そろばんノート

医療費控除のやり方と対象

出産の医療費控除

妊娠と診断されてからの定期検診・検査、分娩費、出産の入院費は医療費控除の対象で、出産育児一時金と高額療養費はその医療費から差し引きます。実家に帰省する交通費や身の回り品は対象外で、出産手当金は差し引きません。

この金額は2026年10月18日時点のものです。

最終確認日 2026年10月18日

対象になる出産の費用

国税庁のNo.1124は、妊娠と診断されてからの定期検診や検査の費用と通院費用、出産で入院するときに通常の交通手段によることが困難で使ったタクシー代、病院に払う入院中の食事代を医療費控除の対象としています。分娩の費用と入院の費用も、医師による診療の対価として対象です。

実家で出産するために帰省する交通費、入院のために買った寝巻きや洗面具などの身の回り品、出前や外食の費用は対象外です。

出産育児一時金は出産費用から引く

健康保険から受け取る出産育児一時金や家族出産育児一時金は、医療費控除の計算で医療費から差し引きます。差し引くのはその目的である出産費用の額までで、一時金の方が多くても、残りを妊婦健診やほかの医療費から引くことはありません。

会社の健康保険から出る出産手当金は、医療費を補填するものではないので差し引きません。帝王切開などで高額療養費を受け取った場合は、保険診療の自己負担からその額を差し引きます。

総所得金額等が200万円以上の人で、出産費用55万円、一時金50万円、健診3万円、通院1万円なら、差引金額は9万円で10万円に届かず、控除額は0円です。

例1支払った医療費補填される金額
出産費用(分娩・入院)550,000円500,000円
妊婦健診の自己負担30,000円
通院の電車・バス代10,000円

一時金が出産費用より多いとき

出産費用が45万円で一時金が50万円の場合、差し引くのは45万円までです。同じ年に健診3万円、通院1万円、歯科の治療8万円を払っていれば、差引金額は12万円で、控除額は20,000円になります。もし一時金の50万円をそのまま引いてしまうと、控除額は0円になってしまいます。

例2支払った医療費補填される金額
出産費用(分娩・入院)450,000円450,000円(一時金50万円のうち出産費用の額まで)
妊婦健診の自己負担30,000円
通院の電車・バス代10,000円
同じ年の歯科の治療80,000円

年をまたぐとき

医療費控除は、1月1日から12月31日までに実際に払った医療費で計算します。12月に妊婦健診を受けて翌年1月に出産した場合は、健診の費用は前の年、分娩と入院の費用は出産した年の医療費になり、一時金はその出産費用と同じ年に差し引きます。

直接支払制度を使うと、一時金は健康保険から医療機関へ直接払われますが、医療費控除の計算では、出産費用を医療費に、一時金を補填される金額に書く形で考えます。出産費用が一時金より少なく差額を受け取った場合も、差し引くのは出産費用の額までです。

出産が12月か1月かで、分娩と入院の費用がどの年の医療費になるかが変わるので、領収書の日付を確かめて年ごとに分けます。

よくある質問

妊婦健診の受診券で無料だった分は?
受診券などで自分が払っていない分は、医療費控除に入れられません。入れるのは、窓口で自分が実際に払った自己負担の額です。
出産で入院中の食事代は?
病院に払う入院中の食事代は、入院費用の一部として払うものなので、一般的には医療費控除の対象です。出前を取ったり外食したりした費用は対象外です。
夫の申告に妻の出産費用を入れられますか?
生計を一にする配偶者のために払った医療費なら、払った夫の申告に入れられます。その場合も、妻が受け取った出産育児一時金などはその出産費用から差し引きます。

出典と計算の前提

最終確認日 2026年10月18日。金額は、このページに書いた決まりで計算した目安です。医療費控除の対象になるか、いくら控除できるかは税務署が判断します。このページは一般的な情報で、個別の判断は住所地の税務署で確かめてください。高額療養費などの給付は、加入している保険者が決めます。