副業は会社に知られるか(住民税のしくみ)
住民税と社会保険の手続きから、副業が勤務先に伝わるしくみをまとめました。
この内容は2026年11月1日時点のものです。
最終確認日 2026年11月1日
会社員の住民税は、市区町村が決めた1年分の税額が勤務先に通知され、勤務先が毎月の給与から引いて納めます。副業の所得があると、その分も税額に入るため、勤務先が税額の変化から副業に気づくことがあります。
給与以外の副業なら、副業の分の住民税を自分で納める方法を選べる場合があります。どの方法でも知られないと言い切ることはできず、まず勤務先の就業規則で副業の決まりを確かめることが先です。
住民税の通知が勤務先に届くしくみ
市区町村は、会社員の1年分の住民税の額を、毎年5月31日までに勤務先へ通知し、勤務先は6月から翌年5月までの給与から毎月引いて納めます(地方税法 第321条の4)。副業の所得を含めて申告すると、その所得の分も通知される住民税の額に入ります。
勤務先に届く「特別徴収義務者用」の通知書には、給与から引く税額が書かれ、所得や控除の内訳は書かれないと、中野区や東京都中央区は説明しています。ただし西宮市が説明するとおり、年税額と毎月の額は勤務先あてに通知されるので、給与の額に比べて住民税が多ければ、勤務先が気づくことはあります。
副業の分を自分で納められる副業
給与以外の副業(雑所得や事業所得など)の分の住民税は、確定申告書の第二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で、給与から引く特別徴収と、自分で納付する普通徴収のどちらにするかを選べます(地方税法 第321条の3)。「自分で納付」を選ぶと、副業の分の税額は市区町村から届く納付書で納めることになります。
副業の所得の合計がマイナスのときなどは、自分で納付を選んでも給与からの特別徴収になると水戸市は案内しています。65歳以上の人の公的年金の所得の分は、年金から引かれます。
自分で納める方法を選べない副業
副業でも雇われて給与を受けている場合、その住民税は本業の勤務先の給与からまとめて引かれます。地方税法で普通徴収を希望できるのは給与所得以外の所得の分に限られ、大阪市や西宮市は、副業の給与の分だけを自分で納めることはできないと答えています。
中野区と鹿児島市は令和8年度から、東京都中央区は令和9年度から、副業の給与を含めた給与の分の住民税をすべて主たる勤務先から特別徴収する扱いです。以前は副業の給与の分を普通徴収にできた市区町村もあり、年度によって扱いが変わっているので、住んでいる市区町村の案内で確かめます。
社会保険から知られるとき
副業先でも雇われて、そこで健康保険と厚生年金に入る条件を満たすと、2つの勤務先の給与を合わせて保険料を決める届出をします。この場合は、手続きの上で両方の勤務先が、もう一方で働いていることを知ることになります。
雇用保険は1つの勤務先でだけ入るのが原則です。社会保険のくわしい扱いは副業・ダブルワークと社会保険にまとめています。
就業規則を先に確かめる
副業ができるか、届出や許可がいるかは、税金の決まりではなく勤務先の就業規則と雇用契約で決まります。住民税の納め方を選んでも勤務先に知られないことが約束されるわけではないので、副業を始める前に就業規則を読み、必要な手続きを済ませておくことが先です。
副業の届出や許可の手続きがある勤務先では、その手続きをしたうえで副業をすると、住民税の額が変わっても説明に困りません。
よくある質問
- 副業の住民税だけ自分で払うには、どこで選びますか?
- 確定申告をする人は、申告書の第二表で選びます。書き方は副業の確定申告にあります。確定申告をしない人が住民税の申告で選べるかは、住んでいる市区町村の申告書と案内で確かめてください。
- 確定申告をしなければ、勤務先に知られませんか?
- 確定申告がいらない人も住民税の申告は必要で、申告しないと正しい税額になりません。申告をしないことで知られにくくなるわけではありません。
- 住民税の通知はいつ勤務先に届きますか?
- 市区町村から勤務先への通知は毎年5月31日までで、6月の給与から新しい年度の住民税が引かれます。
出典と前提
最終確認日 2026年11月1日。副業の税金と社会保険の説明は一般的な目安です。実際の税額と申告の要否は、所得の内容と控除、市区町村や勤務先の扱いで変わります。
- e-Gov法令検索「地方税法(第317条の2〜第317条の6 申告・給与支払報告書、第321条の3〜第321条の5 特別徴収)」
- 中野区 給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について
- 中央区(東京都)「給与所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について」
- 西宮市「副業分を納付書(普通徴収)で納めたい場合」
- 大阪市「市民税・府民税・森林環境税(全般)に関するQ&A」
- 鹿児島市「給与を2か所以上から受けている場合の個人住民税の徴収方法」
- 国税庁「申告書第一表・第二表【令和7年分以降用】(PDF)」
- 水戸市 副業分の所得に係る住民税の納付方法について
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)(PDF)」