個人事業主のふるさと納税の上限は、売上ではなく、経費と青色申告特別控除を引いた事業所得から、国民健康保険料や国民年金保険料などの社会保険料を引いて計算します。個人事業主は確定申告をするため、ワンストップ特例は使えず、確定申告書で寄附金控除を受けます。
控除の仕組みは会社員と同じで、総務省が示す所得税・住民税の基本分・特例分の3つです(総務省 税金の控除について、2026年10月16日確認)。
| 事業所得(青色申告特別控除の後) | 社会保険料(国民健康保険・国民年金など) | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 3,000,000円 | 700,000円 | 45,000円 |
| 4,350,000円 | 900,000円 | 77,000円 |
| 5,000,000円 | 950,000円 | 105,000円 |
| 6,000,000円 | 1,000,000円 | 132,000円 |
事業所得から上限を出す
表は、事業所得だけの独身の人の目安です。事業所得4,350,000円、社会保険料900,000円なら、住民税の課税所得は3,020,000円、所得割は299,500円で、上限は77,000円になります。売上が同じでも、経費が多い人や、青色申告特別控除(65万円、55万円、10万円)を受ける人は所得が小さくなり、上限も下がります。
予定納税と年の途中の見込み
年の途中では1年間の所得が確定しないため、前の年の確定申告書の所得を出発点に、今年の売上と経費の見込みで調整します。予定納税(7月と11月)がある人も、上限の計算には影響しません。予定納税は所得税の前払いで、ふるさと納税の控除は確定申告で精算されます。国民健康保険料は前の年の所得で決まるので、今年払う見込みの額を入れます。小規模企業共済やiDeCoの掛金も所得から引かれるため、上限を下げる要素になります。
確定申告での書き方
確定申告書の第一表の寄附金控除の欄に寄附額の合計から2,000円を引いた額を、第二表に寄附先と寄附額、住民税に関する事項の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」の欄にふるさと納税の額を書きます(国税庁 No.1155)。寄附金受領証明書、または特定事業者の寄附金控除に関する証明書を用意します。ふるさと納税は個人の寄附なので、事業の経費にはなりません。
- □ 前の年の確定申告書で事業所得を確かめた
- □ 今年の売上と経費の見込みを出した
- □ 国民健康保険料と国民年金保険料の見込みを入れた
- □ 小規模企業共済・iDeCoの掛金を入れた
- □ 確定申告書の住民税の欄にも寄附額を書く
会社員と違う点
会社員は社会保険料が給与から引かれ、年収から上限を出せますが、個人事業主は国民健康保険料と国民年金保険料を自分で払うため、その年に払う額を見込んで所得から引きます。夫婦で国民年金保険料を払っている場合、配偶者の分も払った人の控除になります。また、住民税の所得割の計算は会社員と同じでも、事業税(個人事業税)は別の税金で、ふるさと納税の控除とは関係しません。上限の計算は住民税の所得割を基準にします。
よくある質問
- ふるさと納税を経費にできますか?
- できません。事業とは関係のない個人の寄附として、確定申告で寄附金控除を受けます。
- 年の途中で上限がわからないときは?
- 前の年の所得を目安にし、今年の所得が下がりそうなら少なめに寄附します。12月に入ってから残りを決めると、見込みの精度が上がります。
- 家族従業員の給与は関係しますか?
- 青色事業専従者給与として払った額は事業所得から引かれるため、上限は下がります。専従者は配偶者控除や扶養控除の対象になりません。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月16日。ここに出る金額は、総務省と国税庁が示す計算式と、令和8年分の所得税・令和9年度分の住民税の控除で出した目安です。実際の控除額は、住民税はお住まいの市区町村、所得税は確定申告の内容で決まります。このページは、どなたかの税額や控除の可否を判断するものではありません。