家族の医療費をまとめる医療費控除
医療費控除は、自分の分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために払った医療費もまとめて申告できます。申告するのは実際に医療費を払った人で、家族の所得の大きさは関係ありません。
この内容は2026年10月28日時点のものです。
最終確認日 2026年10月28日
国税庁 No.1120 は、医療費控除の対象を、納税者が自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために払った医療費としています。生計を一にしているかどうかは、医療費を払う原因が生じたときか、実際に払ったときの状況で判断します(所得税基本通達73-1)。
| 費用 | 医療費控除 | 根拠 |
|---|---|---|
| 同居している配偶者や子どもの医療費 | 払った人の医療費控除に | 国税庁 No.1120 |
| 共働きで夫が払った妻の医療費 | 夫の医療費控除の対象 | 国税庁 質疑応答事例 |
| 別居の親で、仕送りで生活している | 子の医療費控除の対象 | 国税庁 質疑応答事例 |
| 扶養控除の対象になっていない親族 | 対象(所得の要件なし) | 国税庁 質疑応答事例 |
| 6親等内の血族・3親等内の姻族(例:姉の子) | 親族に当たる | 国税庁 質疑応答事例 |
| 生計が別の家族の医療費 | 対象外 | 国税庁 No.1120 |
「生計を一にする」の考え方
所得税基本通達2-47は、生計を一にするとは同じ家に住んでいることだけを指すのではないとしています。離れて暮らしていても、親族の間で常に生活費や学資金、療養費などの送金が行われていれば、生計を一にするものとして扱われます。
反対に、同じ家に住んでいる親族は、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除いて、生計を一にするものとされます。二世帯住宅で家計を完全に分けているような場合は、この例外に当たるかどうかを実際の暮らし方で考えることになります。
共働きのとき、誰の申告に入れるか
共働きの夫婦でも、生計を一にしていれば、医療費を実際に払った人が自分の申告にまとめて入れます。質疑応答事例「共働き夫婦の夫が妻の医療費を負担した場合」は、妻に所得があっても、夫が払った妻の医療費は夫の医療費控除の対象になるとし、配偶者やその他の親族の範囲に所得金額の要件は付いていないと説明しています。
控除を受けられるのは実際に医療費を払った人なので、払っていない人の申告に移すことはできません。誰の口座やカードで払ったかを領収書と一緒に記録しておくと整理しやすくなります。生計が別の世帯どうしで医療費を合算することもできません。
所得税の税率は所得が多い人ほど高く、同じ医療費でも払った人によって戻る額が変わります。総所得金額等が200万円未満の人が払った場合は、10万円ではなくその5%を超えた分から対象になります。
別居の親の医療費
同居していない母親の医療費を子どもが払った事例について、国税庁は、母親の年収が少額で子どもからの仕送りで生活しているような状況なら、子どもが払った医療費はその子どもの医療費控除の対象になると回答しています(質疑応答事例)。また、親が自分の扶養控除の対象になっているかどうかは問われません(質疑応答事例)。
明細書の書き方
明細書の「医療を受けた方の氏名」の欄には実際に治療を受けた家族の名前を書き、申告書は医療費を払った人の名前で出します。家族ごとに行を分けておくと、誰の分がいくらかが一目でわかります。
家族の分を合わせると、10万円を超える年が多くなります。たとえば給与の年収550万円で、その年に払った医療費が28万円なら、控除額は180,000円、戻る額の目安は所得税と住民税を合わせて34,438円です(医療費控除の計算ツールと同じ計算、単身・給与のみ・東京都・40歳未満の社会保険料)。
よくある質問
- 就職した子どもが自分で払った医療費はどうなりますか?
- 子どもが自分の収入で払った医療費は、払った子ども本人の医療費控除の対象です。親が払ったものでなければ、親の申告には入れられません。
- 年の途中で結婚した配偶者の医療費は入れられますか?
- 結婚したあとに払った分は、支払いの時点で生計を一にしていれば対象です。結婚前に配偶者が自分で払った分は、その配偶者本人の医療費として扱われます。
出典と前提
最終確認日 2026年10月28日。このページは、国税庁の説明と法令にもとづく一般的な説明で、個別の事情を判断するものではありません。自分の支出が対象になるかどうかは、住所地の税務署(電話相談センター)で確かめられます。