そろばんノート

医療費控除のやり方と対象

歯列矯正の医療費控除

子どもの不正咬合を治す歯列矯正は医療費控除の対象で、大人の矯正も年齢や目的からみて治療に必要と認められれば対象になり得ます。見た目をよくするための矯正は、子どもでも大人でも対象外です。

この金額は2026年10月18日時点のものです。

最終確認日 2026年10月18日

目的で分かれる

国税庁のNo.1128は、成長段階にある子どもの不正咬合の矯正のように、年齢や目的からみて必要と認められる歯列矯正の費用を医療費控除の対象とし、容ぼうを美化するための費用は対象外としています。判断の軸は年齢そのものではなく、治療のための矯正かどうかです。

大人の矯正も、かみ合わせの異常を治すなど治療のために必要と認められれば対象になり得ます。一方で、歯並びを整えて見た目をよくすることが目的の矯正は、子どもでも大人でも対象外です。

矯正の内容医療費控除
成長段階の子どもの不正咬合の矯正対象
大人の矯正で、かみ合わせの治療など年齢や目的からみて必要なもの対象になり得る
見た目をよくするための矯正対象外
信販会社のローンの金利・手数料対象外

診断書の扱い

確定申告で医療費控除の明細書と一緒に診断書を出す決まりはなく、領収書も添付しません。ただし税務署から内容を聞かれることはあるので、治療が必要だという歯科医師の説明や、診断と治療計画の書類を領収書と一緒に保管しておくと説明しやすくなります。

矯正の治療中に通った電車やバスの運賃も医療費に入れられ、子どもの通院に付添人が必要なときは付添人の運賃も対象です。運賃は領収書が出ないことが多いので、通院した日と金額を記録しておきます。

分割払いは払い方で年が変わる

歯科医院に直接分割で払う場合は、それぞれの年に払った額をその年の医療費に入れます。信販会社のローンを使う場合は、No.1128のとおり契約が成立した年に、立て替えてもらった治療費の全額がその年の医療費になります。

下の表は、給与の年収500万円の人が子どもの矯正に80万円を払う例で、ほかの医療費はないものとしています。院内分割だと10万円を引く計算が2回あるので、合計の控除額は契約の年にまとめる場合より小さくなります。

ローンを使うと契約の年の控除額は大きくなりますが、翌年以降に信販会社へ返す分は、その年の医療費には入れられません。

払い方1年目の控除額2年目の控除額戻る額の合計
院内分割(1年目に50万円、2年目に30万円)400,000円200,000円90,630円
信販会社のローン(1年目に80万円の契約)700,000円0円105,735円

年ごとの領収書と家族の合計

子どもの矯正は治療の期間が長く、数年にわたって費用を払うことがあります。払った年ごとに医療費控除を考えるので、領収書を年ごとに分けて保管しておくと、確定申告のときに集計しやすくなります。

同じ年に家族のほかの医療費があれば合わせられるので、矯正の費用だけで10万円に届かなくても、生計を一にする家族全員の医療費の合計で判断します。対象になるか迷うときは、矯正の目的を歯科医師に確かめたうえで、住所地の税務署に相談できます。

よくある質問

子どもの矯正費用は、誰の申告に入れますか?
子どもの治療費は、生計を一にする親が払っていれば、払った親の医療費として申告できます。共働きなら、実際に払った人の申告に入れます。
矯正装置の調整に通うたびに払う料金は?
治療のための矯正なら、治療の一部として払う料金もその年の医療費に入れられます。料金の名前ではなく、その矯正が治療のためかどうかで判断します。
医療費控除を受けたら、翌年度の住民税はどうなりますか?
医療費控除は住民税の計算でも所得から差し引かれるので、翌年度の住民税が軽くなります。住民税の所得割の税率は10%です。

出典と計算の前提

最終確認日 2026年10月18日。金額は、このページに書いた決まりで計算した目安です。医療費控除の対象になるか、いくら控除できるかは税務署が判断します。このページは一般的な情報で、個別の判断は住所地の税務署で確かめてください。高額療養費などの給付は、加入している保険者が決めます。