そろばんノート

住民税のしくみと計算

住民税決定通知書の見方

住民税の決定通知書には、所得、控除、所得割と均等割、毎月の天引き額が、計算の順に並んでいます。各欄の意味と、ふるさと納税が反映されているかの確かめ方を説明します。

この内容は2026年10月31日時点のもので、令和8年度分(2025年の所得)の住民税を説明しています。

最終確認日 2026年10月31日

住民税の決定通知書は、市区町村がその年度の住民税の額を決めたことを知らせる書類です。会社員が勤め先から受け取るのは「特別徴収税額の決定通知書(納税義務者用)」で、5月から6月に給与明細と一緒に渡されるのが一般的です。自営業など自分で納める人には、6月に「納税通知書」が届きます。

通知書には、前の年の所得、差し引かれた控除、所得割と均等割、毎月の天引き額が並んでいます。上から順に読めば、自分の住民税がどう計算されたかを確かめられます。

いつ、どうやって届くか

市区町村は、会社に特別徴収税額を5月31日までに通知し、社員の分の通知書も会社を通して渡します(地方税法 第321条の4)。普通徴収の人には、市区町村が納税通知書を直接送り、1回目の納期限の10日前までに届くことになっています(第319条の2)。たとえば横浜市港北区は、令和8年度の納税通知書を6月4日に発送しました(例: 横浜市港北区)。

令和6年度分からは、会社が電子で受け取る申出をしていると、社員用の通知書も電子データで会社に届き、会社から社員にメールや社内のシステムで渡されることがあります(総務省 地方税の電子化、例: 新宿区)。紙が届かないときは、まず勤め先の給与の担当に聞きます。

欄ごとの見方

通知書の様式は地方税法施行規則の第3号様式で全国共通です(地方税法施行規則)。下の表は、年収500万円の独身の会社員がふるさと納税を5万円(ワンストップ特例)した場合の令和8年度分を、この様式の順に並べたものです。市区町村によってレイアウトは多少違いますが、①から⑨の番号の意味は同じです。

欄書かれていること例の金額
給与収入・給与所得源泉徴収票の支払金額と、給与所得控除(と所得金額調整控除)を引いた額5,000,000円・3,560,000円
総所得金額 ①給与所得とその他の所得の合計3,560,000円
所得控除 ②社会保険料、生命保険料、基礎控除などの住民税の額と合計1,153,132円
課税標準 ③① − ②(1,000円未満切り捨て)2,406,000円
税額控除前所得割額 ④③ × 市町村民税6%・道府県民税4%市 144,360円・県 96,240円
税額控除額 ⑤調整控除、住宅ローン控除、寄附金税額控除などの合計市 30,299円・県 20,200円
所得割額 ⑥④ − ⑤(100円未満切り捨て)市 114,000円・県 76,000円
均等割額 ⑦・森林環境税額 ⑧標準は市3,000円・県1,000円と森林環境税1,000円4,000円・1,000円
特別徴収税額 ⑨⑥ + ⑦ + ⑧195,000円
納付額(6月分〜5月分)6月分に100円未満の端数が入り、7月分から5月分は同じ額6月 16,800円、7月から 16,200円

所得と控除の欄で確かめること

総所得金額の欄は、給与だけなら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」と同じ額になります。違っている場合は、副業や年金の所得が足されているか、所得金額調整控除が引かれています。

所得控除の欄には、社会保険料、生命保険料、配偶者、扶養、基礎控除などが1つずつ書かれています。住民税の控除額は所得税より少ないため、源泉徴収票の金額とは一致しません。たとえば生命保険料控除は最大7万円、基礎控除は43万円です。扶養している家族の控除が入っていない、医療費控除が入っていない、といった漏れがあれば、確定申告か住民税の申告で直せます。

税額控除の欄とふるさと納税

税額控除額⑤は、調整控除、配当控除、住宅ローン控除、寄附金税額控除を足した額です。ふるさと納税をした人は、この欄が大きくなっているかで反映を確かめます。市区町村によっては、摘要欄に寄附金税額控除の額を書いています(例: 中央区)。

ワンストップ特例を使った場合、住民税から引かれる額は、上限の範囲内なら「寄附額 − 2,000円」とほぼ同じです。上の例では、寄附5万円に対して寄附金税額控除が47,999円(市28,799円・県19,200円)で、調整控除の2,500円と合わせて⑤になります。寄附がない場合の年税額243,000円と比べると、48,000円少なくなっています。

確定申告で控除を受けた場合は、所得税の還付の分だけ住民税からの控除が少なくなります。同じ年収と寄附額なら、住民税の年税額は200,000円で、残りは所得税の還付として戻っています。寄附額から2,000円を引いた額が、住民税と所得税の合計で戻っているかを確かめます。控除の上限はふるさと納税の控除上限で計算できます。

月割額の見方

納付額の欄には、6月分から翌年5月分までの12か月の金額が並んでいます。年税額を12で割って100円未満を切り捨てた額が7月分以降の毎月の額で、割り切れない端数はすべて6月分に入ります(地方税法 第321条の5、第20条の4の2)。このため6月分だけが少し大きくなります。

所得割がかからず均等割だけの人は、6月分に全額が入り、7月以降は0円です。年度の途中で税額が変わったときは「変更通知書」が届き、変更前の税額と増減の額が書かれます。

おかしいと思ったとき

金額に心当たりがないときは、まず所得の欄と所得控除の欄を、源泉徴収票や確定申告書の控えと見比べます。計算の順番は住民税の計算方法、自分の数字を入れた計算は住民税の計算シミュレーションで確かめられます。

通知書の内容に納得できない場合は、通知を受け取った日の翌日から3か月以内に、市区町村長に審査請求ができることが通知書に書かれています。その前に、住民税の担当課に計算の内訳を問い合わせると、多くの場合は申告の漏れや入力の違いがわかります。

自分の住民税の額についての質問は、住民税を決めている市区町村の住民税の担当課(税務課など)が窓口です。住民税は税務署ではなく市区町村が計算します。

よくある質問

決定通知書をなくしました。
勤め先に再発行を頼むか、市区町村で課税証明書を取ると、同じ所得と税額が確かめられます。電子で受け取った場合は、勤め先の配布の方法を確かめます。
転職した人の通知書はどこから届きますか?
5月の時点で勤めている会社に届きます。年度の途中で転職した場合は、前の会社から異動の届けが出され、次の会社で引き続き引かれると、変更の通知が次の会社を通して届きます。

出典と前提

最終確認日 2026年10月31日。このページは、地方税法と総務省、市区町村の公表内容にもとづく一般的な説明と計算の道具です。住民税は住んでいる市区町村が決める税金で、自分の税額についての問い合わせ先は税務署ではなく、市区町村の住民税の担当課(税務課など)です。金額は標準税率で計算した目安で、超過課税のある自治体や、ここで扱っていない所得・控除がある人は実際の税額と違います。