退職は何日前に申し出るか(退職日の計算)
民法・労働基準法と、厚生労働省・労働局・ハローワーク・日本郵便の案内による説明です。
この内容は2026年11月2日時点のものです。
最終確認日 2026年11月2日
期間の定めのない雇用なら、退職を申し出た日から2週間がたつと、会社が認めていなくても雇用は終わります(民法第627条第1項)。2026年11月2日(月)に申し出れば、最後の在籍日は2026年11月16日(月)です。
就業規則が「1か月前まで」などと決めているときの扱いは、厚生労働省と労働局の説明でも書き方が分かれています。下の計算では、民法で数えた日と就業規則の期間で数えた日を並べて出します。
退職日を計算する
申し出る日と、就業規則にある申し出の期間を選んでください。就業規則が分からないときは「決まりがない・分からない」のままで、民法の日だけが出ます。
選んだ日付は、このページの中だけで計算し、どこにも送信しません。民法の日は第627条第1項を第140条・第141条で数え、就業規則の「◯か月前」は第143条で数えています。
2週間の数え方
民法は期間の初日を数えず(第140条)、最後の日が終わった時に期間が満ちるとしています(第141条)。そのため、申し出た日の翌日から数えて14日目が最後の在籍日で、その日の終わりに雇用が終わります。2027年1月31日(日)に申し出たときは2027年2月14日(日)、うるう年の2028年2月15日(火)なら2028年2月29日(火)です。
以前は月給制の人について「賃金計算期間の前半に申し出る」という決まりが当てはまるとされていましたが、令和2年4月1日に施行された民法の改正で、この決まり(第627条第2項)は使用者からの申し入れだけが対象になりました。厚生労働省のQ&Aも、働く人からの申し出は月給制や年俸制でも一律2週間になったと説明しています。
就業規則が1か月前などを求めているとき
厚生労働省のQ&Aは、民法第627条の期間より長い予告期間の定めを無効とする裁判例が多いとして、民法の予告期間を就業規則で延ばすことはできないと説明しています。一方で、大阪労働局は就業規則に退職の定めがあれば原則としてその定めが適用されるとし(極端に長い期間は無効とされる場合もある)、茨城労働局は1か月前までなど著しく長くない定めなら、もめごとを避けるためにまず就業規則に沿って申し出た方がよいと案内しています。
就業規則が1か月前までの申し出を求めている場合、2026年11月2日(月)に申し出たときの就業規則の日は2026年12月2日(水)で、民法の日より16日遅くなります。どちらの日で辞めるかで迷うときは、就業規則の条文を手元に置いて総合労働相談コーナーで尋ねられます。
契約期間が決まっているとき(有期の契約)
契約期間を決めて働いている場合は、期間の途中で辞められるのは「やむを得ない事由」があるときで、その事由が自分の過失によるときは損害賠償の責任を負うことがあります(民法第628条)。ただし、1年を超える期間の契約では、契約の初日から1年がたった後は、会社に申し出ていつでも退職できます(労働基準法附則第137条)。一定の事業の完了までの契約や、高度な専門知識を持つ人・60歳以上の人の契約(労働基準法第14条第1項の各号)は、この扱いから外れます。
アルバイトやパートという呼び方でも、雇用の期間を決めていない契約なら、正社員と同じく民法第627条第1項の2週間が当てはまります。契約書や労働条件通知書で、期間の定めがあるかを確かめてください。
退職届と退職願で変わること
厚生労働省のQ&Aは、会社が認めるかどうかにかかわらず辞める一方的な申し出(辞職、多くは「退職届」)と、会社の承諾を得て辞める合意退職の申込み(多くは「退職願」)を分けています。辞職は会社に届いた時点で効力が生じてもう撤回できず、合意退職の申込みは会社が承諾するまで撤回できます。どちらか区別がつかないときは、合意退職の申込みと考えられるとしています。
合意退職なら、会社と合意した日に辞められます(雇用労働相談センター)。決まった日に確実に辞めたいときについて、厚生労働省の確かめよう労働条件は、必要な期間を見込んだうえで、退職の意思をはっきり書いた退職届を出すのが無難だとしています。退職届の書き方やテンプレートは、しきたりノートの退職届の書き方とテンプレートにまとまっています。
