医療費控除の対象になるもの・ならないもの
令和8年分の所得税の取り扱い(国税庁 タックスアンサー 令和8年4月1日現在法令等)による一般的な説明です。
最終確認日 2026年10月14日
医療費控除の対象になるもの・ならないものを、国税庁のタックスアンサーと確定申告の手引きにもとづいて一覧にしました。基本の考え方は、病気やけがの治療のための費用で、一般的な水準を大きく超えないものが対象、病気の予防や美容、健康増進のための費用は対象外、です(国税庁 No.1122)。迷ったときは、治療のための支出かどうかで考えると判断しやすくなります。
| 費用 | 医療費控除 | 根拠 |
|---|---|---|
| 病院・歯科の診療費、治療費 | 対象 | 国税庁 |
| 治療のための医薬品(風邪薬など) | 対象 | 国税庁 |
| 通院の電車・バス代 | 対象 | 国税庁 |
| タクシー代(公共交通機関が使えないとき) | 対象 | 国税庁 |
| 入院の部屋代・病院の食事代 | 対象 | 国税庁 |
| 妊娠中の定期検診・検査、分娩費、出産の入院時のタクシー代 | 対象 | 国税庁 |
| 歯の治療(金やポーセレン、一般的な水準の自由診療) | 対象 | 国税庁 |
| 子どもの不正咬合など治療のための歯列矯正 | 対象 | 国税庁 |
| 補聴器(補聴器相談医の診療情報提供書があるとき) | 対象 | 国税庁 |
| あん摩マッサージ指圧師・はり師・柔道整復師の治療のための施術 | 対象 | 国税庁 |
| 介護保険の一定の施設・居宅サービスの自己負担 | 対象 | 国税庁 |
| 容ぼうを美化するための歯列矯正・美容整形 | 対象外 | 国税庁 |
| 健康診断・人間ドックの費用 | 対象外 | 国税庁 |
| 予防接種、ビタミン剤・サプリメント | 対象外 | 国税庁 |
| 自家用車で通院するガソリン代・駐車料金 | 対象外 | 国税庁 |
| 本人や家族の都合だけで選んだ個室の差額ベッド代 | 対象外 | 国税庁 |
| 治療に直接必要でない近視・遠視の眼鏡、補聴器 | 対象外 | 国税庁 |
| 入院時の寝巻き・洗面具、医師へのお礼 | 対象外 | 国税庁 |
| 実家で出産するための帰省の交通費 | 対象外 | 国税庁 |
| 歯科ローンの金利・手数料 | 対象外 | 国税庁 |
歯の治療(インプラント・矯正)
歯の治療費は、保険がきかない自由診療でも、その病状に応じて一般的に支出される水準の費用なら対象です。金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使われているので、これらを使った治療も対象になります。インプラントも、治療として行い一般的な水準の費用であれば、同じ考え方で対象になると考えられます(国税庁 No.1128)。
歯列矯正は、子どもの不正咬合のように、年齢や目的からみて治療として必要な場合は対象です。見た目をよくするための矯正は対象になりません。大人の矯正でも、年齢や目的からみて治療として必要と認められれば対象になるため、歯科医師の診断書などを残しておくと安心です。歯科ローンで払う場合は、信販会社が立て替えた年の医療費になり、金利や手数料は対象外です。
補聴器
補聴器は、医師の診療や治療のために直接必要なものであれば対象です。耳鼻咽喉科の学会が認定した補聴器相談医が「補聴器適合に関する診療情報提供書」で必要と証明した場合、その補聴器の購入費用(一般的な水準のもの)は医療費控除の対象になります。この提供書と領収書を保存しておきます(国税庁)。
通院の交通費
通院のための電車やバスの運賃は対象です。領収書がない場合も、日付、区間、金額を記録しておけば計上できます。タクシー代は、電車やバスが使えない場合(急病、歩くのが難しいなど)に限り対象です。自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代は対象になりません。子どもの通院に付き添う人の交通費は対象になります。
出産・入院
妊娠と分かってからの定期検診や検査、通院費、分娩費は対象です。出産で入院するときに電車やバスで行くのが難しくタクシーを使った場合も対象になります。一方、出産育児一時金や家族出産育児一時金は補てんされる金額として医療費から差し引きます。出産手当金は差し引きません(国税庁 No.1124)。
入院の部屋代や病院で出る食事代は対象ですが、本人や家族の都合だけで選んだ個室の差額ベッド代、寝巻きや洗面具、医師や看護師へのお礼は対象外です(国税庁 No.1126)。
市販薬とセルフメディケーション税制
風邪薬など、治療のための市販薬は通常の医療費控除の対象です。ビタミン剤など病気の予防や健康増進のための薬は対象外です。対象の市販薬を年12,000円を超えて買った人は、通常の医療費控除のかわりにセルフメディケーション税制を選ぶこともできます(国税庁 No.1129)。どちらが得かは医療費控除 計算ツールで比べられます。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月14日。数字は公的なページで確認した一般的な目安です。実際の金額は、自治体の条例(超過課税など)、会社の給与計算、加入している健康保険によって変わります。
- 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
- 国税庁 No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例
- 国税庁 No.1126 医療費控除の対象となる入院費用の具体例
- 国税庁 No.1127 介護保険制度下での居宅サービス等の対価
- 国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
- 国税庁 No.1129 セルフメディケーション税制
- 国税庁 補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)
- 国税庁 医療費控除を受けられる方へ(令和7年分 確定申告の手引き)
- 国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- 住民税の所得割は市町村民税と道府県民税を別々に100円未満切り捨て(地方税法 第20条の4の2)