そろばんノート

医療費控除のやり方と対象

インプラントの医療費控除

インプラントは保険のきかない自由診療でも、歯の機能を取り戻すための治療なら医療費控除の対象で、一般的な水準を著しく超える特殊なものだけが外れます。デンタルローンで払った分は契約が成立した年の医療費になり、金利と手数料は対象外です。

この金額は2026年10月18日時点のものです。

最終確認日 2026年10月18日

自由診療でも治療のためなら対象

国税庁のNo.1128は、歯科医師による診療や治療の対価のうち、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分を医療費控除の対象としています。保険のきかない自由診療や高価な材料を使う治療も、一般的な水準を著しく超える特殊なものでなければ対象で、金やポーセレンは一般的な治療材料とされています。

インプラントはNo.1128に名前は出てきませんが、歯を失ったところのかむ機能を取り戻すための歯科医師の治療なので、この考え方で判断します。治療のためではなく見た目を整えるためだけの処置は、治療の対価にあたらず対象外です。

いくら戻るかの例

その年の医療費がインプラントの治療費40万円だけで、ほかに補填される金額がない場合です。控除額は40万円から10万円を引いた300,000円で、戻る額は所得税の税率によって変わります。表の戻る額は医療費控除の計算ツールと同じ計算で、給与の年収から東京都・40歳未満の社会保険料を引いた目安です。

年収控除額所得税住民税合計
給与の年収300万円300,000円15,315円30,000円45,315円
給与の年収500万円300,000円15,315円30,000円45,315円
給与の年収800万円300,000円61,260円30,000円91,260円

デンタルローンは契約した年

No.1128によると、信販会社が立て替えた治療費は、ローンの契約が成立した年の医療費控除の対象になります。返済は翌年以降も続きますが、医療費として数えるのは契約した年で、毎年の返済額ではありません。ローンの金利と手数料にあたる分は対象外です。

歯科医院の領収書がない場合は、歯科ローンの契約書や信販会社の領収書を保存しておきます。歯科医院に直接分割で払う場合は、治療が年をまたぐときと同じく、それぞれの年に払った額をその年の医療費に入れます。

項目金額扱い
治療費(信販会社が歯科医院に立て替え払い)400,000円契約が成立した年の医療費
ローンの金利・手数料30,000円対象外
医療費控除に入れる額400,000円金利・手数料を除いた治療費

明細書の書き方

医療費控除の明細書には、医療を受けた方の氏名、歯科医院の名前、医療費の区分(診療・治療)、払った額を書きます。デンタルローンで払った場合は、支払先は治療を受けた歯科医院で、金額は信販会社が立て替えた治療費です。

インプラントの治療のために通った電車やバスの運賃も、その他の医療費として明細に足せます。通院した日と運賃を記録しておくと、あとで説明しやすくなります。

明細書は領収書1枚ごとに書く必要はなく、同じ人が同じ歯科医院に払った分は合計して1行にまとめられます。

よくある質問

保険診療の部分と自費の部分が同じ領収書にあるときは?
保険診療の自己負担と自費の部分を合わせて、その年に払った額を医療費として入れます。自費の部分は高額療養費の対象にはならないので、補填される金額は保険診療の部分についてだけ考えます。
年末に始めて翌年に終わる治療は、どちらの年ですか?
治療が年をまたぐときは、それぞれの年に実際に払った額を、その年の医療費控除に入れます。治療の開始や終了の年でまとめて入れるのではありません。
医療保険の手術給付金が出たときは?
生命保険などから受け取った給付金は、その給付の目的になった治療費から差し引きます。差し引くのはその治療費の額までで、残りをほかの医療費から引くことはありません。

出典と計算の前提

最終確認日 2026年10月18日。金額は、このページに書いた決まりで計算した目安です。医療費控除の対象になるか、いくら控除できるかは税務署が判断します。このページは一般的な情報で、個別の判断は住所地の税務署で確かめてください。高額療養費などの給付は、加入している保険者が決めます。