不動産会社を通さずに、知人や個人どうしで部屋や家を貸すときは、仲介の会社が行っている重要事項の説明や契約書の作成、入金の管理を、貸主と借主が自分たちで行います。決めておくことと進め方の一般的な流れは次のとおりです。
- 物件と設備の状態を写真で記録し、貸す条件(賃料、敷金、期間、ペットなど)を決める
- 借主の本人確認と、支払能力の確認の方法を決める(勤務先、収入の資料など)
- 契約書を2通作り、連帯保証人を立てる場合は極度額を書いて署名をもらう
- 鍵の引渡しの日に、入居時の状態を一緒に確かめて別紙に記録する
- 賃料の入金を毎月確かめ、更新や解約の連絡は書面かメールで残す
普通借家と定期借家
期間を決めて貸しても、普通の賃貸借(普通借家)では、期間が終わったときに更新しない旨の通知をしなければ、同じ条件で更新されたものとみなされます(借地借家法第26条)。貸主から解約したり更新を断ったりするには正当な理由が必要です(同法第28条、e-Gov 借地借家法)。
転勤の間だけ貸すなど、期間が来たら確実に返してほしい場合は、定期借家契約にします。定期借家は、更新がないことを書いた書面での契約と、契約の前の書面による説明が必要です。詳しくは定期借家契約の契約書を見てください。
連帯保証人の極度額
2020年4月の民法の改正で、個人が賃貸借の連帯保証人になる場合は、保証する上限の額(極度額)を書面で決めないと保証が無効になりました(民法第465条の2)。賃料の何か月分とするかは当事者で決めます。また、借主か連帯保証人が亡くなると、その後に生じる債務は保証の対象外になります(同法第465条の4)。
保証会社を使う方法もありますが、個人間の賃貸では、親族を連帯保証人にする形がよく見られます。
トラブルになりやすい点
個人間の賃貸でよく争いになるのは、敷金の返還と原状回復の範囲、設備の故障の修理代の負担、賃料の滞納、退去の時期です。入居時の写真、修繕の分担表、滞納したときの連絡の方法を、契約の時点で決めて書面に残しておくと、話し合いの土台になります。
賃料を受け取る貸主は、その収入が不動産所得になります(所得税法第26条)。給与のある人は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になるのが一般的です(国税庁 No.1900)。
賃料の受け取り方
賃料は、借主の名義で貸主の口座に振り込んでもらうと、入金の記録が残ります。現金で受け取る場合は、そのたびに領収書を渡します。毎月の入金を確かめる日を決めておくと、滞納に早く気づけます。
貸す前に確かめること
分譲マンションの部屋を貸す場合は、管理規約で賃貸が認められているか、管理組合への届出が必要かを確かめます。住宅ローンを返している家を貸す場合は、ローンの契約で賃貸が認められているかを金融機関に確かめます。
鍵と設備の引渡し
鍵を渡すときは本数を記録し、退去のときに同じ本数を返してもらいます。エアコンや給湯器などの設備は、取扱説明書と一緒に引き渡します。
よくある質問
- 重要事項説明は必要ですか?
- 宅地建物取引業者が仲介するときの手続きで、個人どうしの直接の契約では義務ではありません。ただし、物件の状態や条件を書面で伝えておくと、後の争いを防げます。
- 家賃の値上げはできますか?
- 賃料が周りと比べて不相当になったときなどは、借地借家法第32条で増減を求めることができます。一方的には決められず、話し合いで決めます。
計算の前提と出典
最終確認日 2026年10月15日。ここに書いた内容は、法令と国税庁・国土交通省などの公表資料による一般的な説明です。個別の契約や税金の扱いは、弁護士・司法書士・税理士などの専門家に確かめてください。このページは、どなたかの個別の事情について判断するものではありません。