住民税の普通徴収と特別徴収
住民税は、給与から毎月引かれる特別徴収か、納付書で年4回に分けて納める普通徴収で納めます。65歳以上の人は年金から引かれることもあります。それぞれの時期と切り替わるときを説明します。
この内容は2026年10月31日時点のもので、令和8年度分(2025年の所得)の住民税を説明しています。
最終確認日 2026年10月31日
住民税の納め方には、勤め先が給与から引いて納める特別徴収と、自分で納付書や口座振替で納める普通徴収があります。年金を受け取っている65歳以上の人は、住民税が年金から差し引かれます。どれになるかで、納める月と1回の金額が変わります。
たとえば年税額243,000円の会社員なら、特別徴収では6月に20,800円、7月から毎月20,200円です。同じ額を普通徴収で納めると、1回目63,000円、2回目から60,000円ずつの4回になります。
| 特別徴収(給与) | 普通徴収(納付書) | 年金からの特別徴収 | |
|---|---|---|---|
| 納める人 | 勤め先が給与から引く会社員・アルバイト | 自営業、退職した人、勤め先が特別徴収をしない人 | 65歳以上で老齢年金などを年18万円以上受け取る人 |
| 回数と月 | 12回(6月から翌年5月) | 標準は4回(6月・8月・10月・翌年1月) | 仮徴収 4月・6月・8月、本徴収 10月・12月・2月 |
| 端数 | 100円未満を6月分に入れる | 1,000円未満を1回目に入れる | 市区町村の計算による |
| 通知 | 5月から6月に勤め先を通して決定通知書 | 6月に納税通知書と納付書 | 6月ごろ(年金の額の通知とは別) |
特別徴収(給与からの天引き)
所得税を源泉徴収している会社は、原則として社員の住民税も特別徴収します。会社は1月31日までに前の年の給与を給与支払報告書で市区町村に届け(地方税法 第317条の6)、市区町村は5月31日までに税額を会社に通知します。会社は6月から翌年5月まで、毎月の給与から12分の1ずつ引いて、翌月10日までに市区町村に納めます(第321条の5)。
毎月の額は100円未満を切り捨て、端数は最初の6月分に入れます。税額が均等割の額以下のときは、6月に全額が引かれます。給与から引かれる額は給与明細の「住民税」や「市県民税」の欄に載り、年間の額は決定通知書で確かめられます。
普通徴収(納付書で納める)
普通徴収の人には、市区町村から6月に納税通知書と納付書が届きます。納期は6月、8月、10月、翌年1月が標準で、市区町村は条例で納期を定め、特別な事情があれば違う月にすることもできます(地方税法 第320条)。税額が均等割の額以下の人は、6月の1回だけです。1,000円未満の端数は1回目の納付に入ります。
事業所得350万円の自営業の人(国民健康保険料と国民年金で社会保険料50万円、ほかの控除なし)なら、年税額は259,500円で、6月67,500円、8月・10月・翌年1月に64,000円ずつです。多くの市区町村では、1年分をまとめて1回目の納期に納めることもできます。
年金からの特別徴収
4月1日に65歳以上で、老齢基礎年金などの老齢年金を年18万円以上受け取っている人は、住民税が年金から引かれます(地方税法 第321条の7の2、例: 岡山市)。年金の支払いは偶数月の年6回で、10月・12月・2月の本徴収と、翌年度の4月・6月・8月の仮徴収に分かれます。
仮徴収の額は、前の年度の年税額の半分を3回に分けた額です(平成28年10月の見直し、例: 柏市)。初めて年金から引かれる年は、年税額の4分の1ずつを6月と8月に普通徴収で納め、残りの半分を10月・12月・2月に年金から引かれます(例: 板橋区)。給与と年金の両方がある人は、年金の分の住民税だけが年金から引かれます。
切り替わるとき
会社を辞めたときは、辞めた時期によって残りの住民税の納め方が決まります。1月から4月に辞めると残りを最後の給与や退職金から一括で引くのが原則で、6月から12月なら一括か普通徴収を選べます(第321条の5第2項)。詳しい流れと金額の例は退職後の住民税にあります。
転職して次の会社がすぐ決まっている場合は、前の会社が作る「給与所得者異動届出書」を次の会社に渡すと、特別徴収を続けられます。普通徴収に切り替わった後に就職した場合も、次の会社に申し出ると、残りの納期の分を給与からの特別徴収に切り替えてもらえることがあります。
副業の所得や年金以外の所得の住民税は、確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で、給与からの特別徴収にするか自分で納付するかを選べます。自分で納付を選ぶと、副業の分だけが普通徴収になり、会社の給与から引かれる額には入りません。
年度と1月1日
どの方法でも、納める住民税は前の年の所得にかかる1年分で、年度は6月から翌年5月までです。納付先は1月1日に住んでいた市区町村で、年度の途中で引っ越しても変わりません。新しく働き始めた人の天引きは2年目の6月から始まるため、1年目の給与明細には住民税の欄がないか0円になっています。
いつから引かれるかの例は住民税はいつから引かれるか、毎月の額の確かめ方は住民税決定通知書の見方にまとめています。
よくある質問
- 普通徴収と特別徴収はどちらが得ですか?
- 1年分の税額は同じです。違うのは納める回数と月で、特別徴収は12回に分かれるため1回の額が小さく、普通徴収は4回なので1回の額が大きくなります。
- 会社が特別徴収をしてくれないことはありますか?
- 所得税を源泉徴収している会社は、原則として特別徴収をする義務があります。従業員が少ないなどの理由で普通徴収を認めている市区町村もあるため、給与明細に住民税の欄がなく納付書も届かないときは、勤め先と市区町村に確かめます。
出典と前提
最終確認日 2026年10月31日。このページは、地方税法と総務省、市区町村の公表内容にもとづく一般的な説明と計算の道具です。住民税は住んでいる市区町村が決める税金で、自分の税額についての問い合わせ先は税務署ではなく、市区町村の住民税の担当課(税務課など)です。金額は標準税率で計算した目安で、超過課税のある自治体や、ここで扱っていない所得・控除がある人は実際の税額と違います。