そろばんノート

高額療養費のしくみ

高額療養費の計算方法

高額療養費は、暦の月ごと・医療機関ごとに、総医療費(10割)を使った式で限度額を出し、窓口で払った額との差を支給します。家族の分は1件21,000円以上(70歳未満)を合算でき、月をまたぐと限度額が2回かかります。

この金額は2026年10月18日時点のものです。

最終確認日 2026年10月18日

総医療費は10割、1%の式

区分ア〜ウの限度額は「基準額+(総医療費−基準となる総医療費)×1%」で、総医療費は窓口で払った額ではなく、保険診療の10割の額です。窓口で3割の人は、払った額を0.3で割ると総医療費の目安になります。

1%の部分に1円未満の端数が出たときは、50銭未満を切り捨て、50銭以上を切り上げます(健康保険法施行令42条)。総医療費が基準となる額に届かないときは、1%の部分は0円です。下の表は区分ウ(令和8年8月以降)で総医療費を変えたときの計算です。

総医療費窓口(3割)自己負担限度額支給額
50万円150,000円85,800円 + (500,000円 − 286,000円) × 1% = 87,940円62,060円
100万円300,000円85,800円 + (1,000,000円 − 286,000円) × 1% = 92,940円207,060円
200万円600,000円85,800円 + (2,000,000円 − 286,000円) × 1% = 102,940円497,060円
300万円900,000円85,800円 + (3,000,000円 − 286,000円) × 1% = 112,940円787,060円

21,000円の世帯合算

同じ月に家族それぞれが医療機関にかかった場合や、1人が複数の医療機関にかかった場合は、自己負担を合計して限度額と比べられます。ただし70歳未満の人は、1つの医療機関(入院・外来、医科・歯科の区分ごと)で21,000円以上払ったものだけが合計の対象です。

たとえば区分ウの世帯で、本人の入院30,000円、本人の外来20,000円、配偶者の外来25,000円の月は、21,000円に届かない20,000円を除いた55,000円を合算します。この額は限度額85,800円より少ないので、この月の支給はありません。70歳以上の人は21,000円の条件がなく、金額にかかわらず合算します。

月またぎで損になる理由

高額療養費は暦の月ごとに計算するので、同じ入院でも月をまたぐと限度額が2回かかります。下の表は区分ウの人が総医療費100万円の入院をした場合で、4月と5月に分かれると自己負担の合計が大きくなります。

月をまたいだ場合の自己負担は175,880円、1か月に収まった場合は92,940円で、差は82,940円です。予定の手術や入院は、治療の都合が許す範囲で日程を医師と相談する人もいます。

期間総医療費窓口(3割)自己負担限度額支給額
4月20日〜30日(4月分)60万円180,000円88,940円91,060円
5月1日〜10日(5月分)40万円120,000円86,940円33,060円
(同じ入院が1か月に収まった場合)100万円300,000円92,940円207,060円

多数回該当と年間上限の数え方

療養を受けた月以前の12か月に、高額療養費の支給を受けた月が3回以上あると、4回目から多数回該当の低い限度額になります。限度額適用認定証やマイナ保険証で窓口の支払いが限度額までになった月も1回に数え、該当月が続いている必要はありません。

70〜74歳の人が外来特例だけで支給を受けた月は数えず、保険者が変わったときや被保険者から被扶養者になったときは回数を引き継ぎません。年間上限は8月から翌年7月の自己負担の合計にかかり、月の高額療養費として戻った分は合計に入れません。

よくある質問

総医療費がわからないときは?
領収書の保険点数の合計に10を掛けると、総医療費(円)になります。点数がわからないときは、窓口で払った額を負担割合で割ると目安になります。
月の途中で75歳になったときは?
75歳の誕生月は、それまでの健康保険と後期高齢者医療の両方にかかることがあるため、その月の限度額はそれぞれ半分になる特例があります。合算の21,000円の条件も、この特例の対象の療養は10,500円になります(健康保険法施行令41条)。
同じ病院の入院と外来は合わせられますか?
同じ病院でも入院と外来は別の医療機関として扱い、それぞれで計算します。70歳未満の人は、入院と外来がそれぞれ21,000円以上なら世帯合算で合わせられます。

出典と計算の前提

最終確認日 2026年10月18日。金額は、このページに書いた決まりで計算した目安です。合算できるか、いくら支給されるかは加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療広域連合など)が決めます。このページは一般的な情報で、個別の支給や医療費控除の判断は、加入している保険者と税務署で確かめてください。