贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、もらった人が自分の住所地を所轄する税務署へ申告書を出して行います。納付の期限も同じ3月15日です(国税庁 No.4429)。2027年中に受けた贈与なら、2028年2月1日から3月15日が申告期間です。
1年間にもらった額が110万円以下なら、申告も納付も要りません。ただし、住宅取得等資金の非課税やおしどり贈与の配偶者控除を使う人、相続時精算課税を選ぶ人は、税額が0円でも申告することが特例を受ける条件になっています。
申告が必要な人
暦年課税で、1月1日から12月31日までにもらった財産の合計が110万円を超えた人が申告します。あげた人ではなく、もらった人が申告者です。複数の人から少しずつもらった場合も、全員分を合計して判定します(国税庁 No.4402)。
相続時精算課税を選んでいる贈与者からの贈与は、2024年以後は年110万円の基礎控除を超えたときに申告します。初めて精算課税を選ぶ年は、選択届出書も同じ期限までに出します。制度の中身は相続時精算課税のページにあります。
申告書の作り方とe-Tax
申告書は、暦年課税の分を第一表、相続時精算課税の分を第二表で計算し、住宅取得等資金の非課税を使うときは専用の表を付けます。税額は贈与税の計算で先に見当をつけておけます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは贈与税の申告書も作成でき、画面の案内に沿って入力すると税額まで計算されます。作った申告書はe-Taxで送信するか、印刷して税務署へ郵送または持参します。納付は、金融機関や税務署の窓口、ダイレクト納付、クレジットカードなどの方法で3月15日までに行います。
期限を過ぎたとき
期限後に申告すると、原則として無申告加算税がかかり、納付が遅れた日数に応じて延滞税も加わります。税務署の調査を受ける前に自分から申告した場合は、加算税の割合が低くなります。
非課税の特例のうち住宅取得等資金や配偶者控除は、申告書の提出が要件です。期限を過ぎると特例を受けられないことがあり、相続時精算課税の選択届出書も期限後の提出は認められません。期限の当日が土日祝のときは翌開庁日まで延びます。
名義預金とみなされないために
親が子の名義で口座を作って毎年入金していても、通帳や印鑑、キャッシュカードを親が持ち、子が口座の存在を知らないような場合は、贈与ではなく親の財産と判断されやすくなります。その口座は親が亡くなったときに親の相続財産として扱われ、相続税の対象になります。
贈与があったことを示す材料として、年ごとの贈与契約書と、受贈者名義の口座への振込記録を残す方法が一般的にはとられています。受け取った人が自分で口座を管理し、自分の判断で使える状態にしておくことも、贈与が成立している裏づけになります。
毎年の同額贈与と申告
毎年同じ時期に同じ額を渡していても、その年ごとに贈与を決めているなら、各年の贈与として判定されます。一方、最初に「毎年200万円を10年間」のように総額と期間を約束すると、約束の時点で定期金の権利をまとめてもらったと見られるおそれがあります。
110万円を少し超える額をあえて贈与して申告し、記録を残すやり方もありますが、申告したこと自体が贈与の成立を証明するわけではありません。贈与者が亡くなる前の一定期間の贈与は相続財産に加算されるので、その扱いは生前贈与と相続税で確認できます。
よくある質問
- 贈与者が亡くなった年に受けた贈与は、贈与税の申告をしますか。
- 亡くなった年に受けた贈与で、受贈者が相続や遺贈で財産を取得する場合は、その贈与は相続税の課税価格に加えるため、贈与税の申告は要りません。相続で何も取得しない受贈者は、通常どおり贈与税の申告をします。
- 税務署から申告の案内は届きますか。
- 贈与税は、所得税のように源泉徴収や会社からの報告で税務署が把握する仕組みではないため、自分で判断して申告します。不動産の名義変更があると、登記の情報をもとに税務署から問い合わせが来ることがあります。
- 申告書の控えはどのくらい残しますか。
- 贈与の事実を示す材料になるため、申告書の控え、振込の記録、契約書は贈与者の相続が終わるまで保管しておく例が多く見られます。相続税の申告では、加算する贈与を第14表に書くときにこの控えが使われます。
出典
最終確認日 2026年10月15日。法律の条文は e-Gov 法令検索、手続きは各機関のページで確かめています。