にかかわらず支給する会社もあります。会社都合かどうかは規程の定義によるため、退職の話し合いの際に規程上どちらに当たるかを確かめます。
退職金規程の読み方
退職金規程には、一般的に「勤続〇年以上の従業員が退職したときに支給する」という支給の条件と、勤続年数ごとの支給率や支給額の表があります。自己都合退職の場合は、会社都合の支給率に一定の割合をかける形や、別の表で減額する形が多く見られます。
勤続年数を数えるときに、休職の期間を除く、試用期間を含めない、といった決まりがある規程もあります。最低勤続年数の境目に近い時期に辞める場合は、こうした数え方の細かな点まで確かめておくと安心です。
勤続年数と税金
勤続年数が短くても、退職所得控除は最低80万円あります。勤続3年で辞めると控除は120万円なので、モデル退職金の額であれば税金はかからないか、かかってもわずかです。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。ここに出る金額は、公表されている計算式と調査の数字で出した目安です。実際の退職金の額と支払時期は会社の就業規則(退職金規程)が、税金は勤務先と税務署の計算が決めます。このページは、どなたかが受け取れるかどうかや金額を判断するものではありません。