介護保険料の免除と減免
介護保険料には、国民年金の保険料のような申請による全額免除の仕組みはありません。払うのが難しいときは、住んでいる市区町村の条例による減免や徴収の猶予を、早めに介護保険の窓口に相談します。
この料率は2026年10月18日時点のものです。
最終確認日 2026年10月18日
法律にあるのは減免と徴収の猶予
介護保険法142条は、市区町村が条例で定めるところにより、特別の理由がある人の保険料を減らしたり免除したり、徴収を猶予したりできると定めています。国が一律に決める免除はなく、どんなときに減るかは住んでいる市区町村の条例で決まります。
そのため、同じ事情でも市区町村によって結果が違い、申請をしなければ減りません。災害の減免のように100%減る場合もありますが、国民年金の保険料免除のように、所得の基準で申請すれば全額が免除になる全国共通の仕組みとは別のものです。
生活保護と第1段階
国の標準では、生活保護を受けている65歳以上の人は第1段階で、割合は0.285です。全国平均の基準額なら年21,290円になります。
生活保護を受けていなくても、本来の段階の保険料を納めると生活保護が必要になる人は、保護が要らなくなる段階まで下げて保険料をかけます(境界層措置、介護保険法施行令38条)。どの段階まで下がるかは、収入と生活保護の基準で一人ずつ判断されます。
市区町村の減免の例(札幌市)
札幌市は、65歳以上の介護保険料に次の3つの減免を設けています。条件と減る額は市区町村ごとに違うので、例として読んでください。
| 種類 | 主な条件 | 減る額 |
|---|---|---|
| 低所得者減免 | 世帯全員の前年の収入が単身120万円・2人160万円・3人210万円・4人260万円以下(5人目から1人50万円を加算)、預貯金の合計350万円以下、別世帯の課税者に扶養されていない、居住用・事業用以外の不動産がない、の全部を満たす | 第1段階相当の額まで |
| 災害減免 | 住んでいる家屋などが災害にあった(罹災証明書など) | 前年の所得に応じて60%〜100% |
| 所得激減減免 | 失業などで、生計を維持する人の所得と世帯の所得の合計がそれぞれ前年の2分の1以下 | 下がった所得で計算し直した額との差額 |
申請の流れ
- 納入通知書や決定通知書を手元に置き、住んでいる市区町村の介護保険の窓口に、減免や徴収の猶予にあたるかを相談します。
- 窓口の案内に沿って申請書を出し、世帯の収入や預貯金がわかる書類、罹災証明書など、求められた書類をそろえます。
- 審査で減免が決まると、減ったあとの保険料が通知されます。年金から天引きされている人は、保険料が下がると納付書で納める普通徴収に切り替わることがあります(文京区の例)。
- 減免にあたらないときも、条例に定めのある特別な事情なら、徴収の猶予を受けられる場合があります。
40〜64歳の人の場合
会社員の介護保険料は、健康保険料と一緒に会社が納めるもので、市区町村の減免はありません。産前産後休業と育児休業の間は、会社が申し出ると健康保険料と一緒に免除されます(健康保険法159条・159条の3)。
国民健康保険の40〜64歳は、介護分も国保料(税)の一部なので、国保の減免や軽減の対象になります。会社の都合などで離職した人は、前年の給与所得を100分の30とみなして国保料を計算する軽減があり、介護分にも及びます。
令和8年度は、令和7年度と令和8年度の両方で住民税が非課税の人について、給与所得控除の特例の影響が出ないよう特例減免を自動で行う市もあります(仙台市)。
よくある質問
- 払えない月があると、すぐに給付が制限されますか?
- 給付の制限は、納期限から1年以上滞納したときの償還払いから始まります。納めるのが遅れそうなときは、滞納が長くなる前に、窓口で徴収の猶予や減免を相談します。
- 減免を受けると、介護サービスの自己負担も下がりますか?
- 保険料の減免と、サービスを使うときの自己負担は別の制度です。自己負担の軽減は、高額介護サービス費などの別の仕組みで判定します。
- 前の年度の保険料もさかのぼって減免されますか?
- どの納期の分から減免の対象になるか、さかのぼれるかは、市区町村の条例と要綱で決まります。理由が生じたら早めに相談します。
出典と計算の前提
最終確認日 2026年10月18日。金額は、このページに書いた決まりで計算した目安です。実際の保険料は、会社員は給与明細と会社の担当部署、65歳以上は市区町村から届く介護保険料の決定通知書が正式です。このページは一般的な情報で、個別の保険料や手続きは、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)と、お住まいの市区町村の介護保険の窓口で確かめてください。