受け取ってもらえないとき、郵送するとき
退職の申し出は、会社に届いた時に効力が生じます(民法第97条第1項)。上司が退職届を受け取らないなど、会社が正当な理由なく届くのを妨げたときは、通常届くはずだった時に届いたものとみなされます(同条第2項)。民法第627条は申し出の方法を決めていないので、手渡しができないときは郵送で出すこともできます。
郵送するときに、いつ・どんな内容の文書を誰から誰に出したかを残すのが日本郵便の内容証明で、一般書留にする必要があります。証明するのは文書があったことで、内容が正しいかどうかではありません。届いたことを残すには配達証明を付けます。差出人は5年以内なら、郵便局に保管された謄本を見せてもらえます。手渡しのしかたや封筒は、しきたりノートの退職届の出し方にあります。
退職の理由と失業保険
自分の都合で辞めると、失業保険(基本手当)は7日間の待期の後、原則1か月の給付制限があります(退職日が令和7年4月1日以降の場合)。5年の間に2回以上、正当な理由なく自己都合で辞めて受給資格の決定を受けているときは3か月で、令和7年4月以降に教育訓練を受けた場合は給付制限が解除されます(ハローワーク)。
離職理由は、ハローワークが本人の主張と証拠になる書類、会社の主張を確かめて決めます(厚生労働省 雇用保険Q&A)。会社から退職を勧められて辞める場合は、特定受給資格者に当たることがあり、退職届に「一身上の都合」と書いていても、実際の経緯を受給の手続きのときに伝えられます。退職勧奨されたらと失業保険(基本手当)で、日数と金額を確かめられます。
よくある質問
- 退職は何日前に言えばいいですか?
- 期間の定めのない雇用なら、法律上は申し出から2週間で辞められます。就業規則に1か月前などの決まりがあるときは、上の計算で両方の日を比べ、会社と退職日を話し合います。
- 会社が退職を認めないと言っています。
- 期間の定めのない雇用は、会社の同意がなくても申し出から2週間で終わります(大阪労働局)。退職を会社の許可制にする定めは退職の自由を制限するとして、無効とする裁判例の方向が示されています(確かめよう労働条件 裁判例)。
- 急に辞めると損害賠償を求められますか?
- 辞め方や手続きによっては損害賠償の責任が生じた裁判例もあり、会社の実際の損害や双方の対応を考えて額が判断されています。心配なときは総合労働相談コーナーで状況を伝えて相談できます。
- アルバイトも2週間前で辞められますか?
- 雇用の期間を決めていない契約なら同じです。契約期間を決めているときは、やむを得ない事由があるときや、1年を超える契約で1年がたった後などに限られます。
出典と前提
最終確認日 2026年11月2日。このページは、民法・労働基準法の条文と、厚生労働省・労働局・ハローワーク・日本郵便の案内にもとづく一般的な説明です。実際の扱いは、雇用契約や就業規則、個別の事情で変わります。
- 民法(e-Gov法令検索)第97条・第140条・第141条・第143条・第627条・第628条
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第14条・附則第137条
- 厚生労働省 スタートアップ労働条件「解雇と合意退職・辞職の違いについて教えてください。」
- 厚生労働省 スタートアップ労働条件「退職願を出した労働者がこれを撤回したいと言ってきた場合、撤回を認めなければならないのですか。」
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「裁判例 辞職」
- 大阪労働局「よくあるご質問(退職・解雇・雇止め)」
- 茨城労働局「やめたいのにダメと言われて困ってる」
- 広島県・今治市雇用労働相談センター(厚生労働省委託)「辞職と退職願の提出、どう違うの?」
- 日本郵便「内容証明」
- 日本郵便「配達証明」
- 厚生労働省「雇用保険制度 Q&A(労働者の皆様へ)」Q7(離職理由)・Q8(給付制限)
- 都道府県労働局・ハローワーク「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」(給付制限と教育訓練)
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」