そろばんノート

不動産の費用と税金

不動産売却の税金(譲渡所得のしくみ)

不動産を売ったときにかかる譲渡所得の税金のしくみをまとめました。

この内容は2026年10月31日時点のものです。

最終確認日 2026年10月31日

不動産を売って利益が出たときは、給与などとは分けて計算する譲渡所得の税金がかかります。譲渡所得は「譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除」で、売った年の1月1日に所有期間が5年を超えていれば長期、超えていなければ短期として税率が変わります。

たとえば2010年4月1日に3,000万円(うち建物1,500万円、木造)で買った家を5,000万円で売ると、取得費は建物の減価償却費相当額を引いた22,885,500円、譲渡所得は25,388,500円で、所得税と特別所得税が3,888,100円、住民税が1,269,300円です。

譲渡所得の税金の正確な額と特例の使い方は、税務署か税理士に確かめてください。

長期と短期の税率

所有期間は、売った年の1月1日の時点で数えます。2026年に売る場合、2020年12月31日以前に取得していれば長期、2021年1月1日以後なら短期です。所得税には特別所得税がかかり、復興特別所得税(所得税額の2.1%)です。

区分所得税特別所得税を含む住民税合計
長期(所有期間5年超)15%15.315%5%20.315%
短期(所有期間5年以下)30%30.63%9%39.63%
マイホームの軽減(10年超、6,000万円以下の部分)10%10.21%4%14.21%

取得費と減価償却

取得費は、買ったときの代金に、仲介手数料や登録免許税、不動産取得税などの購入にかかった費用を足した額です。建物は、持っていた期間の価値の減少分(減価償却費相当額)を代金から引きます。取得費がわからないとき、または実際の取得費が譲渡価額の5%より少ないときは、譲渡価額の5%を取得費にできるます。

住まいに使っていた建物は、法定耐用年数の1.5倍の年数の償却率で計算し、経過年数の6か月以上の端数は1年に切り上げます。相続や贈与で取得した不動産は、亡くなった人や贈った人の取得費と取得した日を引き継ぎます。

建物の構造法定耐用年数(住宅)非業務用の年数償却率
木造22年33年0.031
木骨モルタル造20年30年0.034
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年70年0.015
軽量鉄骨造(骨格材の肉厚3mm以下)19年28年0.036
軽量鉄骨造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)27年40年0.025
鉄骨造(骨格材の肉厚4mm超)(注)34年51年0.02
れんが造・石造・ブロック造(注)38年57年0.018

(注)国税庁の表にない構造で、所得税法施行令第85条と耐用年数省令から求めた値です。

譲渡費用になるもの・ならないもの

譲渡費用は、売るために直接かかった費用です。国税庁が譲渡費用として挙げているのは次のものです。

修繕費や固定資産税のように、持っている間の維持や管理にかかった費用は、譲渡費用になりません。売った代金を取り立てるための費用も同じです。

確定申告がいる人

譲渡所得が出たら、売った年の翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をします。会社員で年末調整を受けていても、不動産の譲渡所得は年末調整では精算されません。

3,000万円特別控除などの特例を使うときは、税額が0円になる場合でも申告が必要です。損失が出たときは申告の義務はありませんが、マイホームの買換えで損失をほかの所得と差し引く特例を使う場合は申告します。

住民税と納める時期

所得税と特別所得税は確定申告の期限までに納め、住民税は申告の内容をもとに、翌年度の分として市区町村から通知されます。住民税の申告は、確定申告をすれば別に出す必要はありません。

税額の目安は、譲渡所得税の計算で売った価格と取得費から出せます。

よくある質問

家を売って損をしたときも税金はかかりますか?
譲渡所得がマイナスなら、譲渡所得の税金はかかりません。ただし、損失を給与などほかの所得と差し引けるのは、マイホームの買換えなど一定の特例に当てはまる場合だけです。
売った代金に固定資産税の精算金は含まれますか?
含まれます。買主から受け取った固定資産税の精算金は、譲渡価額の一部として計算します。

出典と前提

最終確認日 2026年10月31日。不動産の費用と税金の金額は、公表されている決まりで計算した目安です。実際の額は、物件の評価額や契約の内容、自治体の運用で変わります。