そろばんノート

医療費控除のやり方と対象

医療費控除とふるさと納税

医療費控除を受けるために確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例の申請は無効になります。申告書の寄附金控除にふるさと納税の分も書く必要があり、医療費控除で所得が下がるぶん、ふるさと納税の控除上限も下がります。

この内容は2026年10月28日時点のものです。

最終確認日 2026年10月28日

国税庁 No.1155 は、確定申告を行う人はふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効になるため、申請した分も含めて寄附金控除額を計算する必要があると説明しています。医療費控除を受けるために申告する人もここに含まれると明記されています。総務省のワンストップ特例制度の案内も、確定申告をする人がふるさと納税の控除を受けるには、確定申告で寄附を申告するよう案内しています。

申告のしかたふるさと納税の控除すること
ワンストップ特例だけ(確定申告しない)所得税からは引かれず、全額が翌年度の住民税から寄附先の自治体に申請書を出す
医療費控除のために確定申告する所得税の寄附金控除と、住民税の基本分・特例分ワンストップの分も含め、すべての寄附を申告書に書く

申告書に書くところ

確定申告書では、所得から差し引かれる金額の寄附金控除にふるさと納税を含めた寄附を書き、住民税に関する事項の欄にも、都道府県・市区町村への寄附として同じ寄附の額を書きます(国税庁 No.1155)。ワンストップ特例の申請書を出した自治体の分も漏らさず入れ、寄附先から届いた受領証明書をそろえておきます。

書き忘れたまま申告してしまったときは、更正の請求で寄附金控除を追加できます。寄附金控除を足しても所得税の額が変わらず更正の請求ができない場合は、住んでいる市区町村に相談するよう国税庁は案内しています。手続きの流れはふるさと納税の確定申告のページにもまとめています。

控除上限が下がる仕組み

自己負担2,000円で収まるふるさと納税の上限は、住民税の特例分が住民税所得割額の2割までに限られることで決まります(総務省「税金の控除について」)。医療費控除は所得から差し引く控除なので、住民税の所得割額が小さくなり、その2割である上限も下がります。

ふるさと納税の控除上限の計算ツールと同じ計算では、給与の年収400万円で医療費が25万円の人は、医療費控除150,000円を入れると上限が42,000円から38,000円に、年収600万円で医療費50万円の人は77,000円から67,000円に下がります(単身・給与のみ・東京都・40歳未満の社会保険料の目安)。

医療費が多くかかった年は、寄附をする前に計算ツールの医療費控除の欄に見込みの額を入れて、上限を確かめておくと安心です。上限を超えた寄附は、超えた分が自己負担になります。

例医療費控除上限(医療費控除なし)上限(医療費控除あり)
年収400万円、医療費25万円150,000円42,000円38,000円
年収600万円、医療費50万円400,000円77,000円67,000円

住民税への影響

医療費控除は所得税だけでなく、翌年度の住民税でも同じように所得から差し引かれます。広島市の案内は、住民税の医療費控除を、補填される分を引いた医療費から総所得金額等の5%または10万円の少ない方を引いた額(限度額200万円)と説明しています。

所得税の確定申告書を出した日に住民税の申告書も出したものとみなされるため、住民税のために別の申告をする必要はありません(国税庁 No.1155)。所得税は還付として戻り、住民税は翌年度の税額が小さくなる形で反映されます。

医療費控除で所得税と住民税がそれぞれいくら下がるかは、ふるさと納税とは別に試算できます。たとえば給与の年収600万円で、その年に払った医療費が50万円なら、控除額は400,000円、戻る額の目安は所得税と住民税を合わせて80,840円です(医療費控除の計算ツールと同じ計算、単身・給与のみ・東京都・40歳未満の社会保険料)。

よくある質問

ワンストップ特例の申請書をもう出してしまいました。
確定申告をするとその申請は無効になるので、申請した自治体への寄附も、申告書の寄附金控除にほかの寄附と一緒に書きます。手元に受領証明書を用意しておきます。
医療費控除とふるさと納税は、同じ申告書で受けられますか?
どちらも1枚の確定申告書の中で受けられます。医療費控除の明細書を付け、寄附金控除の欄と住民税に関する事項の欄にふるさと納税の分を書きます。

出典と前提

最終確認日 2026年10月28日。このページは、国税庁の説明と法令にもとづく一般的な説明で、個別の事情を判断するものではありません。自分の支出が対象になるかどうかは、住所地の税務署(電話相談センター)で確かめられます。