そろばんノート

医療費控除のやり方と対象

市販薬・薬代の医療費控除

薬局で買う市販薬も、病気やけがの治療や療養のためなら、医師の処方がなくても医療費控除の対象です。ビタミン剤など予防や健康増進のためのものは対象外です。対象の市販薬を多く買う人は、セルフメディケーション税制とどちらか一方を選べます。

この内容は2026年10月28日時点のものです。

最終確認日 2026年10月28日

所得税法施行令第207条は、治療または療養に必要な医薬品の購入の対価を医療費に挙げています。国税庁の質疑応答事例「かぜ薬の購入費用」は、風邪をひいて買った市販の風邪薬は、医師の処方や指示がなくても対象になるとしています。反対に、医師の処方があればどんな医薬品でも対象になるとは限らないとも注意しています。

費用医療費控除根拠
風邪薬など、治療のための市販薬対象国税庁 質疑応答事例
病院で処方されて薬局で払った薬代対象国税庁 No.1122
治療や療養に必要な漢方薬・ビタミン剤(医薬品)対象国税庁 質疑応答事例
予防や健康増進のためのビタミン剤対象外国税庁 No.1122
医薬品に当たらないサプリメントや健康食品対象外国税庁 質疑応答事例
先発医薬品を選んだときの特別の料金対象国税庁 No.1122 Q&A

予防や健康増進のための薬は対象外

所得税基本通達73-5は、医薬品であっても、病気の予防や健康増進のために使うものの購入代金は医療費に当たらないとしています。同じビタミン剤でも、治療や療養に必要なときは対象、体調管理のために飲むときは対象外と、使う目的で分かれます。医薬品ではない健康食品やサプリメントは、目的にかかわらず対象になりません。

セルフメディケーション税制とどちらを選ぶか

セルフメディケーション税制は、対象の市販薬(領収書に対象商品である旨の表示があるもの)を1年に12,000円を超えて買ったとき、超えた分を最高88,000円まで所得から差し引ける特例です。申告する本人がその年に健診や予防接種などの一定の取組をしていることが条件です(国税庁 No.1129)。

この特例と通常の医療費控除はどちらか一方しか使えず、申告したあとに更正の請求や修正申告で選び直すこともできません(国税庁 No.1131)。たとえば対象の市販薬に40,000円、病院に30,000円払った年は、合計が10万円に届かないので通常の医療費控除は0円、セルフメディケーション税制なら28,000円を差し引けます(総所得金額等が200万円以上の場合)。病院代と薬代の合計が10万円を大きく超える年は、通常の医療費控除のほうが大きくなりやすくなります。

対象になる購入の期間は、いまの租税特別措置法第41条の17では令和8年12月31日までです(国税庁 No.1132)。令和8年度の税制改正で適用期限が延長され、改正後の規定は令和9年1月1日から適用されます。

明細書の書き方

通常の医療費控除で市販薬を入れるときは、明細書の医療費の区分を「医薬品購入」にし、支払先に薬局やドラッグストアの名前を書きます。レシートは1枚ずつではなく、医療を受けた人と支払先が同じものをまとめて1行にできます。セルフメディケーション税制を選ぶ場合は、専用の明細書で対象の医薬品の購入費を書きます。

どちらで申告すると控除額が大きくなるかは、医療費控除の計算ツールで両方の結果を並べて確かめられます。

よくある質問

レシートしか手元にありませんが、使えますか?
明細書には支払先ごとの合計を書けばよく、レシートは申告書に付けずに保管しておきます。何の薬かがわかるように、レシートに薬の名目が印字されているものを残しておくと説明しやすくなります。
家族のために買った薬も入れられますか?
生計を一にする家族の治療のために買った薬なら、代金を払った人の医療費に含められます。詳しくは家族の医療費のページで説明しています。

出典と前提

最終確認日 2026年10月28日。このページは、国税庁の説明と法令にもとづく一般的な説明で、個別の事情を判断するものではありません。自分の支出が対象になるかどうかは、住所地の税務署(電話相談センター)で確かめられます。