休職中に転職活動をすること自体を禁じる法律はありません。ただし、会社には籍があるので、就業規則の兼業や秘密保持などの定めは休職中もかかります。また、傷病手当金は仕事に就くことができない人への給付なので、面接に出かけたり、次の仕事を始めたりすると、その状態にあるかどうかが問われることがあります。転職活動と傷病手当金の関係について、公的機関がまとめた案内は見当たりません。主治医と、加入している健康保険に確かめるのが確実です。
就業規則で確かめること
就業規則には、兼業を許可制にする定めや、在籍中の競業を制限する定めが置かれていることがあります。休職中に次の会社で働き始めると、二つの会社に同時に勤める形になるので、在籍している会社の定めに当たらないかを確かめます。休職から退職へ進む場合の手順は休職期間にあります。
転職先に分かること
前の会社の源泉徴収票は、退職の日から1か月以内に交付されます(所得税法第226条)。年の途中で転職した人は、新しい会社がその源泉徴収票で前の会社の給与を確かめて年末調整をする(国税庁 No.2674)ので、その年に前の会社から支払われた給与の額は、新しい会社に伝わります。
雇用保険の被保険者証には、被保険者番号、氏名、生年月日が書かれていて、転職しても同じ番号を引き継ぎます。会社名や資格を取った日が書かれているのは、一緒に渡される確認通知書のほうです。これらの書類に休職の記録が書かれる欄はありません。前の会社が出す退職証明書にも、本人が求めた事項しか書かれません(労働基準法第22条第3項)。
不利になるか
休職したことを理由に採用を決めてはいけないという法律の定めも、休職した人の採用への影響を示した公的な統計もありません。応募先がどう判断するかは会社ごとです。休職の経験そのものを応募書類に書く義務を定めた法律もありません。
面接で前の会社での勤務の様子や退職の理由を聞かれて事実と違う答えをすると、あとで問題になることがあります。聞かれたことには事実を答え、今は働ける状態であることを、主治医の意見などをもとに伝えるのが、無理のない進め方です。
履歴書の書き方
厚生労働省の履歴書様式例には、休職の期間を書く欄はありません。厚生労働省は、この様式例について「法的拘束力はない。そのため、当該様式の使用は個別の企業が判断可能。」としていて、休職を書くことを求める法律もありません。
職歴の欄には、入社と退職の年月を書くのが一般的で、休職の期間は職歴の行には表れません。応募先が独自の様式で休職の有無を尋ねている場合は、その問いに沿って事実を書きます。
よくある質問
- 源泉徴収票を出すと内定が取り消されますか?
- 源泉徴収票は年末調整のために出す書類で、出したこと自体で内定が取り消される決まりはありません。
- 休職中に内定が出たら?
- 今の会社を退職してから入社することになります。退職の申し出から退職日までの日数を見込んで、入社日を相談します。
出典と前提
最終確認日 2026年10月25日。休職の制度は法律ではなく、会社ごとの就業規則で決まります。このページは法律と公的機関の案内による一般的な説明で、個別の事案を判断するものではありません。自分の体調のことは主治医や産業医に相談でき、厚生労働省の「こころの耳」は無料の相談窓口を案内しています。会社との行き違いは、労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。