そろばんノート

所得税

特定親族特別控除とは(令和8年分)

19〜22歳の子の所得が扶養の線を超えたときに、親が受けられる控除をまとめました。

この内容は2026年11月1日時点のものです。

最終確認日 2026年11月1日

特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満の子などの合計所得が62万円を超えても、123万円以下なら親が受けられる所得控除です。子の給与が159万円以下なら所得税の控除は63万円のままで、197万円に近づくにつれて段階的に少なくなります(令和8年分)。

子の所得が62万円以下なら、これまでどおり特定扶養控除です。2つの控除は所得の線で切り替わるので、子が少し多く働いても親の控除が一度に0円になることはありません。

対象になる人

控除の対象は、その年の12月31日に19歳以上23歳未満の親族で、令和8年分なら平成16年(2004年)1月2日から平成20年(2008年)1月1日までに生まれた人です。親と生計を一にしていて、合計所得が62万円超123万円以下であることが条件です(国税庁 No.1177)。

国税庁の説明に挙がっている要件は特定親族の側のもので、控除を受ける親の所得に上限は書かれていません。

配偶者、青色事業専従者として給与を受けている人、白色事業専従者は対象になりません。扶養控除の対象になる親族も、特定親族特別控除ではなく扶養控除を受けます。

所得ごとの控除額(所得税と住民税)

子の合計所得の段ごとの控除額です。「給与だけなら」の列は、子の収入がアルバイトなどの給与だけのときの給与収入の上限で、令和8年分の給与所得控除から計算しています。住民税の額は所得税と別に決まっていて(地方税法 第314条の2)、95万円までの段は45万円です(名古屋市、葛飾区の説明)。

子の合計所得金額給与だけなら控除の種類所得税(令和8年分)住民税(令和9年度)
62万円以下136万円以下特定扶養控除63万円45万円
62万円超85万円以下159万円以下特定親族特別控除63万円45万円
85万円超90万円以下164万円以下特定親族特別控除61万円45万円
90万円超95万円以下169万円以下特定親族特別控除51万円45万円
95万円超100万円以下174万円以下特定親族特別控除41万円41万円
100万円超105万円以下179万円以下特定親族特別控除31万円31万円
105万円超110万円以下184万円以下特定親族特別控除21万円21万円
110万円超115万円以下189万円以下特定親族特別控除11万円11万円
115万円超120万円以下194万円以下特定親族特別控除6万円6万円
120万円超123万円以下197万円以下特定親族特別控除3万円3万円
123万円超197万円超なし0円0円

特定扶養控除との違い

特定扶養控除は扶養控除の一つで、19歳以上23歳未満の扶養親族の合計所得が62万円以下(給与136万円以下)のときに63万円を引けます(国税庁 No.1180)。特定親族特別控除は、その上の所得の人のために令和7年分から加わった控除です。

申告書も違います。特定扶養控除は扶養控除等(異動)申告書に、特定親族特別控除は基礎控除申告書と一緒になった「特定親族特別控除申告書」に書きます。子の合計所得が100万円以下(給与なら174万円以下)のときは、扶養控除等申告書の「源泉控除対象親族」の欄にも書いておくと、毎月の給与の源泉徴収で扶養親族の数に入れて計算されます(所得税法 第2条第1項第34号の5(源泉控除対象親族))。

年末調整での申告

会社員の親は、2026年12月の年末調整の前に勤務先へ出す「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の特定親族の欄に、子の氏名と生年月日、2026年の所得の見積額を書きます(国税庁の様式)。所得の見積額から控除の額が決まり、年末調整で1年分の税金に反映されます。

子の所得は、12月の時点ではまだ確定していないので見積もりです。年末調整のあとで所得が違うとわかったときは、勤務先に年末調整のやり直しを頼むか、確定申告で直します。子の所得の見積もりには、子の源泉徴収票の「支払金額」が使えます。

住民税の特定親族特別控除

住民税にも同じ名前の控除があり、令和9年度(2026年の所得にかかる分)は子の合計所得が62万円超123万円以下で受けられます。95万円以下なら45万円、そこから3万円まで下がります。所得税と段の区切りが違うため、所得税の控除が下がり始めても住民税の控除はしばらく同じです。

住民税の控除は、勤務先が出す給与支払報告書や確定申告の内容から市区町村が計算するので、別の手続きはいりません。前の年の所得にかかる令和8年度の住民税では、下限が58万円超でした。

健康保険の扶養は別の決まり

19歳以上23歳未満の子が親の健康保険の扶養に入れるかは、税金とは別に、年間収入の見込みが150万円未満かで判断されます(2025年10月から)。年収ごとの表は大学生のバイトはいくらまでにあります。

よくある質問

19〜22歳の子が2人いたら?
1人ずつ、その子の所得で控除の額を決めて、合計を引きます。1人は特定扶養控除、もう1人は特定親族特別控除ということもあります。
両親のどちらが控除を受けますか?
同じ子を2人以上の親の特定親族にすることはできず、親のどちらか1人だけが控除を受けます(所得税法 第85条第6項)。
子が大学を休学していても受けられますか?
学生かどうかは条件ではありません。年齢と所得、生計を一にしているかで決まります。
子の給与の額はどこで確かめますか?
子の勤務先が1月に出す源泉徴収票の支払金額で確かめます。2026年中に支給日が来た給与の合計で、交通費のうち非課税の分は入りません。

自分の場合の扱いは、年末調整のことは勤務先に、所得税のことは所轄の税務署に、住民税のことはお住まいの市区町村に確かめてください。

出典と前提

最終確認日 2026年11月1日。所得税と住民税の金額は一般的な目安です。実際の税額は勤務先の年末調整や確定申告、市区町村の計算で決まります。