相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を図にしたもので、主に相続登記の申請書に添付します。目的は、提出した戸籍の原本を返してもらうこと(原本還付)です。説明図を付けると、戸籍謄本のコピーを1通ずつ用意しなくても原本を返却してもらえる扱いになっています。
形は法定相続情報一覧図と似ていますが、法務局が認証して写しを出す書面ではありません。作った説明図は申請書と一緒に法務局に出すだけで、銀行など他の窓口で証明書として通用するものではない点が大きな違いです。
入力した氏名や住所はこのページの中だけで図にし、どこにも送らず、保存もしません。
被相続人
相続人
「相続の別」は、遺産分割で不動産を取得する人を「相続」、取得しない人を「分割」、相続放棄をした人を「放棄」とするのが一般的な書き方です。
| 関係 | 続柄の表記 | 氏名 | 生年月日 | 住所 | 死亡日(代襲の元の人) | 親の行 | 相続の別 |
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作成者
原本還付と説明図の関係
不動産登記規則55条により、登記の添付書類は原本の還付を請求できます。この場合、本来は原本と相違ない旨を記載した謄本(コピー)を添えます。相続登記で使う戸籍については、コピーに代えて相続関係説明図を出せば原本を還付する扱いが、法務局の実務で認められています。
戸籍が10通、20通とある相続では、コピーを取って1枚ずつ原本証明を書く作業が省けます。返却された戸籍は、銀行の手続きや相続税の申告にそのまま回せます。
一覧図との違い
法定相続情報一覧図は法務局に申し出て認証を受け、写しの交付を受けます。手続きに1週間から2週間ほどかかる登記所もありますが、写しは登記以外の手続きでも戸籍の代わりになります。説明図は認証がないので、登記の申請書に付けて使うのが基本です。
もう一つの違いは、遺産分割や放棄の結果を書けるかどうかです。一覧図には放棄も分割も反映されませんが、説明図には各相続人が不動産を取得したかどうかを書き込めます。登記所が申請内容を読み取りやすくするためです。
一覧図の写しを相続登記に添付する場合は、戸籍の束そのものを出さないので、原本還付のための説明図は要りません。どちらを作るかは、登記以外に戸籍を出す窓口がいくつあるかで変わります(一覧図の書き方)。
「相続」「分割」「放棄」の書き分け
相続人の氏名の横には、その不動産との関係を書きます。その不動産を取得する人には「相続」、遺産分割協議の結果その不動産を取得しない人には「分割」、家庭裁判所で放棄した人には「放棄」と書きます。登記官は、この記載と添付の協議書や申述受理証明書を照らし合わせて申請内容を確認します。
たとえば父が亡くなり、母と長男と長女が相続人で、協議により長男が自宅を取得した場合、長男の横に「相続」、母と長女の横に「分割」と書きます。長女が家庭裁判所で放棄していれば、長女の横は「放棄」です。
説明図に書く項目
被相続人については、氏名、最後の住所、登記記録上の住所、最後の本籍、生年月日、死亡年月日を書きます。登記記録上の住所が最後の住所と違うときは、両方を書いておくと、住所のつながりを示す住民票の除票や戸籍の附票との対応がわかります。
相続人については、氏名、続柄、生年月日、住所を書きます。不動産を取得する相続人の住所は、申請書に書く住所と一致させます。図の下には作成日と作成者を記載します。
説明図を使う場面の例
母が2027年に亡くなり、相続人が長男と次男の2人で、財産が自宅の土地と建物だけという相続では、銀行に戸籍を出す場面がありません。この場合は一覧図を申し出ず、説明図を付けて相続登記をする方法で手続きが1回で済みます。
反対に、預金口座が複数の銀行にあり、相続税の申告もある相続では、一覧図の写しを取っておく方が窓口ごとの戸籍の受け渡しを減らせます。登記の期限は相続を知った日から3年です(相続登記)。
よくある質問
- 相続関係説明図に決まった様式はありますか。
- 法令で定められた様式はありません。法務局が相続登記の申請書の記載例と一緒に、説明図の例を公開しています。手書きでもパソコンでも作成できます。
- 説明図を銀行に出すことはできますか。
- 説明図は自分で作る図で、法務局の認証はありません。銀行では戸籍一式か一覧図の写しを求められるのが通常で、説明図は参考資料として受け取られる程度です。
- 遺言で相続する場合も説明図を付けますか。
- 遺言による登記でも、戸籍の原本還付を受けたいときは説明図を付けられます。遺言で取得する相続人の横に「相続」と書き、遺言書と説明図の内容が合っているかを登記所が確認します。
出典
最終確認日 2026年10月15日。法律の条文は e-Gov 法令検索、手続きは各機関のページで確かめています。